リ協 自動車リサイクル業界の進むべき方向

2016年3月17日

昨年、一般社団法人化を見事に成功させ、監督官庁との太いパイプを築いた清水代表理事。日本の自動車リサイクルパーツ業界を広い視野でとらえている氏に、今後の業界の進むべき方向を示唆してもらった。

月刊自動車リサイクル編集部(以下=編集部)

日本自動車リサイクル部品協議会(以下=リ協)としての今年の展望をお聞かせください。

清水信夫代表理事(以下=清水)

リユース(=中古)部品をもっと広げていこうということで、大きく分けて二つあります。まずは「安心が一番だ」ということで、品質と保証の問題があります。保証期間や保証条件など、その品質に対する見方などは、加盟団体それぞれに違いはありますが、どこの団体にしても提示しています。

これだけリサイクル、リユースという言葉が盛んになってきますと、いいかげんな粗悪品が流通したり、「ナビを買い取ってくれるから盗む」ということが現実に発生しています。それらを誘発するようなことをやったのでは仕方がないので、業界人としてきちんと責任を持てるようにしようということで、売ったところがギャランティーをキッチリと付けようと、品質の問題に取り組んでいます。

昔からそうなんですが、リサイクル部品というのは解体部品と中古部品にきちんと分けられています。「リサイクル」というネーミングがユーザーさんに対して印象が良いので、リサイクル部品の中でもリユース部品とリビルト部品に分けられました。

経済産業省指導による「使用済自動車判別ガイドライン」でも、リユース部品という言葉を盛んに使っていますが、リユース部品にしても解体部品と中古部品があります。解体部品は、基本的にギャランティーが付いていません。それらはわれわれの業界の範囲以外だという風に考えています。

われわれが中古部品と称するものは、すべてに保証が定められていて、品質に対するチェックもしている。もちろん保証の度合いや深さは加盟団体によって違いがありますし、商品の販売価格などは各社で決めていますが、いずれにしても「きちんと保証しましょう」ということで取り組んでいます。

編集部 もう一方の取り組みはどのようなことを計画しているのですか?

清水 グリーン購入法の対象商品(2006年に認定)になっていることを全面に打ち出していきます。リユース部品をもっとご利用いただくには、安いからというだけではなくて「CO2の削減(=環境貢献)になる」ということも重要です。「安かろう、悪かろう」ではなく「安かろう、良かろう」と、こんなに良いことはないとアピールしていきます。

グリーン購入法の商品であるということは、現在の社会的要請にマッチしているわけです。それが先ほど申しました品質の問題と、リサイクル部品の普及によるCO2削減貢献という二つを業界こぞってやろうとしております。

現在、リ協には12団体が加盟(CO2削減効果の数値化システムを利用する組織としてグリーンポイントクラブがあり15団体が加盟)しております。しかし、世の中には個人経営で解体や部品販売をしている企業もあるかと思います。

個々で展開しているブランドや規格は、なかなか周知されにくいでしょう。そういった方々が、もっと部品のグレードを上げたいのであれば、ぜひ15団体あるうちから一番条件に合った団体に入っていただいて、リ協に入っていただければ良いかと思います。加入していただければ、CO2削減数値も販売ツールとして使えます。しかも、そのそれぞれの団体では教育機関を持っていますから、そこでも成長することができるわけです。

やはり私どもとしては、ユーザーに喜んでいただいて責任の持てる商品をもっと販売拡大して、少なくともリサイクルパーツのシェアを二桁にしようと考えております。クルマ大国の日本でリサイクルパーツの普及率が6%なんて、恥ずかしい数字です。

それを解決するには、業界全体でやらなければなりません。業界はお互いに流通し合っています。たとえば加盟団体ひとつを取り上げてみても、ひとつのホストに各社が繋がっていて、それらがすべての在庫を引き出している共有在庫ですから、自分だけがうまい飯を食うということは絶対にできないんですね。だから仲間をレベルアップして、自分もそのなかで育ててもらうということを、もっと具体的にしていこうと。それがやはり生き残る方法だと考えております。

自動車リサイクル=資源リサイクルととらわれがちですが、自動車リサイクル=リユースなんです。そしてリユースの次に来るのが、資源リサイクルなんです。であれば、もっとリユースの分野をしっかりとやれば、クルマのユーザーも整備工場も、われわれもハッピーになる。使用済自動車のユーザーだって、乗っていたクルマが再度使ってもらえるのだからうれしいですよね。みんながハッピーになる、こんなにいいことはないと思いますよ。

(文中敬称略)

月刊自動車リサイクル2011年3月号

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