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自動車ビジネス二代目育成塾

。K 社は2代目(息子)が主導で事業継承の準備を行い、さらに事業継承後、着実に業績を伸ばされた会社である。前回までは継承後のポイントについてお伝えしたが、今回はK 社の事業継承を成功に導くために後継者が意識してきたポイントを紹介したい。

後継者は創業者のカリスマは持てないと自覚すること

よく、後継者が先代を超えようとすると、必ず無理をして新事業へチャレンジするか、社員からの信頼を得ぬまま先走りすぎてしまい失敗することが多い。しかしK 社の後継者は社長に就任する前から、創業者が無の状態から作り上げてきて、培ってきた経営センスは創業者にしかなく、後継者が持てるものでもないと自覚されていた。そして、創業者のように力強く社員を引っ張って生きたいとしても、同じやり方は絶対にできないと思い、後継者はガラス張りの経営を心がけていた。現状を常に全て社員に見せることや、中長期経営計画も提示して、幹部社員たちに納得してもらうことを意識されていた。後継者は想いだけでも駄目だし、理屈やロジックだけでも駄目であるため、より気持ちと説得力のバランスがとれた経営が重要なのだそうである。

後継者には3つの覚悟のステップが必要である

K 社の後継者は社長になるまで、そしてなってからの間に3 回「覚悟」をするタイミングがあったそうである。後継者として経営者として意識が変わったとのこと。1 つ目のタイミングは「家業を継ぐと決心するタイミングの覚悟」である。やはり事業継承をするには、後継者が親の事業を継ぐと決断と覚悟が最低限必要になってくる。そして2 つ目は、「自分が代表取締役になるタイミングの覚悟」で
ある。事業継承をすると決めて、会社に入社してもそこから代表になるという意識と覚悟は現実味が帯びてこなければできないため、対外的にもそこへの覚悟が大事である。最後に3 つ目は、「先代が亡くなり、本当の意味でのトップに就くタイミングの覚悟」である。やはり事業を継承しても、親が会長職や相談役として残るケースもあり、経営者をしながらもオーナーとして、先代としての安心感があるが、本当に先代がいなくなったタイミングで非常に重圧と覚悟と向き合わなければならない。K 社の後継者もステップを踏むごとに覚悟
の重みがかなり大きくなっていったと感じており、3 つ目のステップの今は創業者を改めて尊敬するきっかけになっているそうである。

二代目も次の後継者育成を意識しなければならない

K 社も息子が社会人になるタイミングに来ており、息子が30代のうちに事業継承を考えている。そのためには自身が新卒社員から生え抜きの将来の番頭を育て上げなければならないと感じており、2代目以上に3代目は企業として大きくなるため、組織や仕組みで会社が動くようにインフラ整備を進めていかなければならない。

このような、企業としての活性化は中小企業だからこそ、家族経営だからこそ、理念経営の浸透や、後継者候補が活躍する土台づくりなどが非常に重要である。後継者が意識すべきポイントとしてぜひ該当する経営者・後継者の方々は参考にしていただきたい。

次ページも、事例を交えて事業継承の成功ポイントについてお伝えしたい。

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