後継経営者だが経営会議の運営に困っている

特集

Q,後継経営者だが経営会議の運営に困っている

当社では半年ほど前から、幹部3 名、後継経営者である私を含めた役員2 名の合計5 名で経営会議を行っています。しかし、会議で決めたことが翌月になってみると未実施であることが度々あり、ほとほと困っております。自分は自社での勤務経験しかなく、会議を実りあるものにするノウハウが不足しているように思います。何かアドバイスがあればお願いします。
*先代の社長は実父ですが、2 年前に急逝し、準備不足のまま後継社長となりました。当社の規模:20 名体制(役員2 名(社長、妻)、幹部3 名 従業員15 名)

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会議の運営方法を少し変えるなどの工夫が必要です。具体的には付箋などの道具を利用し、各人が自分の意見を出しやすい環境をつくります。また、司会者はファシリテーションという技術を用います。

一般に創業経営者の場合、全従業員が自身で採用した者ばかりなので、従業員に対し、物事を強く要求することができます。しかし、後継社長の場合は同じように進めることは難しく、特に年配者にはどうしても強く出ることができません。仮に強く出ると関係が壊れてしまうなどの心配もあります。中でも困るのが会議で、協力的な意見を言わない、むしろ反発するような態度を取るなどの行動です。こ
の場合、説得的な行動に出るのはむしろ逆効果となるので、納得感をお互いが持つため、相手の意見に対してまず傾聴する姿勢を示す必要があります。

また、同様に若手社員に対し、社長が意見やアイディアを出すように促しても、ワンマン経営者の後では、どうしても意見はすぐに出ません。この場合は、会議に道具を利用します。まず、大きめの付箋紙を配って、テーマに対する個々の意見を記入してもらいます。個人単位で発想が出にくい時にはペアを組むようにします。その後、付箋紙に記入した意見を発表してもらいます。その際、間違っても司会者は否定的な意見を述べてはいけません。発表者が混乱していたり、意見がまとまらない時にだけ助け船を出すようにします。

最後に「いつ・だれが・何を・どうやって・いつまでに」を、できるだけ具体的に落とし込み議事録を残すことでひとまず完了です。あとは、次の会議までの途中で進行をチェックするなどが必要です。

原田 博実(はらだ ひろみ)
MBA 経営学修士/関西学院大学大学院 経営戦略研究科 修了
関西学院大学特定プロジェクトビジネスマイニングセンター
客員研究員(2007 年~ 2011 年)
主な著書 「スバルだより」(富士重工/ 2011 年より連載)
「整備戦略 経営特集号」(日刊自動車新聞社)
「財務諸表” 寝かせ読み” 速読法」(アスキー新書/ 2010 年)
「“クルマ屋” 経営塾」(日刊自動車新聞社/ 2011 年)