保険料率改定はリサイクル部品普及のきっかけ?

2016年3月4日

前号でも特集を組んだように、この10月から国内損保各社が自動車保険の料率改定を見直しその適用が始まった。3週連続特集の2回目である今回は、この料率改定を機に活況を呈すると言われているリサイクル部品の情勢について探っていく。

リサイクル部品需要増の根拠

改めて確認しておくが、料率が変わった今、事故を起こしその修理に保険を適用すると、翌年から保険料の割引率が下がり、金額負担が増す。
安く済ませるためには、リサイクル部品を使った自費修理を検討する必要があるということから需要増が見込めるということである。

業界最大手、NGPの反応は?

まずは部品の送り手側から見ていこう。リサイクル部品販売団体としては業界最大手のNGP日本自動車リサイクル事業協同組合では、本号でも特集を組んでいるように、先ごろ総会を開いたばかりだ。
この総会の中で、今年度の事業方針に触れていたが、ここでもやはり料率改定について言及している。
しかし、利用促進が進むであろうことを手放しで喜んでいる訳ではなく、一方で安定した供給体制の構築などの課題にも取り組まなければならないと決意を新たにしている。

NGP平成24年度事業基本方針より抜粋(前略)

また、損害保険会社が導入する新自動車保険料率体系は、リサイクル部品利用促進の側面からすれば好ましい要因であるものの、反面、リサイクル部品業界が従来から抱える課題(供給率・価格・品質保証・サービス面など)の改善・解消への対応が求められ、損害保険会社、自動車整備事業者とのパートナーシップのより緊密な関係の構築に向けて、各課題を乗り越える、絶え間ない努力が求められる
こととなります。(後略)

 損保会社の対応あいおいニッセイ同和損保の場合

さて、NGPにちなんで、同組合と提携関係にある、あいおいニッセイ同和損害保険の動きを見ていこう。同社はNGPと提携し、以前からリサイクル部品の利用促進に力を入れてきた。
その強みを活かし、モーター代理店がお客さまに、今回の改定内容を説明するためのA3裏表・ラミネート加工済みの資料を作成し、やはりこの中で万一事故を起こした場合には、リサイクル部品も検討・活用しましょうということで、具体的な損傷箇所・車種を挙げて新品部品を使った場合の見積とリサイクル部品を使った見積を紹介している。

保険会社に聞く Interview

―今回の改定に向けての具体的な準備(対代理店、対契約者)は?

加世田室長(以下、加世田) お客さまには満期の案内と一緒に改定の案内をお送りしています。また、当社のオフィシャルホームページに、改定のご案内を掲載しています。代理店に対しては当社の社員が説明しました。
また、大事なポイントをまとめたマニュアルを作りましたが、マニュアルだけではお客さまにご理解いただくのはなかなか難しいという声もありまして、お客さまに「よく分かる等級制度のお話」というご案内資料もお渡ししています。

他にも代理店研修用にDVDも作っており、これを使って代理店に浸透させるよう、指示を出しています。

―事故修理の保険適用が減り、リサイクル部品を使った自費修理が増えると予測されますが?

加世田 そうなるだろうと思います。我々としましてはお客さまと代理店との接点、会話も増えるだろうし、増やさなくてはいけないと思っています。

例えば、整備工場代理店には、「リサイクル部品にしますか? それとも新品部品にしますか?」、「取り替えますか? 修理にしますか?」という会話をした上で、さらに、「(事故で)保険を使うとこういう影響が出るんですよ」と説明していただく。それによって、お客さまの満足度が上がり、保険にも入っていただけると思います。

―リサイクル部品を使った修理が増えるだろうということで、それを勧めやすい環境づくりについては何か支援策がありますか?

加世田 特にAIRジャパン会員向けには、リサイクル部品をお客さまにご提案するように、各会議の中で話をしております。
提携企業でありますオートビジネスサービス社が斡旋するリサイクル部品をご活用いただくよう呼びかけています。
その他、代理店向けには、「将来保険料負担シミュレーションツール」といって、保険を使った場合はこれだけ将来に亘って保険料が高くなりますよと、説明できるツールも用意しています。

例えばフロントガラスの損害で、保険を使ったとしたら保険料が28,000円上がるとします。けれども、修理代が例えば1万円で済むのであれば、自己負担としていただいた方がいいですよね? といった提案ができるようなオフラインソフトを新規に用意しています。

―今回の改定で、入庫が減るのではないか? という話も聞きましたが、いかがでしょうか?

加世田 事故を起こしても小損害だったらそのままにしておこうという方と、小損害でも入庫しようと思う方、今回の改定でその比率が変わるかというと、たぶん変わらないと思います。
「とにかく事故があった時は私に相談してください。保険を使う使わないで大きく差が出てきますが、すべて私の方で対応できます」という応対ができていれば、さらに繋がりが深まると思います。
他にも入庫支援の一環として、「お客さま評価日本一」ということをNKSJグループとして掲げています。単に売上が上がればいいという訳ではなく、営業活動を通じてお客さまから評価されることが、もっとお客さまを増やすことに繋がるという発想です。
お客さまから支持されるために、保険を通じて、お客さまの満足度が上がるような仕組み、商品を提供していかなくてはならないと思っております。

株式会社損害保険ジャパン
営業推進室長
加世田 務 氏

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