故障コード「P0102」検出後どうするか? のアンケート結果!

o2センサー

自動車整備故障診断整備のススメ

せいび界2013年08月号

故障コード「P0102」検出後どうするか? のアンケート結果!

6 月号にて、スキャンツールを繋いで診断した結果、「P0102」というエアマスメーターの故障コードが出たとしたら、貴方ならどうするか?
という質問の回答を募集したところ、多くの回答を頂いた。
今回は、その回答の一部を紹介し解説していく。

① 整備工場 (23 歳)

センサーの端子から内部の回路が正常であるかどうかを、抵抗値などを参考に調べる。エアエレメントの汚れ具合も点検する。

② ディーラー (36 歳)

呼気系の点検。センサーアースの点検。センサー電源回路の点検。センサー入力信号回路の点検。

③ 整備工場 (62 歳)

エアフロセンサーの電源電圧及びアースの点検、故障診断機のデータモニター値と正常値の吸入空気量との比較。

④ 整備工場 (40 歳)

診断機で故障箇所を交換してしまいますね。でも、一度カプラを抜き差しして、洗浄も必要だと思います。あとは、カプラまでの電源配線等を確認するくらいだと思います。

⑤ 部品商 (36 歳)

スキャンツールの実測値でエアーフローの吸気量と電圧が規定値以内か、電圧が一定かを調べる。O2センサーのバンク1 のO2 センサーの反応、補正値が±20 以内か調べる。±0 が正常だと思う。インジェクターの通電が大きいか、平準かを調べて、エアーフローがO2 センサーなのか、インジェクターなのかを調べて、交換する。

⑥ 部品商 (39 歳)

まずコードが入力された故障が一時的なものなのか、継続的なものなのかを確認(フリーズ・フレームなどから)。そして、実測値よりエアマスメーターの動きが規定内の動きをしているか、マニュアルにより確認。
もし規定内に収まっていないのであれば、コネクタの接続状態を確認し、不具合の原因がエアマスメーター本体なのか、配線なのか、ECU なのか、最終的に判断し、交換する。

ここに出てきている回答は、メカニックが、それぞれ今までの経験に培われた故障診断方法を書いてきているはずだ。
そのどれもが正しい手法の一つであると言える。ただし、正確な故障診断とはまだ言えない。正確な故障診断で故障原因を探求するために必要なことが、それぞれ少しずつ抜けているからだ。他にも、調べる箇所があるはずだ。
まず、総合的にみて、全体に共通して言えるのは、基準値との比較についてであり、部品の良否判断をするには、基準値と比較するしか方法はないということである。

ということで、基準値と実測値の相関関係を見ていかなければならないのだが、そこに触れているのは③・⑤・⑥の回答で、中でも⑤の回答者は補正値にも触れている。

■ 補正値はあくまで結果

現行のクルマは、吸い込んだ空気の量が原因で、エンジンの調子が悪ければ、O2 センサーが排ガス中の残留酸素量を検知して、ECU が燃料噴射量を調整するなどの補正をしてくれる。その結果、クルマは問題なく走ることが可能なのだ。
⑤の回答では、「エアーフローの吸気量と電圧が規定値以内か」、「O2センサーのバンク1 のO2 センサーの反応、補正値が±20 以内か調べる」など、補正値と基準値とを比較している。
この回答の補正値を見るということは、O2 センサーからの信号でECU がどれだけ補正しているかを見るということであるが、ここに大きな落とし穴がある。

なぜならECU が補正をかけるのはエアマスメーターやO2 センサー以外が原因の可能性があるからだ。
一番簡単な例を挙げると、エアマスメーターとエンジンの間の経路に、穴が空いていたとする。この場合、そこで吸入空気量が変わってしまう可能性が出てくるし、反対に詰まっていても同様だ。このように物理的に穴が空いている場合、経路にはセンサーがないので、補正値を見ているだけでは、なぜ空気の量がおかしいのかが分からないのである。補正値は結果であって、なぜ補正がかかったのかまでは分からないのだ。

■ システム全体を頭に描き、総合的に判断することが大事

確かに補正値を見ることは大切なことではある。数値がおかしければ、何か異常が起きているとの判断が出来るが、それだけでは故障原因を判断出来ない。だからこそ、システム全体を頭に描き、総合的に判断をしていくことが必要なのだ。
まずは、故障を疑われる部品が動いているかどうか。そして、その部品が正確に動いているかどうか。それを判断するために、①・③・⑤・⑥の回答のように、抵抗値や実値などデータモニターの数値が、基準に収まっていることを確認する必要がある。
また、②と③の回答にあるアースの点検は基本となる部分で、アースが劣化すると、電流の流れが悪くな結果、調子が悪くなることがある。

その他、④の回答のように、カプラまでの電源配線に触れている回答あったが、エアマスメーターかECUまでの経路について触れてる人はいなかった。
様々な回答があったが、正確な故障診断をするために、皆、少しず足りない部分があった。総合的に全体像を掴むということが大事である。

論理的に説明すると、エアマスセンサーが計測した吸入空気量を元燃料噴射時間を決めて理論空燃を調整する。エキゾーストマニホールドにあるO2センサーが燃焼後の残留酸素の量を検知してECUに送り、燃料が濃いか薄いかをフィードバックして補正している。つまり、空燃比が適正であればフィードバック補正は必要無い。
しかし、調子が悪いのであれば、どこかの数値がおかしいから狂っいるのだ。数値の異常が故障コードに出ていれば良いが、出ていなかた場合には実測値と基準値を相対的に見ていないと、どこかで穴が空いて、空気を吸っているかもしれいということすら思いつかない。整備士の中には、故障コードが出てると、故障はここだと一つに決めけてしまいがちだ。しかし、2 つの故障が同時進行している可能性もあるのだ。

まとめると、故障原因を特定すためには、全体像を把握し、実測値を測定して基準値と比較して判断する。また、基準となる数値を知るめには、多機能型のスキャンツールにあるデータが、やはり必要であるということである。