輸入車の新規登録、5月も底堅く推移——整備需要の「種まき」は続いている

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日本自動車輸入組合(JAIA)が発表した2026年5月度の輸入車新規登録台数(速報)によると、日本メーカー車を含む輸入車全体の登録台数は26,673台となり、前年同月比3.0%増と堅調な結果となった。1月からの累計でも148,339台と前年比5.9%増で推移しており、輸入車市場は緩やかな拡大基調を維持している。


外国メーカー車は微減、日本メーカー車が大幅増でカバー

内訳を見ると、外国メーカー車は17,871台で前年同月比1.8%減。累計でも91,292台と前年比6.0%減となっており、欧州ブランドを中心に販売が落ち着いている様子がうかがえる。

一方で存在感を増しているのが、海外生産拠点から輸入される日本メーカー車だ。当月8,802台は前年比14.3%増、累計57,047台は実に32.8%増という急伸ぶりを示した。特に貨物車カテゴリーでは当月1,684台・前年比1,115%増と、桁違いの伸びを記録している。


ブランド別:スズキとトヨタの急伸が目を引く

車名別の累計登録台数(乗用車・貨物・バス合計)で首位に立つのは、スズキの29,350台(前年比222.4%増)。2位のメルセデス・ベンツ18,552台を大きく引き離している。インド生産車の輸入拡大が主な要因とみられる。

また、トヨタの累計8,535台(前年比766.8%増)も異彩を放つ。前年がほぼゼロに近い台数だったとはいえ、タイなど海外工場からの輸入モデルが市場に根付き始めていることを示している。なお、トヨタは米国生産のカムリ・ハイランダー・タンドラを2026年から順次日本導入する方針をすでに発表しており、これはトランプ政権による日米貿易問題への対応策という側面も持つ。実現すれば今後の統計数字をさらに押し上げる可能性がある。

欧州勢ではメルセデス・ベンツ、BMW、VW、アウディがトップ5圏内を維持しているものの、累計ではメルセデス・ベンツが前年比8.5%減、BMWが18.8%減、VWが26.4%減、アウディが14.5%減と、ブランドによって濃淡はあるが全体として苦戦が続いている。


逆輸入車急増の背景にあるもの

日本メーカー車の輸入急増は、トランプ政権による対米関税問題とは直接関係しない。むしろ主な要因は、インドやタイといった海外生産拠点のコスト競争力を活かし、日本向けモデルを現地生産・輸出する戦略が本格的に動き始めたことにある。関税問題は日本から米国への輸出を圧迫しているが、アジア拠点から日本への輸入増加とは別の流れだ。


整備業界にとって何を意味するか

新規登録台数の増加は、数年後の整備・点検需要に直結する。今月新たに路上を走り始めた輸入車2万6千台あまりは、やがて定期点検・車検・修理の対象として整備工場を訪れることになる。

日本メーカーが海外生産する輸入車の多くは、日本仕様として正規認証されており、国内の整備・部品供給体制のもとで対応できる。ただし、生産国・生産拠点の多様化が今後もさらに進んでいくとすれば、仕様の細部や部品調達ルートにどのような変化が生じるか、整備現場としては継続的に注視しておく必要があるだろう。

「輸入車整備」をすでに手がけている工場にとっては、まさに種まきの季節が続いている。


出典:日本自動車輸入組合「2026年5月度輸入車新規登録台数(速報)」2026年6月4日発表

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