国土交通省が汎用スキャンツールの標準仕様をとりまとめ

スキャンツール

「自動車整備技術の高度化検討会」が報告書
本誌5月号でも紹介した「汎用スキャンツールの標準仕様」について国土交通省はこの度、同省が管轄する「自動車整備技術の高度化検討会」でとりまとめ、公表した。

検討会でとりまとめた成果と課題

成果1 汎用スキャンツールの標準仕様について

「汎用スキャンツール普及検討会」でとりまとめた標準仕様について、試作機を使用した検証を実施した結果、基本機能及び拡張機能の方向性は、活用実態に沿った内容であることが確認された。標準仕様の機能は、それぞれのシステムに対しては表の通り。

対応システム 主要システム
機能 パワーとトレイン AT/CVT ABS/ESC SRSエアバック 今後拡充するシステム
ダイアグコードの読取・消去
作業サポート
J-OBDⅡ
データモニタ
フリーズフレームデータ読取
アクティブテスト

◎  第一段階の標準仕様
○  第二段階の標準仕様に新たに追加される機能
( 2013 年度後半以降~)
△  第三段階の標準仕様に新たに追加される機能
( 装着率等を考慮して、第二段階の標準仕様を順次拡充)
ー 車両側対応なし

成果2 大型車(ディーゼル商用車)のスキャンツールについて

大型車(ディーゼル商用車)についても、自動車製作者がスキャンツール開発に必要な情報を提供する環境を整備するため、乗用車の例を参考に情報提供方法等について定めたガイドラインを策定する。

成果3 研修制度について

汎用スキャンツールを用いた整備要員の性能向上を図るため、平成24 年度から、業界団体において、自動車整備士を対象とした基礎研修会が開始される。

課題1 汎用スキャンツールの普及について

今後は、標準仕様に基づく汎用スキャンツールの市場投入に伴い、その普及を図るため、業界による共同購入により価格を低廉化する等、具体的方策について検討し、早期に実施していく必要がある。

課題2 整備事業のIT化、ネットワーク化の推進について

自動車の新技術の普及に伴い、整備事業者が的確に対応していくため、日整連が運営するインターネットを活用した整備情報提供システム(FAINES)を活用して、自動車メーカーから提供される点検整備情報のネットワーク化を推進し、スキャンツールによる情報を整
備事業者が幅広く共有していく必要がある。また、検査の高度化等を踏まえ、整備現場が対応できるIT 環境を整備していく必要がある。

課題3 研修制度について

業界団体が平成25 年度から開始することとしている、汎用スキャンツール応用研修についてカリキュラム等を検討する必要がある。さらに、大型車(ディーゼル商用車)の技術講習等について、大型車の整備主任者技術研修の実施率が低い状況であることから、研修実施場所の確保や現行の汎用スキャンツールを使用した研修内容を検討していく必要がある。

課題4 資格制度の活用方策について

新技術に対応できる整備士を養成するため、整備士各級の教育内容やカリキュラム等を見直す必要がある。また、新技術に対応した人材育成の観点から、一級整備士の役割等について検討する必要がある。

課題5 国際化への対応について

自動車及び点検整備機器の輸出入等の状況を踏まえ、諸外国における点検整備情報の提供方法等、今後、国際的な視点で普及に向けた対応を進めることが必要である。

 スキャンツール導入補助を 7 月下旬からスタート

また、国土交通省はスキャンツールの導入に際して補助制度を新たに設ける方針を固めた。同省は経済産業省と進める「省エネ型ロジスティック等推進事業費補助金」として先日成立した2013 年度予算で25 億円を確保。そのうち、約2億円強を「スキャンツール等を活用した整備の高度化推進事業」として、スキャンツール導入費用補助に充てるとしている。