ハイブリッド車の保有台数

今こそ車検で勝負!!

今こそ整備専業工場は車検で勝負!!
ハイブリッド車検、付加価値車検で差をつけろ!

車検特集 せいび界2013年5月号

整備専業工場の一番の収益源は車検であることは言うまでもない。
平成24年度版の自動車整備白書で車検整備売上高の推移を見てみると、平成24年度は2兆1,299億円となり、前年度から0.2%減少した。特に1年車検整備の増減額は対前年度148億円のマイナス(2年車検整備は対前年103億円増加)で、その減少額が大きい。また、
業態別に見てみると、専・兼業が1兆2,263億円と唯一、前年度からプラスとなったが、ディーラー(8,103億円:前年度比4.6% 減)、自家工場(933億円:対前年度3.2%減)は共にマイナスとなった。

一方で車検整備入庫台数は専・兼業もここ数年は年間295台~ 305台の間で推移している。カーディーラーでは平成24年度は平均670台と対前年でマイナス30台以上になった。
このように車検整備に関しては、整備専業工場(専・兼業)が非常に頑張っているように見えるが、実態はどうなのだろうか?
取材先の整備工場で最近、よく耳にするのは、「台数(車検・一般整備)の入庫は以前とさほど変わらないが、売上は減少している」という話だ。確かにここ数年のデフレ基調から車検整備単価が下落していることは間違いない。つまり、業務量は変わらず売上が下がっているのが「車検」なのである。 そこで、今回は整備専業工場が敢えて「車検」で勝ち残るための戦略を事例を交えて考えていきたい。

急成長するハイブリッド車の車検需要を取り込め

エコカー補助金の効果もあり、環境対応車が爆発的に増えている昨今。特にハイブリッド車の新車販売が好調で、プリウス、アクアなどといった人気車種は販売ランキングの1、2位を常にキープするなど、今後も保有台数は増加し続けていく。一方、アフター市場でもこれだけ保有台数が増えればハイブリッド車の車検・整備をディーラーだけでこなすのは不可能であり、整備専業工場にも確実にハイブリッド車の入庫が増え始めている。

しかし、整備専業工場のハイブリッド車への対応はまだまだ十分と言えず、ましてや電気自動車の車検・整備に関しては、ほんの一部の専業工場に限られている。
だが、これはチャンスとも言える。他よりも先にハイブリッド車の車検・整備のエキスパートとなれば、他社との差別化が図れるだけでなく、整備技術の向上にも繋がるはずだ。
今まではカーディーラー一辺倒であったハイブリッド車の車検もこうした動きから、各車検チェーンにおいても、「専業工場でもハイブリッド車検が出来る」ことをPRすることで、新たな市場開拓を積極的に行っている。

「アップル・ハイブリッドカー車検」

アップルグループ(瀬尾亮二会長)では、近年急増しているハイブリッドカーに対応するために、「アップル・ハイブリッドカー車検」を今年1月から本格的に展開している。
「アップル・ハイブリッドカー車検」は、通常車検項目はもちろんのこと、それ以外にも専用診断機を使用してコントロールユニット内の故障履歴やハイブリッドカー特有の重要な装置を徹底的にチェックし、クルマの状態をお客さまに案内するサービスである。
お客さまへの案内や説明には、アップルスクールで行われる研修を受け、「アップルハイブリッドマイスター」として認定されたアップルグループ専門の整備士が行う。
アップルスクールで行う研修は、2日間泊り込みで、徹底的にハイブリッドカーについて学ぶものとなっており、初日は、座学を中心に基本となるハイブリッドカーのシステムなど体系的な理論を学び、2日目には、実車でスキャンツール等を使用した実技訓練を行う。他にも、お客さまへの案内を想定したシミュレーションなど、実践的な訓練を経て、アップルハイブリッドマイスターとして認定される。
これは、研修を受講した整備士一人ひとりが認定されるもので、認定されれば、認定証やワッペンなどが贈られる。

アルピコ自工ALPICO GROUP
スピード25分車検システムを全国に展開中の車検グループ

車検のグループは様々あるが、立会車検の一つの到達点とも言われている車検システムを構築した工場が長野県松本市にあるアルピコ自工株式会社だ。今回取材をした松本工場は整備士は33名、月間平均800台以上の車検入庫がある(3月は車検の繁忙期ということもあり、3月26日の時点で1,000台を越えていた)。店舗は4店舗ある(松本2件、諏訪、長野各1件)。いずれも車検に特化している店づくりをしている。元々は6年間ホリデー車検に加盟をしていた過去がある。その時は月間500台の車検入庫があり、既存の車検システムではこれ以上の車検台数に人員を割き、ラインを増やすことで対応するには限界があったため、Clear25を開発した経緯を持つ。

Clear25

この車検システムは、同社が12年前に開発、日本で初めて特許を取得し、現在日本全国32拠点で展開をしている。抜群の集客性と作業性を持ち、連日予約が殺到しているのがClear25だ。乗用車の点検検査項目である105 ヵ所を検査員、アドバイザー、メカニックの3人体制で作業を進めていく。そこにお客さまも立ち会いで加わり、25分間という短時間で説明をしながら目の前で点検を行う。24メートルの検査ラインを流す間に書類(診断カルテ)の発行までが完結する仕組みとなっており、冷暖房完備の専用設計の屋内で作業をする。「25分間で3人が1台を終わらせる。それを3人で1日16台最大3チーム10分間隔で1日最大45台をClear25で展開出来る」、そう語るのは柳沢賢一取締役営業促進部長。同社では、車検全体の87%がClear25で、残りの外車や大型車や法人客やリース車両など、立会が出来ないお客さまに対しては従来のラインで展開をしている。特徴としてClear25の5割が女性客となっており、アドバイザーからの適切かつ分かりやすい対応に顧客が顧客を呼ぶ形を創造している。

Clear25では診断カルテに出てきた検査結果を説明して(症状、安全上の注意点、安全度合、部品代、作業工賃、作業時間など)追加整備が行われるのだが、点検作業の途中に説明があるので顧客は納得して追加整備を選択できる。追加整備があった所はお客様が判断して、今回整備を選択したものを引き続きサービス工場で整備をする。つまり追加整備がある場合、Clear25の検査員とサービス工場の検査員二人が保安基準適合証に署名・押印することになる。作業や部品の調達に時間のかかる場合はお客様の要望に沿って無料代車サービスも行っている。実際、取材時に女性客が一人でClear車検を受けに来ており、目の前で消耗品や車の状況を確認して、アドバイザーからマフラーに穴が開いていると現物を見せられながら説明を受けていた。結果、そのまま追加整備を受けマフラーを交換することになった。検査の結果は安全、注意、危険を表す三段階に分かれた診断結果で交換、修理という形で対応をする。

全国47都道府県の地域一番店はClear25!

Clear25はフランチャイズではなく「暖簾分け」で全国展開をしている。専用ラインの導入、3人が息を合わせた点検検査作業、アドバイスなくしては成り立たない。
指定工場からClear25を導入するケースもあるが、認証工場や燃料販売店などの異業種からClear25を導入するケースや鈑金主体で店を構えている店舗の導入実績もある。基本的に同一商圏内では1工場のみの許諾となっている。
「5年後には47都道府県展開をする計画です」と柳沢部長。導入には指定工場資格、クリー検査ライン、マニュアルに沿った導入研修が必要なため、すぐに看板を立てることは出来ないが、導入すれば集客率から作業効率、入庫台数のアップそして売上の強化も見込めることは言うまでもない。

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