チューリッヒ保険会社(東京都中野区、日本における代表者および最高経営責任者:西浦正親氏)は6月24日、9回目となる「2026年あおり運転実態調査」の結果を発表した。全国の18〜69歳の男女2,000人を対象にしたインターネットリサーチで、5年以内にあおり運転をされた経験があると回答したドライバーは36.3%。一方、自家用車にドライブレコーダーを取り付けているドライバーは69.7%となり、前年(66.6%)から3.1ポイント上昇、調査開始の2021年(49.9%)以降で最高値を更新した。整備・車体業界にとっては、ドラレコの取付需要や点検・買い替え需要の裾野が着実に広がっていることを裏付ける結果といえる。
調査結果ハイライト
| あおり運転被害経験(5年以内) | 36.3% |
| ドライブレコーダー取付率 | 69.7%(前年比+3.1pt) |
| ドラレコ利用理由トップ | 「事故やトラブル時に不利にならないため」93.5% |
| 未設置理由トップ | 「購入・取付費用がかかるため」55.5% |
| あおり運転防止に有効な施策トップ | 「更なる厳罰化」76.0% |
あおり運転、6年前の法改正前と「変わらない」が過半数
あおり運転をされた際の遭遇パターンは「後方から激しく接近された」が86.5%と突出。対処法は「道を譲った」(52.5%)、「何もしなかった」(30.3%)が上位を占め、冷静な対応を選ぶドライバーが多い実態がうかがえた。また、あおり運転の厳罰化を盛り込んだ改正道路交通法(2020年6月施行)の前後で被害・目撃頻度を比較すると、「変わらないと思う」が57.3%と最多。九州大学の志堂寺和則教授は、法改正による一定の抑止効果はあるとしつつも、「日常的に遭遇するレベルのあおり運転は依然として発生している可能性がある」「あおり運転の背景には怒りや焦りといった感情的要因があり、厳罰化だけでは十分に対応できない側面がある」と指摘している。
ドラレコ利用率は5年連続上昇、「監視効果」への期待も
ドライブレコーダーの取付率は2021年の49.9%から2026年は69.7%まで一貫して上昇している。導入のきっかけは「自動車事故やあおり運転のトラブルに関する報道やSNSの発信を見たため」が66.5%で最多。未設置ドライバー(200人)のうち37.5%は「設置を検討中」と回答しており、潜在需要はなお大きい。一方で未設置理由は「機器の購入や取り付けに費用がかかるため」(55.5%)がトップで、コストと工賃が導入の障壁になっている実態も浮かび上がった。
ドラレコ普及によってあおり運転が「減少すると思う」「どちらかというと減少すると思う」の合計は60.0%。効果が期待される機能は「常時録画(録音)機能」が76.3%で最多だった。志堂寺教授は、ドラレコが事故・トラブル時の客観的記録として機能するだけでなく、「見られている」「記録されている」という意識を周囲のドライバーに生じさせることで攻撃的な運転行動を抑制する、いわゆる「監視効果」への期待があると分析している。
整備・車体業界への示唆
- 取付・点検需要の裾野拡大:未設置層の37.5%が「検討中」であり、取付工賃・機器提案の商機は今後も継続する見通し。
- 前後2カ所設置へのニーズ:あおり運転をされない工夫として「ドライブレコーダーを前後2か所以上に設置した」との回答が37.3%あり、前方のみ設置の既存ユーザーへのアップセル余地がある。
- 事故対応・保険対応での活用:ドラレコ映像は事故時の過失割合判断や修理見積もりの根拠資料としても重要性を増しており、整備現場での映像確認・データ提出サポートのニーズも高まりつつある。
【調査概要】調査方法:インターネットリサーチ/調査期間:2026年5月15日〜5月22日/調査対象:全国の普通自動車免許と自家用車を所有し、週1回以上運転をしている18〜69歳の男女2,000人
出典:チューリッヒ保険会社「2026年あおり運転実態調査」ニュースリリース(2026年6月24日)

