市場動向レポート
前年比5.6%増の214,994台。稼働日数が2日減のなかでの増加は実態以上の強さを示す。各ブランドの明暗と整備業界への影響を解説する。
2026年6月1日 出典:一般社団法人 日本自動車販売協会連合会(自販連)
概況——「日数減」を補って余りある回復
2026年5月の登録車新車販売台数は214,994台(前年同月203,523台)となり、前年比5.6%増と2カ月連続のプラスを記録した。注目すべきは登録稼働日数が前年比で2日少ない18日間だったにもかかわらず増加を達成した点だ。1営業日あたりの実質的な販売ペースに換算すると、増加幅はさらに大きくなる。
ただし、歴史的な水準でみると、5月単月としては統計開始(昭和43年)以来59年間で下から13番目という位置づけに変わりはない。市場が正常化に向かってはいるが、かつての水準には遠い。
車種別 前年同月比(2026年5月)
| 車種 | 台数 | 前年比 | 傾向 |
|---|---|---|---|
| バス | 919台 | +56.8% | 2カ月連続増加 |
| 小型貨物車 | 17,119台 | +13.4% | 2カ月連続増加 |
| 小型乗用車 | 67,070台 | +8.7% | 3カ月連続増加 |
| 貨物車合計 | 26,589台 | +6.5% | 2カ月連続増加 |
| 合計 | 214,994台 | +5.6% | 2カ月連続増加 |
| 乗用車合計 | 187,486台 | +5.3% | 2カ月連続増加 |
| 普通乗用車 | 120,416台 | +3.5% | 2カ月連続増加 / 5月として歴代2位 |
| 普通貨物車 | 9,470台 | −4.0% | 5カ月ぶり減少 |
ブランド別の明暗
乗用車・小型車を中心に各ブランドの動向を確認する。増加傾向のブランドが多いなか、日産の長期低迷とスズキの連続増加が特に目立つ。
日産は2024年12月から18カ月連続の減少。経営再編・ブランド力の低下が続いており、日産車を主力とする整備工場では入庫台数の減少傾向が長期化している可能性がある。顧客のブランドポートフォリオを改めて確認し、対応を検討する時期かもしれない。
スズキは14カ月、ダイハツは認証問題から回復し7カ月の連続増加。軽自動車市場の復調は、軽を中心に扱う地域密着型整備工場にとってプラス材料。新車販売の増加は2〜3年後の定期点検・車検入庫数に直結する。
| ブランド | 2026年5月の動向 |
|---|---|
| スズキ | ▲ 14カ月連続増加 |
| ダイハツ | ▲ 7カ月連続増加 |
| 三菱ふそう | ▲ 7カ月連続増加 |
| 三菱 | ▲ 4カ月連続増加 |
| トヨタ | ▲ 2カ月連続増加 |
| ホンダ | ▲ 2カ月連続増加 |
| SUBARU | ▲ 2カ月連続増加 |
| 日野 | ▲ 2カ月連続増加 |
| レクサス | ▼ 2カ月ぶり減少 |
| マツダ | ▼ 2カ月ぶり減少 |
| いすゞ | ▼ 2カ月連続減少 |
| UDトラックス | ▼ 3カ月連続減少 |
| 日産 | ▼ 18カ月連続減少 |
整備業界への示唆
新車販売の増減は、整備業界にとって将来の入庫台数を占う先行指標だ。今月のデータから整備事業者が押さえておきたいポイントを3点に整理する。
普通乗用車(+3.5%)と小型乗用車(+8.7%)がともに増加。今月登録された車両は3〜5年後に初回車検・継続車検の時期を迎える。長期的な入庫計画の基礎データとして活用できる。
物流・配送需要を背景に小型貨物車が13.4%増と大幅増加。商用車整備・フリート管理を手掛ける工場には直接的なプラス材料。バス(+56.8%)の急増も公共交通・観光バス分野の整備需要回復を示唆する。
大型トラックにあたる普通貨物車は5カ月ぶりの減少。トラック整備を主力とする工場は、新規入庫の伸びが鈍化する可能性も念頭に、既存フリート顧客との関係強化が重要になる。
出典:一般社団法人 日本自動車販売協会連合会「2026年5月新車販売台数(登録車)概況」「ブランド別登録車新車販売台数速報」

