国土交通省は2026年6月26日、事故防止対策支援推進事業に係る補助金の申請受付を2026年6月30日9時より開始すると発表した。トラック・バス・タクシー等の運送事業者を対象に、先進安全自動車(ASV)の導入に対して補助金を交付するもので、新車装着だけでなく後付け装置についても一部の装置区分で対象となっている。整備工場・部品商にとってはアフターマーケット案件としての商機にもつながる制度であり、内容を整理する。
制度の概要
本事業は、自動車運送事業における交通事故防止を目的に、ASVの導入等の取組みを行う事業者に対して補助金を交付するもの。実施主体は公益財団法人日本自動車輸送技術協会(JATA)で、申請はJATAの補助金申請ポータルサイトを通じて行う。運輸支局等では受け付けていない点に注意が必要だ。
| 申請受付期間 | 2026年6月30日9時 ~ 2027年1月29日17時 |
| 申請受付場所 | 公益財団法人日本自動車輸送技術協会(JATA) 申請ポータルサイト:https://ataj-asv.jp/ |
| 補助対象車両(装置) | 2026年4月1日~2027年1月29日の間に新車新規登録された車両(装置)。後付け装置の場合は同期間内の購入・装着であること |
申請受付期間中であっても、申請総額が予算額に達した時点で受付を終了する。早期の検討・申請が推奨される。
補助対象事業者
対象となるのは以下の事業者。
- 自動車運送事業者(中小企業者に該当する者):一般貸切旅客自動車運送事業者、一般乗合旅客自動車運送事業者、一般乗用旅客自動車運送事業者、特定旅客自動車運送事業者、一般貨物自動車運送事業者、特定貨物自動車運送事業者
※一般貸切旅客自動車運送事業者に限り、中小企業者以外も対象 - リース事業者:上記運送事業者へ事業用自動車等を貸し渡す者
補助対象装置と補助額
補助対象となる装置・車種・補助率・補助限度額は以下の通り。( )内は貸切バス事業者のうち中小企業者以外の場合の額。
| 補助対象装置 | 補助対象車両 | 補助限度額 |
| 衝突被害軽減ブレーキ(歩行者検知機能付き) | 車両総重量3.5トン超のトラック・バス | 100,000円(67,000円) |
| 車間距離制御装置+車線維持支援制御装置 | トラック・バス・タクシー | 100,000円(67,000円) |
| ドライバー異常時対応システム | トラック・バス・タクシー | 100,000円(67,000円) |
| 先進ライト | トラック・バス・タクシー | 100,000円(67,000円) |
| 側方衝突警報装置 | 車両総重量3.5トン超8トン以下のトラック・バス | 50,000円(33,000円) |
| 後側方接近車両注意喚起装置 | 車両総重量3.5トン超のトラック・バス | 50,000円(33,000円) |
| 統合制御型可変式速度超過抑制装置 | バス | 100,000円(67,000円) |
| アルコール・インターロック | トラック・バス・タクシー | 100,000円(67,000円) |
| 事故自動緊急通報システム※ | トラック・バス・タクシー | 50,000円(33,000円) |
| 車輪脱落予兆検知装置※ | 車両総重量8トン以上のトラック・乗車定員30人以上のバス | 50,000円(33,000円) |
| 道路標識注意喚起装置 | トラック・バス・タクシー | 30,000円(20,000円) |
| 自動式前照灯照射方向調節装置 | 車両総重量3.5トン超のトラック・バス・タクシー | 50,000円(33,000円) |
※印の装置は後付けのものも補助対象となる(詳細は次項)。1車両あたり複数装置を装着する場合の上限は、トラック20万円(車輪脱落予兆検知装置を含む場合25万円)、バス30万円、タクシー15万円。
後付け装置の取り扱い ―アフターマーケットに関わるポイント
今回の補助制度で整備・部品業界が特に押さえておきたいのが、後付け装置の扱いだ。補助対象となる装置は原則として新車新規登録に伴うものだが、事故自動緊急通報システムと車輪脱落予兆検知装置の2区分については、後付けでの導入も補助対象として明記されている。
ただし、後付け装置を補助対象とする場合は、当該システムに係る認定申請を踏まえて国土交通省が対象可否を決定する仕組みとなっており、装着すれば自動的に補助対象となるわけではない点に留意したい。また後付けの事故自動緊急通報システムについては、補助限度額が30,000円(中小企業者以外は20,000円)に設定されており、新車装着時(50,000円)より上限が低く設定されている。
さらに、事故自動緊急通報システムはサブスクリプション形態での導入も補助対象となる。この場合の補助限度額は「12ヶ月分の料金×1/2(中小企業者以外は1/3)」で計算される。月額課金型のテレマティクス・緊急通報サービスを扱う整備工場・販売店にとっては、提案時に押さえておきたい条件だ。
なお、補助対象装置全体に関する規定として「後付け装置の場合は同期間(2026年4月1日~2027年1月29日)における購入と装着であること」との条件も示されている。後付け対応を検討する事業者・整備工場は、購入時期と装着時期の両方が対象期間内に収まっているかを確認する必要がある。
申請にあたっての注意点
- 申請受付窓口はJATAのみ。運輸支局等では受け付けていない。
- 申請総額が予算額に達した場合、受付期間中であっても受付を終了する。
- 後付け装置を含む申請の詳細要件は、JATAの補助金申請ポータルサイトで随時公開される情報を確認する必要がある。
問い合わせ先
国土交通省 物流・自動車局 技術・環境政策課(吉成、林原)
TEL:03-5253-8111(内線42214、42254) 直通:03-5253-8590
出典:国土交通省「事故防止対策支援推進事業に係る補助金の申請受付を開始」(2026年6月26日発表)
https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha07_hh_000567.html


