制度疲労が露呈「整備振興会」②公益法人は適正運営されているか

整備振興会の制度疲労

公益法人は適正運営されているか

制度疲労が目立ち始めた「整備振興会」について、一般社団法人東京都自動車事業振興協会の主な理事や学識者で構成する業界問題委員に集まってもらい、既存組織の問題点や課題について自由に議論をしてもらった。
制度疲労が露呈「整備振興会」①の続き

A 二つのテーマを議論いただくために、以下の資料を用意いたしました。一つは、一般社団法人に移行した整備振興会の現況を分析すること、もう一つが、国土交通省が取り組んでいるワンストップサービス(OSS)対策、です。
みなさまご存知の通り自動車販売・整備業界団体で新規に「一般社団法人」を取得したのは当会だけであり、あとは長い歴史を踏んできた整備振興会が、社団法人から一般社団法人に移行して存在しています。公益法人制度改革は平成20年12月1日に施行され、5年間の猶予を経て平成25年には全国の都道府県整備振興会が、新たな公益法人制度改革に沿った「一般社団法人」に移行しています。
その結果、整備振興会は国土交通省の主務官庁を離れ、公益法人にふさわしい公益主体の法人に衣替えしていることとなっています。現実はどうなのか、皆さんのご意見をお伺いしたい。

C はっきり言って、公益法人としての体裁を繕っているが、実際は適正に運営すべき事務局幹部がほとんど適正な収入、支出など公益法人としての基本を知らず、また勉強もせずに旧来のやり方を踏襲しているため、このままでは何れ公益法人資格をはく奪されかねない危険な状況にあるんじゃないのか。

D それは聞き捨てならない状態ですね。具体的はどんなことが起きているのか。

C 結局、理事にしろ事務局幹部にしろ、公益法人の運営そのものを基本的に学んでいないことが根っこにあるのかもしれない。早急に勉強会を開催するべきだと思います。

A 本当は、公益法人制度改革の意味や狙いを知らずに予算・決算をする。あいかわらず運輸局依存体質を残したまま、指導を仰いだり、裁量してもらっている。主務官庁を離れた意味すら理解していないからです。このままでは、地方の整備振興会でも同様のことが起きかねない。それで、申し上げていることを理解してほしい。

E 公益法人制度改革にはそんな意味があるということを、今、思い知らされました。多くの会員事業者も、本当の意味を理解しているかと言ったら、そう違いはないと思う。

B 企業もそうですが、団体も創成期、成長期を経て、次に来るのは成熟期、衰退期というライフサイクルがあるという現実です。つまり、ライフサイクルの時期に応じた経営とか運営をしないと、本来はゴーイングコンサーン(永遠に継続)するべき企業や団体が、存在価値を失って行く。そういう意味では、適正な運営、適正な会計処理などは当たり前のことです。

A そこが問題なんです。例えば、公益法人とは主たる事業は公益が半分以上であることが前提です。ところが、体裁として公益事業に入れている中身が現実には収益事業だったり、国がやるべき事業である車検の予約を収入にしていたりで、まるでデタラメな予算・決算処理をしている。このままでは公益法人として問題にされかねません。公益法人として適正に運営する措置が必要です。

F 先ほど言及された永続組織としての前提条件を言うと、経営の健全性、会計処理の適正性、そして何より存在する意味と価値を常に追求していくことが問われます。その意味では、会を創設して65年というのは、様々な問題が発生していると捉えていいのではないかと思っています。よくA氏が言われる「整備振興会と商工組合を組織、役員、職員と明確に分離する必要がある。例えば、広島県の運営などは参考にするべき先駆者なのですが、まだ多くの都道府県整備振興会は旧来のままでとどまっている。今や二つの組織が存在する意味すら問い直さないといけない、差し迫った時期に来ている」を、私も同様に思っています。

C 公益法人ということでは、会費収入は本来公益勘定になるものだが、実際には、基本会費、入会金は良いとして、能率割会費として車検、定期点検等を会費に入れている。これなど大いに問題ありと思っている。本当に公益団体に値するのか疑問ではないか。

A それ以外に、予算総額の50%以上を占める繰り越し益を予備費に計上している。10年以上前ならともかく、整備業の組織団体ということからしたら整備振興会よりも整備商工組合に存在意義があります。仮に解散となった時は、整備振興会の場合は、節約して残した予備費は、全額国庫に納めなければならない。一方、商工組合なら会員に還元できる。だから、今の整備振興会の予備費は、勤務している職員のためだけにあるといっても過言ではないんです。

D 定年で退職する職員に高額の退職金が支払われている。もちろん、全部がいけないということではないが、会員事業者は7割が赤字経営で苦しんでいることを考慮すると、何のための振興会なのか疑問が出てくる。

E いちばんいけないことは、そうした意見を言える状況がないこと、言っても黙殺されてしまう空気があるように感じられることです。

A このまま行くと、退職金や人件費で振興会経営は立ち行かなくなる可能性があることです。それは、次に議論するワンストップサービス(OSS)でも明らかになります。そこで、次に2点目の継続検査のワンストップサービスに議論を移したいと思います。

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