エアコントラブル事例

カーエアコンのトラブル代表事例10

自動車整備工場における故障診断整備のススメ

■ エアコンのトラブル事例
先月号ではエアコンシステムの概要を説明しました。構成部品の概要を今一度確認いただけたと思います。さて、今月はエアコンにまつわるトラブル事例を解説したいと思います。

■ 代表的なトラブル事例

エアコンのトラブルというと、ほとんどの場合、冷えないというトラブルになると思います。この季節ですから最も多いトラブルではないでしょうか。コンプレッサーの異常や構成部品の異常など、様々な要因が考えられます。では、何故冷えなくなるのでしょうか。原因としては下記のようなものが考えられます。

① 冷媒充填量不良(過多・小)
② コンプレッサーベルトの緩み
③ コンプレッサー吐出不良でガス圧が上がらない
④ コンプレッサーオイル過剰
⑤ エアコンサイクル内の詰まり
⑥ エアコンサイクル内エア混入
⑦ エキスパンションバルブ開度不良
⑧ コンデンサーガン目詰まり
⑨ 電動ファン作動不良
⑩ エンジンファンカップリング不良
( アイドル時のみ不良)

上記が代表的なトラブルとして挙げられます。このようなトラブルを未然に防ぐにはACSを活用するか定期的なメンテナンスを実施する必要があります。

■ 定期的なメンテナンス

何も大きな機械を入れなくても定期的なメンテナンスが出来ます。トラブルに対する原因を挙げていくと

① 高低圧共に高い…冷媒過多のために、回路の中を液冷媒が循環し、エバポレーターでも気化しない。コンプレッサーは液体を圧縮するために高負荷になっており、破損に繋がる。

② 高低圧共に低い…冷媒過少のために高圧が上がらず、効率よく機能しないために冷えない。

③ 高圧が高く低圧が低い…エキスパンションバルブの詰まり。サイクルが詰まるために高圧側が以上に上昇、低圧側は無理な吸引をするために真空状態になる。コンプレッサーが高負荷により破損に繋がる。

④ 高圧、低圧共に高い…エキスパンションバルブが開き過ぎている。エバポレーターへの冷媒流量が多く、気化しない。よって低圧圧力も下がらない。冷えが悪く、液体のままコンプレッサーに戻ってくるため、コンプレッサーは高負荷になる。そのため破損に繋がる。

いずれのトラブルも冷媒量管理と回路内の不純物によるトラブルになります。冷媒量の管理はとても重要で、真空引きを十分に実施して基準充填量を充填することがエアコントラブルをなくし、快適な車内空間を作ります。同時にコンプレッサーオイルの管理もオススメします。回路内の液体は全て基準量を守ることが重要です。

■ 新規ビジネスで収益アップ

夏場は絶えないエアコントラブルですが、皆様もコンプレッサーの交換など経験したことがあると思います。未然に防ぐためにニューサービスとしてエアコンサイクル洗浄機(ボッシュACS751)の提案を数回に分けて紹介しております。『お客さまに喜ばれるサービス』として登場以来好評のACSですが、今回紹介するトラブルのほとんどを軽減または防止が出来ます。定期的なメンテナンスを顧客に展開し、新しいビジネスに今年こそ挑戦してみてはいかがでしょうか。

監 修:ボッシュ株式会社 長土居大介

AD
 data-src=有償運送許可研修を毎月開催" width="650" height="178" >

有償運送許可研修を毎月開催

せいび広報社では毎月、事故車故障車等の排除業務に係る有償運送許可の研修会を実施しています。会員限定ではなく、全国どの地域からも、法人・個人事業主でもどなたでもご参加いただけます。研修の受講者は、会社の代表者・経営者に限らず、従業員の方でしたらどなたでも、会社を代表して受講していただくことが可能です。

CTR IMG