標準仕様

汎用スキャンツールの標準仕様

自動車整備故障診断整備のススメ

せいび界2013年05月号

汎用スキャンツールの標準仕様

これまで、故障診断にまつわる事柄を紹介してきたが、今回は、基本に立ち返って、汎用スキャンツールの標準仕様について紹介する。
「どのスキャンツールを選べばいいのか分からない」、「どういった機能があるのか分からない」等の疑問を解消するひとつのきっかけになれば幸いである。

■ 標準仕様ガイドライン

そもそもの始まりは、2010 年7月、国土交通省が昨今のハイブリッド車に代表される次世代自動車の安全・環境性能の電子化に対応するために汎用スキャンツール普及検討委員会を設置し、標準仕様ガイドラインを設定したことにある。
この標準仕様ガイドラインでは、ハードウェアは一体型もしくはモジュール(PC 別)タイプであること。
ソフトウェアは、J-OBDⅡ対応で全システムの故障コードの読出・消去ができ、2000年以降国産車のエンジン・TM・ABS・ESC・エアバッグ・メンテナンスサポートに対応できることといった条件が決められている。さらに価格帯を10万円~ 20万円とし、最後に機能の拡張性があることなどが定められた。

拡張性に関しては、パソコンに接続し、基本機能から拡張機能への移行、もしくはソフトウェアのアップデート・バージョンアップなどを行うことで、機能を拡張出来なければならないとし、さらに本体の買い替えなしでアップデート可能であることも条
件になる。

■ 基本機能と拡張機能

汎用スキャンツールの基本機能としては、ダイアグコードの読取・消去、作業サポート、J-OBDⅡが見られることが設定された。拡張機能には、(リアルタイム)データモニタ、故障発生時のデータ読取(フリーズフレームデータ)、システム強制作動による故障箇所(アクチュエータ)特定機能(アクティブテスト)等がある。
つまり簡易な故障診断ならば基本機能だけで十分だが、より高度な故障診断を行うならば拡張機能は必須となる。そして、さらに正確な故障診断整備を求めるならば、トラック24V対応、輸入車対応、修理マニュアル(SIS)、国産車整備マニュアル(FAINES)、無線通信などの特別な機能を持つスキャンツールもあるので、自分がどのようなスキャンツールを求めているのかをしっかりと考えて、導入することが望まれる。

 

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