新理事長・丸山将一氏が始動 日本自動車機械器具工業会 令和8年度通常総会を開催

一般社団法人日本自動車機械器具工業会は、2026年5月26日、令和8年度通常総会を機械振興会館(東京都港区)で開催した。今回は例年実施していたWEB会議の併用を取りやめ、会場のみでの開催となり、正会員42社中38社(委任状提出18社を含む)、賛助会員1社、報道関係者13社が出席した。

総会では令和7年度の事業報告案・収支決算案、令和8年度の事業計画案・収支予算案がいずれも満場一致で承認されたほか、任期満了に伴う役員全員の改選が行われ、原案通り承認された。総会に続く臨時理事会では、前副理事長でエムケー精工社長の丸山将一氏が新理事長に選出され、前理事長で三栄工業会長の山田勝己氏は顧問に就いた。専務理事には経済産業省出身の江藤俊浩氏が就任した。

 

中東情勢見据え5つの重点方針

理事長就任にあたり丸山氏は、我が国の自動車産業の基盤を支える工業会のさらなる発展に尽力する意向を示し、山田前理事長ら諸先輩の功績に敬意を表した上で、今後の重点施策として5つの柱を掲げた。

第一に挙げたのは、ホルムズ海峡の情勢を見据えた地政学リスクへの備えである。中東情勢の緊迫化により同海峡が閉鎖されれば、エネルギー価格の高騰や物流の停滞、部品・材料の供給不足など会員企業の生産活動に深刻な影響が及びかねないとして、政府・関係機関との連携強化と迅速な情報収集・共有、具体的な対応策の検討を進める方針を示した。

第二に情報セキュリティ対策の徹底を挙げた。DXの進展に伴い製造業を狙うサイバー攻撃が巧妙化・悪質化する中、一社の脆弱性が業界全体に波及しかねないとの危機感を示し、大企業から中小・中堅の会員企業まで、サプライチェーン全体でセキュリティ水準を底上げするためのガイドライン策定や導入支援、診断体制の強化を進めるとした。

第三に、自動車を取り巻く構造変化への適応を挙げた。CASE化やカーボンニュートラルに向けた電動化・EV化が避けられない流れであるとした上で、車両構造の変化に対応した整備・検査・製造機器の開発支援や国際標準化への対応を加速させ、日本の自動車機械器具の競争力維持・強化を図る考えを示した。

第四に人材確保と労働環境の改善を挙げた。少子高齢化と人手不足が業界の最優先課題の一つであるとし、デジタル技術を活用した省力化・自動化による生産性向上とともに、多様な人材が活躍できる環境づくり、適正な価格転嫁を通じた処遇改善を進める考えを示した。

最後にコンプライアンスの徹底を挙げた。製造業における品質不正等の問題が相次いで報じられている状況を踏まえ、会員各社によるガバナンスの再点検と、セミナー等を通じた法令遵守意識の向上を図るとした。

丸山氏は、これらの課題はいずれも一社単独では解決が難しいとして、工業会として一丸となって取り組む姿勢を強調。会員の声に耳を傾けながら、スピード感を持って変えるべきものは変えていく方針を示した。

 

新任役員5氏、海外視察の実施も

役員改選では新たに田崎克弥氏(株式会社アルティア)、伊吹和彦氏(京都機械工具株式会社)、北川仁氏(光明理化学工業株式会社)、坂本正紀氏(三栄工業株式会社)、江藤俊浩氏(工業会専務理事)の5氏が理事に就任した。

国際委員会からは、令和8年度も会員企業を対象とした海外視察ツアーを年末に実施する方針が示され、現地メーカーの視察などを通じて国際的な視野を広げる機会とする考えが示された。

総会後の懇親会に先立ち、永年勤続優良従業員表彰が行われ、表彰対象者11名のうち会場に出席した9名に表彰状と記念品が贈られた。退任した山田前理事長は、長年にわたり理事長等を務めた振り返りとともに、工業会のさらなる発展を後進に託す言葉を述べた。

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