「スキャンツールを導入しない」が通用しない これだけの理由

考える像

自動車整備故障診断整備のススメ

せいび界2014年7月号

「スキャンツールを導入しない」が通用しない これだけの理由

■ 導入を妨げるネガティブ要因がある

消費税増税により新車代替えが減り、少しでも消費者は節約しようと整備需要が増える見込みもあると、明るい話題も多い自動車整備業界であるが、実はビジネスチャンスを取りこぼしかねない事態に現在陥っていることはご存じだろうか。「スキャンツールはまだ導入していない、だって元が取れないし高額で手が出せないよ。もっといい機種が出たら買おうと思っているけど、最悪ディーラーに頼むよ。そもそもハイブリッド車や新しい車はうちに入庫しないし、難しくて使いこなせない」これは断末魔にも似た声だ。少しでも思い当たるフレーズがあった方は要注意である。その瞬間にビジネスチャンスを逃してしまっている。

このコーナー、「故障診断のススメ」ではスキャンツールを使いこなし、様々な角度から故障診断について考えるコーナであり、既にスキャンツールを持っている方々は参考にもなるが、まだ多くの整備工場がスキャンツールを持っていないのもまた事実である。

ということで今回はスキャンツールを持っていない方を対象として購入しないネガティブな要因を分析し解消法をお伝えしようと思う。

■ 購入しても元が取れない

これはもっとも良く聞く話で、高いものでは何十万円とするスキャンツールは減価償却が難しいと考える人が多い。ではリフトはどうだろうか。リフトアップをしない工場はないと思うが、リフトがなければ整備が出来ないのはすぐに分かると思う。国産車にJ-OBDが採用されてから10 年以上経ち、少なくとも15 年前の車両でもスキャンツールで診断が出来るのだ。つまり、1 台リフトアップするのと同じように1 台入庫したら診断を掛けるような癖をつけなければ、使いこなすこともままならない。整備工場の一人当たりの年間工賃売上を見てみるとディーラー800 万円、一般整備工場500万円とディーラーに比べて一般工場は低い。ディーラーは診断料を取っているから売上が高いわけではない。スキャンツールをつないで潜在的な故障を発見し売上に繋げているのだ。スキャンツールの診断結果を見せればお客さまも納得するだろう。潜在的な故障を見抜いてこそ、整備士ではないだろうか。それを補助する工具がスキャンツールなのである。

■ 購入しても使いこなせない

購入したは良いが、埃をかぶせている人もいるのではないだろうか。実は製品にはオペレーションマニュアルも付属し、メーカーによっては購入後のトレーニングも用意している。もちろん振興会でも研修を随時行っている。使うことで売上が上がり自社に取ってお客さまといい関係を築けるのならば、使いこなしていくことが会社の枠を広げるチャンスではないだろうか。実際に北海道の某工場では60 歳になろうとする社長がスキャンツールを使いこなしている(次号掲載)。

もちろんお客さまのために勉強し車を整備するために必要だからこそ使っているのである。「使わなければ使いこなせない」、道理ではあるが真理でもあるのだ。

■ ハイブリッドカーは入庫しないからいらない、入庫しても外注するから必要ない

大きな間違いである、入庫しないのではなくて入庫をさせていないのである。自分でブロックしてしまっているのである。「ハイブリッドカー診断やっています」という看板を掲げていなければ、今日の整備事情を考えると入庫は見込めない。もちろんスキャンツールを持っていなければ整備も出来ないしチェックランプ一つ消すことも出来ない。お客さまにも「ウチはやっていないよ」という雰囲気が伝わってしまうし、ディーラーに頼むのも考えものだ。

ディーラーへ持っていく時間は?待ち時間もあるだろう。その時間に何が出来るか考えてみて欲しい。作業以外の費用も当然かかっているのだ。もしそれが自社で出来るなら効率も上がる。仮にディーラーへ頼んでいるのをお客さまが知ってしまったら信用はどうなるだろうか?外注はマイナスの要素の方が大きいのである。

■ 毎年バージョンアップもするし、もっといい機種が出てから買おうと思う

車の進化は止まらない。毎年新型やマイナーチェンジを繰り返す。自動車整備も同じように進化し続けて行かなくてはならない。バージョンアップにお金がかかるが、整備が出来なくてはお金を稼げない。良い機種が出るのも必然だが使い始めるのが遅れれば遅れるほど、導入している所から引き離される。一番すぐれているスキャンツールというのはメーカーの専用機である。専用機なので他メーカーを診断することは出来ない。

しかし、全メーカーを揃えるのは現実的ではない。汎用機ならば例えばボッシュのスキャンツールであれば、国産車はもちろん外車もカバーしており、外車の入庫増も見込める。良い機種のことを言い出せばきりがないが、早く機械に慣れることの方が重要である。

■ 最近の車は壊れない

壊れないのではなくて壊れていないようにコンピューターが制御しているのだ。故障に気付かないような制御になっているため、実際につないでみればどれだけの車が故障しているかが分かる(ちなみに無作為にショッピングモールの買い物客の車を点検した際に、10 台中10 台が何かしらのトラブルを抱えていた実例もある)。繋げれば故障を見抜き、そこから商談に入ることも出来る。

■ どうやって購入すればいいか分からない、何を買えばいいのか分からない

いつも部品を届けてくれるお付き合いのある部品商が扱っているはずだ。しかし部品商もなにぶん実務の方が忙しく、中々スキャンツールの営業というものが出来ていないのが現実である。それにどうやって売っていいか分からない人もそう少なくはないはずだ。部品であれば品番を叩いて出てきたものを送れば、ある程度は問題なく出来るだろうが、スキャンツールや専門性の高い整備機器になると事情が変わる。特性を理解し納得させて販売しなければ「高いものを買わされた」と思う方も少なくないだろう。

この点は部品商もスキャンツールについて勉強をして頂きたいと考えてしまう。各メーによって得意分野があるので一概のメーカーが一番とは言い難いが、いなく言えるのはスキャンツールを導することで新たなる整備売上が見込ということだ。

<総括>

今回は辛口な展開になってしまいおかつ釈迦に説法な内容になってしたことを末筆ではあるが謝罪をさせただきたい。しかし、購入を控えて整備工場は今すぐにでも購入を検討頂きたい。

なぜならばスキャンツール無ければ整備が出来なくなる時代にはや突入していると言っても過言でいからだ。電子制御はますます進みイヤを外しただけでチェックランプが灯するという事例は当たり前になっる。

それぐらいメーカーが念入りに電制御を掛けている。先端整備に対応来なくてはいずれ淘汰されてしまう工も少なくはないはずだ。ディーラーへ外注に頼るのもその場しのぎでしかい。幸いスキャンツールの購入補助金今年も交付される。

(次ページ参照で、是非ともに購入を検討し実際に手触れて頂きたい。