これからの整備業界どうなる?

佐藤和彦

講 演

明日を勝ち取る整備工場
オートアフターマーケットで
勝ち残る整備工場になるために

佐藤 和彦 氏 一般財団法人日本総合研究所 特任研究員

1883年にカール・ベンツさんがメルセデスベンツを作って、クルマの時代が本格的に来ました。それで、エルメスさんは何を考えたかというと、「もう馬車の時代ではなかろう」と。だからもう自分の商売として馬具なんてやっていたら、会社はダメになるということを感じ取って、多角化しました。エルメスが多角化に成功した理由は、全く同じお客さま、貴族だったわけですが、良いお客さまをしっかりと掴んでいたのです。貴族の移動手段が馬車からクルマに移行する時に、貴族がクルマで必要な商品を作ったということなのです。

ですから、馬具商人からかばんや香水と色々なことを始めるわけですが、良いお客さまを掴んでいて、その人たちに売れる商品を取り扱っていったということなのです。これは今の自動車整備工場さんにとって、業態が大きく変わっていく可能性がある時にとても大事な教訓です。良いお客さまを掴んでいらっしゃって、そのお客さまにどうやって移動のための商材を売っていくか、それから次の時代のロボットなどを売っていくか、そういう囲い込みが必要だという例として、このエルメスが全く同じ感じになるのではないかと思います。

それで縮小する市場で勝ち残るカギは何かというと、「コストと差別化」もうこれしかないわけです。シェアの奪い合いがどんどん進んで行くと、結局は「囲い込む」か「業界の枠組みを変える」しか選択肢はありません。業界の枠組みは基本的には、よっぽどのことがない限り変わらないので、自動車整備工場の経営者がやるべきことはお客さまの「囲い込み」という結論になるわけです。

お客さまを囲い込むための事業、今すぐ力を入れる事業は、車販と保険になります。クルマと同時に保険を売って、お客さまを囲い込んでおくというのが一番大事になります。またこれからは持株会社の経営が当たり前、持株会社で整備工場を運営するのが普通のことになるのだと思います。実は1995年の車両法が改正になる前にカーアフターマーケットにフランチャイズはほとんどなかったわけです。それがどうでしょう。
今ではもう普通ですよね。それと同じように、これからの時代はもう持株会社の整備工場グループが普通になる時代になり、大企業間のぶつかり合いが始まると予想しています。