外装部品脱着時のエーミング作業について

ツールプラネットセミナー

 自動車用故障診断機、コードリーダーなどを製作販売するツールプラネットは、IAAE2019の会場にて「外装部品脱着時のエーミング作業」についてセミナーを行った。冒頭の一部をご紹介する。

 2020年より「自動ブレーキ」が40カ国で標準装備義務化される。さらに2024年度には日本国内でOBD車検が導入される予定になっている。2021年度以降に販売される新型車が対象になり、保安基準に性能要件が規定されている装置をOBD検査の対象にするなどの検討がされており、車検の環境も変わってくる。

 合格判定の基準は、基本的に特定DTCの有無になる。現在でもエンジンのチェックランプが点等していると車検に受からなくなっているが、DTCの有無になるので、故障ランプがついている、ついていないではなく、そのコンピューターに故障コードが残っているかの有無が合否基準になる。

 特定DTCの対象については、エーミングに関わるコンピューター、カメラやレーダーなども検討されている。重要なのは、これらに関わっている部品の脱着時にはそのユニットに故障コードが入ってしまう。これらの故障コードは単純に故障の除去だけでは消去ができないものがあり、消去には作業サポートと言われる学習機能だったり、初期化が必要になる場合がある。

 そもそも、今回のOBD車検導入の背景には、運転者の安全を守るために自動車は技術的に進化しており、自動車の衝突回避または衝突による被害の軽減を図るシステムプリクラッシュセーフティーへと大きく進化していることが挙げられる。

主なセーフティーシステム

  • プリクラッシュセーフティシステムズ(ミリ波レーダー、レーザーレーダー、ステレオカメラ)
  • ポップアップエンジンフード
  • アラウンドビューモニター
  • ステアリングバイワイヤ

 これらに関する外装部品脱着の際には、スキャンツールを使用した整備が必要になる。

 特にボディー系列において数多くのECUが搭載されている。ボンネット、各シートそれぞれ、ドア一枚一枚、パワーウィンドウ、こうしたものの裏にはコンピューターが存在するようになっている。これらすべてのユニットが相互に通信しているのがCAN通信であり、ひとつのトラブル他のECUにも影響を及ぼし、他のECUにコードが入ってしまう。これらのことから特に部品の脱着にはすべてのコンピューターを確認する必要があり、すなわちすべてのコンピューターの故障コードを見ることが重要になる。もちろん故障コードの削除や部品交換後の初期化が大事なのは言うまでもない。

 新しい技術の上には課題も山積している。すべての車両がこうした次世代技術を搭載するとなれば、整備環境も追いつかなければいけない。部品交換作業後の校正(エーミング)は必要不可欠になるが、現状のディーラーだけではまかなうことができなくなる。今後、ディーラー以外の整備工場や鈑金工場でも取り組んで行く必要がある。