2018年BSサミット事業協同組合 全国大会特集

時代の先端を行く世界基準の車体整備工場経営に努める!

世界標準の車体整備技術で、お客さまに安全・安心を提供するプロ集団のネットワークであるBSサミット事業協同組合(磯部君男理事長)は、去る7月9日、10日の2日間に亘って2018年全国大会をANAインターコンチネンタルホテル東京にて開催した。
衝突事故軽減ブレーキ搭載車が普及したり、その延長線上で自動運転車時代がひたひたと迫ってきており、車体整備業には厳しい環境になってきている。
ここでは大会冒頭の磯部理事長の挨拶を紹介する。同組合の今後の方針はどうなのか?ぜひ参考にされたい。

 

[ 磯部君男理事長挨拶]BSサミットの昨年実績についてご紹介いたします。始めにDRP入庫実績ですが、台数は76,774台、金額ベースで144億4,126万8,000円となっており、対前年比台数ではマイナス7.8%、金額ベースでもマイナス6.3%となっています。
入庫台数マイナスの主たる原因としては、自動ブレーキ車出現による全自動車事故の6割を占める追突事故の減少、保険契約者マインドの変化が挙げられます。一方、ロードサービス取扱台数ですが、総計40万7,268台、金額ベースでは65億2,558万円となっており、対前年比台数ではプラス7%、金額ベースでもプラス8.4%となっております。

■ 迫る自動運転時代
現時点では自動運転車を身近に感じられる場面は少ないのですが、日産自動車が電気自動車リーフを使い、今年3月、株式会社DeNA社と連携してイージーライドと称し、日産横浜グローバル本社とみなとみらい地区にある商業ビル、ワールドポーターズの間4.5kmを自動運転車による公開実験走行を行いました。
自動運転のシステムグレードとしてはレベル4かと思います。始めに自分のスマートフォンに自動運転車専用アプリをインストールし、行き先に応じた昇降地を指定すると、乗車予約が完了します。
予約時刻になると、自動運転車両は待機場所から指示された乗車場所へと移動します。車両が到着したらアプリでドアロックを解除し乗り込むと、後部座席にある車載タブレット端末にシートベルトの確認やウェルカムメッセージが表示されます。
車内にはカメラが設置されており、外部のモニタールームから必要な時のみ何かあれば車載タブレット端末から音声通話も可能です。走行中は周辺のスポットやイベント情報、クーポンがタブレットに表示され、クーポンをスマートフォンにダウンロードすれば実際の店舗で使用できるなど、進歩的で魅力ある内容となっております。
この実証実験を見ても、自動運転時代が身近なものに感じられます。自動車が生まれておよそ100年になりますが、この100年に一度と言われている自動車業界の変化にBSサミットとして、機敏に対応する必要性を痛感し、4要件について今年度の重点活動項目として取り組んでいくことといたします。
1つ、組織の在り方、1つ、次世代自動車時代に適合した組織理念、次世代自動車時代に適合した新活動指針、1つ、安全な車体整備遂行に向けた具現化へシフト、1つ、次世代自動車の車体整備技術情報公開へのアクションプランの提言、以上4項目であります。

■ BSサミット活動指針
次におかげさまでBSサミットは発足して21年目を迎えております。設立当初からの信条である、BSサミット基本宣言に加え、激しい環境変化への対応には次世代自動車社会での組織理念、基本指針が必要であります。
BSサミットは常に創造、挑戦し続ける実践集団であり、変わらないものとして品質、安心、安全があります。また激しい時代の変化に対応することが肝要であり、変えていくものとして技術、環境、サービスがあります。
この組織理念を踏まえ、BSサミット活動指針として、5項目を鑑に本年度から諸活動を進めてまいります。1つ、オートアフタービジネスを通じて安心・安全な交通社会を実現します、1つ、業界最高水準の修理技術、接遇を提供します、1つ、コンプライアンスを遵守し、信用・信頼される組織を目指します、1つ、オートアフタービジネス業界の新たな秩序を創造します、1つ、次代を担う経営者を育成します。

■ 次世代自動車技術開発プロジェクト
現在走っている衝突被害軽減ブレーキ付きのクルマ、いわゆる自動ブレーキ装着車がBSサミット組合員工場に入庫してきますが、全組合員工場はエイミング技術研修を終了しており、自信を持って対応しております。
しかし残念ながら、肝心のエイミング作業工数については、自動車メーカー及び自研センターから正式な作業工数や指数は発表されておりません。
そこで新たに理事長直轄の次世代自動車技術開発プロジェクトを発足し、最も販売台数が多い車種の代表的なクルマのエイミング作業工数表を策定し、この4月に発表しました。今回、プロジェクトを組むに際し、現行指数の問題である指数算出根拠の不明確な部分を払拭し、誰にでもご理解いただける修理費の明瞭化のために作業工数のロジックについて、公明正大な内容とする旨、指示をし、しかも作業工数作成については、複数の専門家監修の下、策定作業に臨みました。
さらにエイミング作業は、メーカーによっては独自の技術を持って対処しているクルマもございます。車体修理作業後の部品取付位置設定に苦慮する車種もあり、現在プロジェクトとして部品取付を容易に行える特殊ツールを開発し、特許及び実用新案の申請中であります。
作業工数表ですが、初版に続く第2弾については発表に向けて現在、作業に着手しております。
次に車体整備技術情報公開のアクションプランについてご説明いたします。

新型車発売に伴って、自動車メーカーは電子技術マニュアルという情報媒体を有料にて提供しております。各社提供価格はまちまちですが、およそ1車種1媒体1万円から4万円で提供されております。 例えば某メーカーでは60車種ありますので、すべて購入した場合、240万円も必要になります。これだけでは実務に支障が生じますので、すべてのメーカーの技術情報媒体を購入しようとしても、1,000万円では入手できません。
このような実態では次世代自動車の車体整備情報の入手には、専業車体整備工場規模では負担額は過大であり、限界があります。現在、修理技術情報公開のあるべき姿に向け、関係法令の改定などについて交渉中であります。

7月3日付けの読売新聞の1面に、「自動ブレーキで事故72件」と大々的に掲載されました。2017年集計の国土交通省の調査によると、自動ブレーキを巡るトラブル340件、十分に作動しないとの報告が88件、うち72件が事故になっております。また自動ブレーキが誤作動したとの報告が249件となっておりました。
これからの次世代自動車社会のために、新たな仕組みを早期に展開すべきと考えます。BSサミットは日進月歩で進化していく先進安全自動車に対応すべく、果敢にチャレンジしてまいります。

■ エクセレント工場基準も進化する
振り返ってみますと、BSサミットは3年前にディーラー車体内製工場ならびに同業他組織に先駆け、世界基準のエクセレント車体整備工場基準を発表しました。おかげさまで6月末現在、81工場がエクセレント工場資格認定を取得し、さらにTUV認証資格取得についてはプラチナ資格取得工場17社のうち、50%がBSサミット組合員工場になっております。さらにゴールド資格38社のうち、BSサミット組合員工場14社が世界基準の車体整備工場認証資格を取得しております。
今後の取り組みとして、BSサミットオリジナルのエクセレント工場基準の進化版を9月末までに策定します。また直近では、エクセレント・ゴールド・プラチナ資格取得を明示する認定プレートを掲示し、お客さまに安心・安全な車体整備を提供できる工場であることを明確にしてまいります。

 

■ 全組合員のスポット溶接機を調査
次に安心・安全な車体整備を目指すため、BSサミットはスポット溶接機の性能確保について、全組合員を対象に調査を実施しました。今や、自動車の車体に使用されている高張力鋼板や超高張力鋼板をスポット溶接作業するには、一定の溶接条件が設定されております。エクセレント工場認定及びTUV認証基準にも明記されており、この溶接基準を満たさない作業をしますと、最悪、車体溶接強度が不足することになります。
すべての組合員工場は所定の基準を満たしており、安心・安全な車体修理ができる体制を整えております。具体的にはスポット溶接管理責任者を選任し、溶接品質の均質化を図ってまいります。
ご存知の方もいらっしゃるかと存じますが、6月8日の業界紙にEDR、イベント データ レコーダーの記事が掲載されました。これは航空機で言えば、フライトレコーダーのようなものであり、このシステムはエアバッグシステムの中に既に組み込まれており、2020年から自動運転車に活用・検討しているようです。

仮に先進安全技術のエイミング調整作業を怠ったり、誤ったことが原因で事故が起きた場合、データ解析により整備作業の責任が明らかになることは間違いありません。改めて次世代自動車の車体整備については、エクセレント認定工場をはじめとする世界基準をクリアーした工場で整備を行い、修理履歴を残すトレーサビリティの確立が必要になります。

BSサミット事業協同組合は次世代自動車の車体整備工場として、新技術対応の先駆者として、わが国の車体整備業界をリードすべく展開を進めてまいります。
皆様方のご期待に応えるべく、安心・安全な次世代自動車社会実現のため、車体整備技術力の確保をモットーに、時代の先端を行く世界基準の車体整備工場経営に今後も努めてまいります。

 

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