整備振興会の制度疲労

制度疲労が露呈「整備振興会」①

目次

視点

昭和26 年(1951 年)、車両法の制定と同時に誕生した「整備振興会」だが、そこから65 年経ち、その存在価値が問われるなど、制度疲労が目立ち始めている。そこで、同一地域に二つ目の整備業組織で誕生した「一般社団法人東京都自動車事業振興協会」の主な理事や学識者で構成する業界問題委員に集まってもらい、既存組織の問題点、改善すべきことなど、自由に議論してもらった。全国の整備振興会運営にも参考になる部分も多いことから、敢えて直言を飾らず掲載している。

A まず、組織問題に入る前に整備業界、および業界を取り巻く様々な変化がある中で、今何が起きていているのか、Bさんに普段感じていることなどをお話しいただきますか。

B 今、新聞を賑わせているフォルクスワーゲンの排気ガス問題を例にしますと、あれを整備業界で発見、対応することは出来なくなっています。つまり、最近の車はコンピュータ装備が進み、整備の現場で触ることすらできなくなっています。また、車検制度も生まれてから60 年を過ぎて、様々な制度の不具合、既存の仕組みに腐敗が生まれてきています。世界の潮流に合わせた改革が必要になっていると思います。

A Bさんから、車の進歩と共に、既存の制度や規制などが時代に合わなくなっているのではないか、との時代認識をいただきましたが、Cさんはどう思われますか。

C まったく同感です。排気ガス規制との絡みもあるのでしょうが、日本では年式の古い車を廃棄させる税制措置などもあり、世界の流れと真逆の政策をとったりしていることなどは、正直どうかなと思っています。

D 確かに13 年経過した車は、以前には車検期間を短くしていましたが、それを取っ払ったら「古い車にいつまでも乗られては困る」などの声に押されて、長く保有しづらい税制にしてしまった。もう少し整備業界の力量を信用してもらって、こまめにメンテナンスできる仕組みとするべきでしたね。

B 車が生まれて100 年足らずですが、ドイツなどは30 年以上乗っている車の税金を無料にするなど、長く乗るユーザーを大事にする制度があります。また、イギリスでも古い車に高い価値を置き、高額のメンテナンスをかけてでも所有するユーザーがいます。
こうした世界の潮流を、もう少し真似してほしいですね。

A 車が誕生してたった100 年、日本は本格的な車社会に入ったのが昭和20 年代からですから、高々60 数年しか経っていません。車検なども、世界に誇れる制度と自負してきましたが、今日の変化についていけなくなっているということでしょうか?

E 私などは、今の車検制度の恩恵を受けてきた一人ですから、車検をなくす意見には賛成しませんが、車の技術進歩、今後の自動運転車、エンジンなど動力の変化、材質の変化など考えると、このままでいいとは思えません。それは、整備行政を担う運輸局などにも言えます。例えば、当社は指定工場ですが、以前なら毎年2 回の監査が入っていたものです。それが最近は3 年以上音沙汰がない。人が少ないせいか、それとも他の要因があるのかなど、まったく見えなくなっています。既存の仕組みがうまく回らなくなっているように感じています。

F 確かに整備振興会の在り方は車両法成り立ちの後、64 年を超えて時代の変化や進歩に適合しなくなっており、色々な見直しが必要になっているように感じます。ただ残念なことに、これらを総合的に議論したり提言できる場や機会がなく、整備事業者の一部は「どうしたらいいのか分からない。誰に聞いたらいいのか、どこで問題提起したらいいのか、不安で仕方ない」などのフラストレーションを抱えているので、爆発点に達しなければ、と心配しています。

つづき 公益法人は適正運営されているか >

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