銀行融資対策について

融資

自動車整備業の経営サポーター活用術

質問、 昨年、創業者である父親が急逝し2 代目として会社経営をしています。これまで、会社の資金繰りについては父親に任せっきりでした。今後も銀行とうまく取引をしていきたいのですが、うまく進めるコツがあれば教えてください。

回答、

銀行は企業をランク分けしてその格付けに応じた融資を行っています。決算書のように定量的に測ることのできる指標とは別に、決算書に表れない定性的な評価も行います。特に地方銀行や信用金庫は都市銀行に比べると定性的な評価を重要視する傾向にあります。定性的な点で高い評価を受けることができるように、会社の強みを自分なりに担当者に伝えるようにしましょう。

(強みをアピールする)

後継経営者は創業者以上に自社のアピールが必要です。しかし、中には銀行員は既に自社のことを十分に把握しており、今更伝えることはないと勘違いしてしまっている経営者もいます。ところが銀行は決算書の数字と前担当者からの引き継ぎ内容だけで会社を捉えている場合が多く、十分に会社の魅力が伝わっていないことがしばしば見受けられます。そのような場合には改めて自社の強みをアピールすることが大切です。

具体的な取り組みとしては、自社の工場や店舗を見学してもらうことが有効です。銀行員に現場を見せて、よい印象を持ってもらえば、融資審査も有利になります。
アピールポイントは①「従業員の活気」と②「店舗や工場の整理整頓」です。目に見える場所だけでなく、工具を置いている場所もきれいにしておく必要があります。その他にも自社が掲載された雑誌や業界紙などは切り抜きなどをしてファイリングしておき、銀行員に伝えるという方法も効果的です。他にも2つのポイントがあります。

(あえて弱みを伝える)

自社の弱みを伝えることもときには効果的です。いかなる会社でも弱みや課題はあるものです。経営者が自社の弱みをしっかりと把握していることを銀行にアピールし、その弱みに対しての対策も考えていることを伝えます。そうすることで強みだけを銀行に伝えるよりも信頼を向上させることになります。

(定性情報の確認ポイント)

最後に銀行が評価する定性情報を簡単に紹介します。評価項目は大きく4つの項目です。

  1. 企業基本状況(業界における地位、社歴など)
  2. 社長のトップマネジメント(社長の在職年数、年齢、計数感覚など)

3. 経営基盤(社員の教育や訓練の状況、給料体系など)

4. マーケティング(主力商品の採算性、販売先の取引状況など)

銀行員と面談するときはこのような項目について見られていることを意識して対応しなくてはなりません。どんな企業でも代替わりをした後は一時的に銀行の定性評価は下がります。これは代表者が変わることでこれまでの取引関係や信頼関係が一度リセットされるためです。代替わりしたばかりのときこそ、早期に信頼関係を構築できるよう積極的にアピールしていくことを心がけましょう。

共同執筆 三反田 章

原田 博実(はらだ ひろみ)株式会社エフアンドエム取締役 (JASDAQ4771)
MBA 経営学修士/関西学院大学大学院 経営戦略研究科 修了
関西学院大学特定プロジェクトビジネスマイニングセンター
客員研究員(2007 年~ 2011 年)
主な著書 「スバルだより」(富士重工/ 2011 年より連載)
「整備戦略 経営特集号」(日刊自動車新聞社)
「財務諸表” 寝かせ読み” 速読法」(アスキー新書/ 2010 年)
「“クルマ屋” 経営塾」(日刊自動車新聞社/ 2011 年)