日本ELVリサイクル機構 自動車リサイクルの高度化について

自動車リサイクル業界インタビュー

日本における自動車解体業界唯一の全国組織である日本ELVリサイクル機構(以下=ELV機構)。資源確保など、さまざまな難題にいかにして対応していくのか? 栗山代表理事の胸中を伺った。

月刊自動車リサイクル編集部(以下=編集部)

まず、解体業界から見た現在の自動車リサイクル業界をどのように考えていらっしゃいますか?

栗山義孝体表理事(以下=栗山) 

昨年1月に自動車リサイクル法の見直しの報告書が出まして、初期の自動車リサイクル法の目標はほぼ達成されました。それはリサイクル率や、放置自動車の問題など全国的なレベルの話です。その中で、大きくふたつの問題点が課題として出されました。

ひとつは使用済自動車判別ガイドラインで、検討会が終わり調整している段階です。もうひとつは、自動車リサイクルの高度化が課題になっています。

使用済自動車判別ガイドラインに関しては、ELV機構としては既に使われております譲渡証書を利用して、使用済み自動車と中古車の判別項目を加える、またその説明をユーザーにしっかりしようということを啓蒙していきます。これは平成23年度の主要な事業になっていくでしょう。

編集部 これまでにも、使用済み自動車の判別については、ELV機構の会員はユーザーへ説明してきたのではないでしょうか?

栗山 そうですね、多くの事業者は重量税の還付ですとか、色々な諸費用に関して一般のユーザーに説明したうえで、車体価格との差額をお支払いしていると思います。それをもっと明確にハッキリとした形で示すように強化していきます。

もちろん、自動車リサイクル法にも定められているように、なるべく長くクルマを使うというのが主ですから、決してELV機構の解体業者に持ってきたからといって、ユーザーから託されたクルマすべてを使用済み自動車にするというわけではありません。最終的にはユーザーのご意向で中古車にすることもありますし、使用済み自動車にすることもあります。どちらもできるというように啓蒙していきたいと思っております。

編集部 もうひとつのリサイクルの高度化については、どのように対応していくのか、具体策などは決めているのでしょうか?

栗山 ELV機構としてはまず、個々の許可業者にしっかりと契約を履行してもらうことに一生懸命啓発活動をしているところです。特にエアバッグの処理については、車上作動処理契約者が契約通りエアバッグを作動して次工程に回すことを、故意はもちろんミスもないように徹底していただくよう、会員に呼びかけているところです。

そして現在、特に力を入れていることとしては資源循環が挙げられます。個々の解体業社の規模ではなくて、業界全体が連携団結して、より高度なものに対応できないものかと検討しているところです。私どもでは現在、平成23年度事業を検討している段階で、その年度事業の中に企業連携による資源循環の促進、研究、情報収集、検討の準備をしています。

編集部 自動車のシュレッダーダストの資源リサイクル率は、既に高い数値に達していると思いますが?

栗山 確かに、重量比で言えば高いと思います。ただ、今話題になっているレアメタル、レアアースというのは、重量比では小さいものです。ですから「重量比で95%近くのリサイクルができていますよ」と言っても、その中にレアメタルレアアースが入っているかは定かではない。

ひとつの評価方法としてTRM(資源端重量比)評価方法というがありますが、そういった数値も参考にすべきではないかと考えています。リサイクルの高度化ということで、1台に対してごく少量しか入っていないものに対しては、今まで以上にたくさん集めなければいけない。

よく言われるコンピューターや基盤などは、たくさん集めないと商品価値が出てきませんから。そういった、解体業界が連携して対応しないと循環できない資源が表面化してきていると考えています。今はそれらの問題も含めて検討するのが必要な時期になっています。

編集部 最後に告知などはありますか?

栗山 昨年に引き続き平成23年度も、私どもELV機構の会員事業所を中心に適正処理の講習会を全国展開します。これに関しては地方自治体、並びに私どもに加盟してらっしゃらない方にも、有料になってしまいますけれど開放して講習を受けていただけるようにしています。基本的に47都道府県すべて開きたいと思っているところです。詳細については、私どものホームページ(http://www.elv.or.jp/)で順次アップして参ります。

(文中敬称略)

月刊自動車リサイクル2011年3月号