クリーンディーゼルについて

故障診断整備のススメ

輸入車で最近増えている最新ディーゼルシステムについて解説します。国産車ではマツダのCX-5やデミオに採用されているスカイアクティブDが有名です。
現在のクリーンディーゼルはその名の通り、大昔のディーゼルとは異なり黒煙は全く出ません。

その理由は燃料の噴射圧力を高め、噴射時間や噴射間隔を短縮して燃料をコントロールすることで、経済的かつクリーンで高出力なものとなっているからです。さらに、最新のシステムでは1ストローク8回の噴射が可能となっています。
コンポーネントの構成は高圧ポンプ、フューエルレール、インジェクター、高圧配管、電子ディーゼル制御となっております。
■ 高圧ポンプ
エンジンの動力によって駆動される吐出圧力は1,350 ~ 2,000barにもなる。
次世代では2,500barが予定される。
■ フューエルレール
高圧ポンプで加圧された燃料の蓄圧室としての機能の他に、インジェクターに燃料を供給する機能も備えている。
■ インジェクター
高圧になった燃料を燃焼プロセスに応じてきめ細かくコントロールして、1回の噴射サイクルで5回以上の多段噴射を行っている。多段噴射のメリットは排出ガス低減、燃焼時の騒音低減、燃焼効率アップである。
■ 電子ディーゼル制御
上記全てを制御しコントロールする。

欧州では人気のディーゼル車

欧州ではディーゼル車の比率が登録車の60%以上なのに何故、日本では普及しないのかという疑問があります。答えは道路事情にあります。ご存知の通り、ドイツのアウトバーンでは速度無制限の区間があって、時間をお金で買うという考え方があります。高速走行が多く、ハイブリッドであるメリットも少なく、必然的にディーゼル車という選択になっていくのです。速度域が高くなればなる程、ハイブリッド車では電池切れが起き、速度が出なくなります。
こういった背景から日本の道路事情、つまりストップ&ゴーそして渋滞がある為にハイブリッド車の方が都合良いのです。

ディーゼルにもウィークポイントがある

国内のガソリンと軽油の価格に差があり、軽油は安くハイオクは高いというのが通説です。欧州ではガソリンと軽油の価格がほとんど変わらないため、より燃費の良いディーゼル車の方が、人気があります。ですが、クリーンディーゼルにもウィークポイントがあります。それは排ガスの問題です。

大昔のディーゼル車と比較すれば、クリーンになりましたが、厳しくなる基準には対応出来なくなっています。問題はPM(スス)とNOX(窒素酸化物)にあります。PMの発生を減らす為には燃焼温度を上げる必要がありますが、燃焼温度を上げるとNOXの発生が増えます。よって現在トラック等ではDPFを採用しPMを吸収して処理しています。また、新しい手法としてはアドブルー(尿素水溶液)を排ガスに噴射してNOXをN(窒素)とH2O(水)に化学変化させて浄化しています。これらDPFやアドブルーを発生させる装置はリビルト品も存在しており、国内のアフターマーケットでも広く認知されております。最新のディーゼル車の仕組みも理解し、ハイブリッド同様に入庫促進を心がけ、全車対応の幅広い整備工場を目指していきましょう。

監 修:ボッシュ株式会社 長土居大介