保険料率改定をきっかけとした リサイクルパーツ活用拡大への取り組み

リサイクル

– BS サミット事業協同組合 –

保険料率改定をきっかけとした
リサイクルパーツ活用拡大への取り組み

最後の保険特集では、使う側の意見を紹介する。全国の有力自動車鈑金工場で組織されるBSサミットは、2012年10月からの保険料率改定を機にリサイクル部品を使った修理をより一層進めて行くための取り組みを強化している。去る12月5日に行われた首都圏ブロック社長会で、販売促進委員である伊藤宏文氏(堀切自動車工場:代表取締役)より、「リサイクルパーツ活用拡大への取り組み」についての報告が行われた。

BPショップだから出来るリサイクル部品を使った修理の提案

車両の低年式化による全損車両の増加や事故車修理予算の不足などにより、リサイクル部品の使用量はBS組合員の皆さまの会社でも、増加しているのではないでしょうか?

BSサミットでは2011年の11月に全国の各支部に(リサイクル部品の)販売促進員を置く制度を発足させました。
そして毎月、支部社長会において支部長を補助し、リサイクル部品の活用法などを討議して、販売促進委員会に報告してもらいました。
その報告で多かったのが、「リサイクル部品のヒット率が悪い」、「値段が高い」、「輸送費が高い」という3つの共通課題であり、また改善されるべき最大の問題であります。

ヒット率に関しては、確かに「ない」部品も多いようですが、FAXだけでの依頼に頼らず、自社でのパソコン検索を徹底して頂きたい。そうすれば必ず確率は上がるはずです。

価格については、リサイクル部品は一物一価になりますので、なかなか比較はできませんが、Sクラス、Aクラスという部品だけを使うのではなく、我々は(BPショップとして)修理ができるのですから、手間を惜しまず多少の傷があるものでも修理をして、使うことが重要になると思います。

次に輸送費の問題です。これは我々だけの努力では難しい問題です。ここに来てリサイクル部品の使用量が増えたのではないかと思いますが、2012年10月より(損害保険の)「ノンフリート等級別料金制度」の改定が行われ、リサイクル部品の使用の重要度が増しています。

今回の改定により、保険を使って修理をするのか? 自費で直すなら安く修理する方法はないのか? リサイクル部品はあるのか? というのが、ユーザーの大きな関心となります。

ですから、我々はフロント対応をしっかりして(新品部品に交換ではなく)、できるだけ修理をした見積り、リサイクル部品を使った見積りをお客さまにその場で提供できるようにしなければいけません。

しかも、この10月以降大きく加速していくことでしょう。予想される急激なリサイクル部品使用量の増大に対し、全国の組合員に現在、本部にて提携しているリサイクル団体やその他提携企業だけで、100%のヒット率、全国どこからでも低価格の輸送費が実現できるとはなかなか考え難いため、損害保険会社やユーザーのニーズに対応できる体制を築くことを目的として、今後、各ブロック、各支部おいてもリサイクル事業者との取り引きも考えることでしょう。全国的に見ますと、地元にリサイクル事業者が極端に少ない地方、雪国など融雪剤による塩害で部品が錆びてしまいリサイクル部品が少ない地方は輸送コストが高いなどの情報が寄せられています。

各組合員においては支部内で十分な情報交換を行い、支部長を中心に各支部販売促進の協力の下、リサイクル部品の取引き拡大に努めて下さい。支部の販売促進委員からの報告によりますと支部内でのリサイクル部品に関するアンケートを実施した、または、パソコンでの検索のやり方を実務者レベルで確認したなどの報告が届いております。また、我々はリサイクル部品の使用者だけでなく、原産者でもあります。事故車や下取り車、使用済み車を部品取りまでしてくれる解体業者に出すのも、結果として部品ヒット率向上に繋がると思います。

最後に大切な事として、(リサイクル部品を使った修理を)どのようにしてユーザーに説明していくのか? どう納得してもらうか? なども支部社長会などで成功事例を集めて、検討していって頂きたいと思います。
(一部抜粋)

保険会社に聞く

三井住友海上火災保険株式会社
営業推進部 モーターチャネル推進部部長
小幡 義章 氏

―実際の改定に向けて、具体的な準備(対代理店、対契約者)は?

小幡部長(以下、小幡) 2012年5月に改定に関するビデオ、ガイドブックを作りまして、7月までにすべての代理店の皆さま向けの研修を完了しています。

また、当社の整備工場代理店組織であるアドバンスクラブでは、7月に全国理事会を開催しましたが、自動車保険部長も出席し、改定内容について周知徹底を図りました。

お客さまには、改定内容のご案内を10月以降、満期の方に当社から直送しています。
今回の改定では、「事故を起こしたら保険料が高くなる」というお客さまの反応が多いので、お客さまはこれまで以上に事故を起こしたくないと思っていらっしゃると思います。

このことから、テレビCMで放映している、安全運転啓蒙とドライブレコーダーなどの機能を持ったスマートフォン向けアプリ「スマ保」をリリースしています。12月10日現在のダウンロード実績は約21万件です。

一方、スマートフォンをお持ちでない方には、パソコンやWebで運転適性診断などのサービスを提供しています。
今回の改定はリスク実態に見合った保険料を負担いただく体系とし、保険料負担の公平性を高めたことから、事故ありの等級ができました。当社でも事故を起こされた方が2回目の事故を起こさないようにと色々考えまして、それも含めてできる限りお客さまの事故を減らしていきたいというのが当社の思いです。

―ところで、事故修理の保険適用が減って、リサイクル部品を使った自費修理が増えるとの予測もありますが?

小幡 リサイクル部品については、10月から日本損害保険協会で利用促進キャンペーンを開催しており、今後リサイクル部品が増えていくだろうとは思っておりますが、今回の改定が直接のきっかけになるとは考えておりません。

事故を起こした場合には相手方のある事故も多く、相手との交渉等の負担が発生するため、保険適用が大きく減少することはないと思われますこのため、リサイクル部品の利用が少しは増えると思いますけれども、爆発的に増えるということはないと思っております。

もちろん、リサイクル部品を使うことはいいことですから、当社ではアドバンスクラブの環境取り組みをサポートするなど、他社にはない取り組みを打ち出しておりますので、環境の観点からリサイクル部品については大いに取り組んでいきたいと考えております。

また、お客さまが後から「保険を使わない方が得だった」とおっしゃることがあるので、代理店の皆さまには説明を徹底いただくことをお願いしています。保険を使った場合はいくら、使わない場合はいくら、使うか使わないかはお客さまのご判断です、という具合ですね。

やはり、保険料などで選ぶよりも事故対応のよさなどで契約を続けていただければと思います。
ですから、今回の改定があるから保険を使う使わないというよりも、それに関係なくお客さまに十分にご納得いただくことが、事故の解決にも重要だと思います。

―今回の改定で事故入庫が減るという見方もありますが?

小幡 事故が少なくなれば入庫は減りますが、 そうでなければ、保険を使う使わないの前に、お客さまの要望に応じて整備工場をご紹介しますので、影響は少ないと思います。