2分でわかる!クルマのエアコンについて

自動車エアコンの構造

エアコンシステムの概要

エアコンコンプレッサーの交換やクーラーサイクルの洗浄といったサービスは夏場には欠かせません。前回、ASC751を活用したエアコンサービスを実施することで顧客満足度の向上はもちろんのこと、高利益ベースのサービスが自社の基盤となることを紹介しました。今回はそのエアコンについて解説をしてまいりたいと思います。

新ガスと呼ばれるHFC-134aの特徴

現在の冷媒は通称新ガスと呼ばれる134aが主流です。134aは水に対して微溶性であり、水分を含み易く酸化してしまいます。そのため、冷却性能が低下し易く、冷凍性能はR12に比べ15%~ 20%ほど低いのです。とりわけ、冷凍能力が低いため、熱交換性能が高いコンデンサーが採用されるようになりました。

環境配慮のため、クーラーガスはR12から134aとなりました。数字で見るとその差は歴然で、134aは地球温暖化係数が二酸化炭素の1,430倍、R12に至っては10,900倍となっています。オゾン破壊係数に関して134aは0となっており、地球温暖化のことを考えると大気開放は決して行ってはいけません。

構成部品のコンポーネント

クーラーサイクルは5つの大きな部品で構成されています。それぞれの役割を解説しようと思います。

<コンプレッサー>
エンジンを動力に冷媒を圧縮するもの。ハイブリッド車はベルトを使わないため、電動対応が主流になりつつあります。エアコンを代表する部品であり、交換対象としてリビルト品や中古部品なども多く存在します。

<コンデンサー>
気体から液体に戻す装置。圧縮されて高温となった冷媒の温度を下げる(80℃→60℃)ラジエーターのようなもの。主にラジエーターと同じような位置に配置されることから、前周りの事故では壊れ易く、エアコン修理ではあまり目立たない場合もあります。

<レシーバードライヤー>
コンデンサーで液化された冷媒を一時的に貯めるタンク。冷媒中の不純物やゴミ、水分などを取り除くストレーナーの役割を持っています。その役割から一番に洗浄すべき部品とも言えます。

<エキスパンションバルブ>
通称エキパンなどと呼ばれる、液化した冷媒を絞り弁で霧状に噴射するバルブ。この弁はエバポレーター出口の温度によって噴射冷媒の量をコントロールしています。

<エバポレーター>
車内のダッシュボード内部に取り付けられている、先ほどのエキパンで霧化された冷媒を気化させて冷却する装置。ここを車内の空気がファンによって通過することで、熱交換が行われ、冷風が出ます。
霧化された冷媒の再圧縮がコンプレッサーによって完結することでクーラーは成り立っています。

冷媒の原理

注射をする際にアルコール消毒をすると、ひんやりとします。これはアルコールが気化する時に体温を奪うことで起きる現象で、潜熱と呼びます。車のエアコン冷却原理も、この潜熱と一緒です。簡単に言ってしまえば、アルコールの代わりに134aを使って冷却しているのが、カーエアコンということです。

ガス注入サービス

一時、水抜き材やエアコンガスの注入などを、ガソリンスタンドで声掛けをしていた時期がありました。ユーザーは言われるがまま、サービスを受け、一時の安心を得ていたことでしょう。クーラーサイクルのそれぞれの役割を見ての通り、ガスを充填したところで、意味は無く、多くても少なくてもエアコンの効果は発揮されません。

今までは、マニホールドゲージを使用した圧力管理でしたが、これでは充填量が正確ではありません。適量を注入することで、エアコンは正常に作用するのです。単にガス量の管理だけでは不十分ということです。

エアコン回路内の不純物の除去し、真空引きを実施し基準充填量を正確に充填することで、効率よく冷却するエアコンになるのです。クーラーサイクルの洗浄を行うことで、除湿機能も上がるため、より快適なエアコンとなります。

今後のサービスとして実施していく上で、それぞれの機能を理解し、何故冷えないのか、何処に不具合があるのかといった故障診断をしていきましょう。そして、前回紹介したACS751等の機材は上記のメンテナンスを容易にかつ短時間で作業出来ることを重ねてお伝えします。

次回はエアコンのトラブル事例について紹介をしてまいります。

監 修:ボッシュ株式会社 長土居大介