電気の見える化最終手段とは

電気配線

自動車電機の基本③
苦手分野を克服し、知り、そして何故? を追求する

自動車整備工場における故障診断整備のススメ

電気を見える化する最後の手段、配線図 一般的に電気が嫌いなメカニックが多いため、その理由や改善策などを2ヶ月に亘って説明をしてきました。現在の車両は電子制御化が進み、スキャンツールが無ければ何も出来ないと言ってきました。ここで、基本に立ち戻り、電子制御の基本を思い出してください。

下図のようにECUとセンサー、アクチュエーターが連動して動いているのが電子制御です。そしてこれらを繋いでいるものが配線です。各々の信号が、配線を使って各々に送っているのです。今回は配線図について解説してまいりたいと思います。

ECU

故障箇所の比率

電子制御の故障箇所の比率があります。どの箇所でどのくらい発生率があるかというと、ECU10%・センサー/アクチュエーター30%・配線/コネクター60%の割合で故障が起きていると、ボッシュでは統計が取れています。実際に作業されている読者の皆様も心当たりがあるのではないでしょうか。コンピューターを換えても直らない、センサーを変えても直らない、しかし、実際はカプラーだったという、故障事例を経験したことがあるメカニックは少なくないと思います。

こういった際にも何処が壊れているかを診断しなくてはいけませんし、勘などに頼った整備ではお金も時間もかかるだけになってしまいます。そうならないために前月までオシロスコープなどの解説をしてきました。スキャンツールにしても、あくまでヒントしか教えてくれません。作業をするのはメカニックです。その点を十分に留意して頂きたいと思います。

配線が一番壊れやすいが、何処に何の配線があるか分からない

故障が起きた際に配線やカプラーを直ぐに交換すれば良いわけではありません。何処のカプラーが壊れていて、どの配線がダメになっているかを見極めなくてはならないのです。自動車の電気システムには、安全性、快適性、並びに操作/利便性を制御管理するための多数の電気/電子装置があります。複雑な車両電気システムの回路を理解するためには、回路記号、回路図が欠かせません。

各自動車メーカーによって電気回路図は異なります。特に日本メーカーは分かりやすく明記されています。逆に欧州車は分かりにくいとされています。しかし、日本車であっても回路図を理解しなくては、解読出来ません。どの配線が何に、どのように繋がっているのか分かるのが回路図です。不具合箇所を見つけ、回路図を見て、直す、それこそがメカニックの仕事と言えます。

日本車の配線図では、注釈や補足があるため、比較的分かり易いのです。しかし欧州車も原理、原則を理解してしまえば日本車よりも遥かに分かり易いといえます。

監修:ボッシュ株式会社 長土居大介