提案型の点検整備でプラグを売る!

スパークプラグ

提案型点検整備事例紹介

自動車整備専業工場の部品販売術
(スパークプラグ編)

「スパークプラグ」は消耗部品である。もちろん、プラグの性能は日々進化している。しかし同時にエンジンの高性能化も進み、その分負担は大きくなっている。しかもエンジンの燃焼室内は高温かつ高圧という状況下で機能するため、ほんの些細な不調や劣化がエンジンコンディションに影響を及ぼす。例えば火花ギャップが広すぎると要求電圧が高まるため、加速時などの失火の原因となる。メカニックの皆さんにとっては、“釈迦に説法” で当然の話と思うだろうが、こうした仕組みを一般ユーザーは知らない。
そこで、今回はスパークプラグの点検交換を推奨し、どの車のエンジンでも高いレベルでのパフォーマンスを維持してもらうために提案型整備の「実践編」として、スパークプラグの交換の成功事例を紹介する。

最近のスパークプラグ事情と自動車整備工場における予防整備交換率

まず、最近のスパークプラグ事情を見てみると、新車には軽自動車であっても長寿命プラグの標準装備が増えている。また環境保全の側面から増加傾向にあるISS車(アイドリングストップシステムを搭載した車)などは、停車時にその都度エンジンがOFFになるため、
碍子に付着したカーボンを焼き切るセルフクリーニングをし難い事から、スパークプラグに掛かる負担はかなり大きい。
また、軽自動車も平成10 年の規格基準変更(道路運送車両法施行規則改正:省令第53 号)により、車体が大きくなり、その分エンジン(スパークプラグ)への負担が大きくなっているのだ。しかし、エンジンルーム内が複雑化したことで、スパークプラグなどの消耗品は取り外しが困難となり、立会い車検などの“短時間車検” では定期交換部品であるスパークプラグの交換でさえ、後回しにされるケースが増えている。

プラグの定期点検では整備工場からのアプローチで交換率が変わる!

実際に今回、20社程度の整備工場に「スパークプラグの交換需要」について尋ねたところ、約8割の工場が「以前よりは、10%~15%減ってきた」と回答している。整備工場は正直、プラグの交換チャンスを取り逃がしているのである。しかし、その一方で毎年プラグの交換需要が5%も増えているという工場があった。そこでは、やはり「提案型営業」を展開している。「プラグに関しては、長寿命のモノが増えたため、保証期間が延び、逆にメンテナンスフリーだと勘違いしている人も増えています。

しかし、一方でエンジンなどは高性能化が進み、その分スパークプラグなどの周辺部品にかなり負担が掛っています。一般プラグの場合、車検サイクルでは、かなり消耗が進んでいるものもあります。また、イリジウムプラグや白金プラグでも、その性能を十分に発揮させるためには、寿命よりも前に定期的な点検とメンテナンス(交換)が必要です。ドライバーが運転していて、実際に不具合を感じるようでは、本当の意味でのプロの整備ではありませんからね。

しかし、予防整備の場合、不調を認識していないドライバーにプラグの交換を勧める訳ですから、“きちんとした説明”と“プロならではの提案” が必要不可欠です。でも実際、お客さまの多くはメカニックからの提案(アドバイス)を待っています。特にエンジンの好不調や今なら、燃費向上に繋がるプラグの性能維持の話などは、すごく関心を持って話を聞いてくれます」と電装整備をメインとするその工場のベテラン工場長。直接、説明が出来たドライバーの7割は交換に繋がるとのことだ。

プラグ性能維持のため走行距離で交換のタイミングを管理する

また、法人ユーザーを多く抱えるという東京にある整備専業工場では、車ごとに走行距離をコンピュータ管理して、定期交換に確実に繋げているとサービス担当は言う。
「法人ユーザーのエンジン不具合原因はほとんどが、プラグ関係で性能維持のためには、やはり定期的な交換を推奨する必要があります。一般プラグであれば走行2万kmが寿命の目安です。もちろん、これ以上の距離を走ることも可能ですが、これぐらい使った辺りか性能の劣化が目立ち始め、始動性や加速、燃費などに悪影響が現れてきます。 このため、うちでは2万kmを目安に定期的に交換します。また、10万kmという長寿命を誇る「白金プラグ」「イリジウムプラグ」も走行距離が増えれば、当然その性能をフルには維持できなくなため、自社の管理する法人ユーザーの場合、走行距離を測りながら7~8万キロを過ぎた頃から、定期的にプラグ交換を提案しています」

一般プラグから高付加価値プラグへのレベルアップも推奨

また、この工場では、一般プラグを標準搭載している車に対してイリジウムや白金といった高付加価値プラグへの交換を推奨しているという。
「スパークプラグは、新品に換えただけでも、エンジン始動時の感覚が違うため、お客さまもプラグ交換による実感を得や易いパーツなのですが、そこで一般プラグから高付加価値プラグに変えた時は、その差が歴然なんです。その上、交換寿命も延びますし、点火効率
が上がりエンジン性能も維持できるとなれば燃費も良いですし、お客さまにとっても、我々、整備工場にとってもメリットは大きいですね。」(サービス担当者)

実際、同社では一声運動のように般プラグ搭載車には全員にイリジウム・白金プラグへのランクアップ提案をしているとのことで、その効果は今現在3割程度あるとのことだ。
このように、スパークプラグは、お客さまに直接提案をすることで、①予防整備による交換、②走行距離を管理して交換、③高付加価値プラグへのランクアップ交換といった様々な手法がある。実際、スパークプラグ交換が減っているという整備専業工場は、まず、提案型整備を実践し、①~③の手法を一つずつでも取り入れていけば、この成功事例を見る限り、売上アップに繋がるはずだ。