自動車整備業の倒産・休廃業が過去最多295件に|2026年上半期TDB調査

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自動車整備業の市場からの撤退が、かつてないペースで進んでいる。株式会社帝国データバンク(TDB)が2026年7月8日に公表した調査によると、2026年上半期(1〜6月)に休廃業・解散した自動車整備事業者は259件と、前年同期(186件)から約4割増加し、過去最多を更新した。倒産(負債1000万円以上・法的整理)36件を合わせると、撤退件数は半期ベースで過去最多の295件に達したという。

調査のポイント

  • 2026年上半期の休廃業・解散は259件(前年同期比約4割増)で過去最多
  • 倒産36件を含めた撤退件数は295件で、半期として過去最多
  • 資本金1000万円未満の小規模事業者が撤退全体の約8割を占める
  • 資材高騰や価格競争に加え、整備士不足による「入庫制限」も撤退の一因

休廃業・解散が過去最多、倒産と合わせ295件

TDBの調査は、TDB業種細分類における「一般整備」「車体整備」など自動車整備業を対象に、2000年1月1日から2026年6月30日までの動向を集計したもの。休廃業・解散は、特段の法的手続きを取らずに事業活動が停止した状態、または商業登記等で解散が確認された企業(みなし解散を除く)を指す。

2026年上半期に発生した休廃業・解散は259件で、前年同期の186件から約4割増加した。ここに、負債1000万円以上で法的整理に至った倒産36件を加えると、市場から撤退した自動車整備事業者は295件となり、半期ベースで過去最多を記録した。

資本金別では小規模事業者が8割

撤退した事業者を資本金別にみると、「100万円以上1000万円未満」が115件で全体の約4割を占め最多だった。個人事業主を含む「100万円未満」(107件、38.4%)と合わせると、小規模な自動車整備事業者が撤退全体の約8割を占めた。

資本金区分件数構成比
100万円未満(個人事業主含む)107件38.4%
100万円以上1000万円未満115件約4割

資材高騰と価格競争、一方で工賃転嫁の動きも

撤退が相次ぐ背景には、パーツ類やオイル・油脂類、塗料など整備に必要な資材の価格上昇がある。加えて車検や一般整備の汎用化が進んだことや、物価高による節約志向から自動車修理を控える、または必要最小限にとどめる動きが広がり、ディーラーやカー用品店、車検専門店との価格競争も激しさを増している。

一方で、損害保険会社が支払う整備工賃を含む修理費用は全体的に上昇しており、自動車整備業界にとってコスト上昇分を価格に転嫁できる環境も生まれている。ディーラーが受けきれない整備案件を中心に獲得しているほか、「エーミング」など電子機器検査の標準化に対応できる高度作業が可能な事業者では、工賃の値上げによって収益力を高めているケースもみられるという。

整備士不足と電動化対応が事業者の明暗を分ける

一方で、ベテラン整備士の高齢による退職と、整備士を目指す若者の減少を背景に、整備士や板金塗装工の確保が困難になっている。入庫制限を余儀なくされるなど、整備能力の低下も現場で起きている。

加えて、車両の電動化や先進運転支援システム(ADAS)といった電子化・高度化への対応も課題となっている。家族経営など零細規模の事業者では、新技術に対応できる人材・設備を持たないケースが多く、保険会社や顧客への値上げ交渉・単価アップが思うように進まず、採算割れに陥りやすい構造を抱えているという。

中堅・大手への集約が進む見通し

車両の高度化に伴い整備作業の難易度が上がる中、設備投資や人材確保が可能な中堅・大手事業者への集約が今後も進み、小規模整備工場の退出は続くとTDBはみる。一方で、ランプ交換など軽整備であっても「人手が足りず手が回らない」との声があり、カー用品店やディーラーでは整備待ちが長期化するケースも多いという。

自動車整備の撤退が加速する中、車の安全性を担保する地域インフラをどう維持するかは、業界にとって待ったなしの課題となっている。

出典:株式会社帝国データバンク「『自動車整備』の倒産・休廃業解散動向(2026年上半期)」(2026年7月8日発表)

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