うつ病の社員への対応は?優秀な社員が他社へ引き抜きその時・・

2017年7月7日

自動車整備士・整備工場の労務相談室

せいび界2011年6月号Web記事

Q、うつ病の社員への対応は?

先月には、うつ病の社員を休ませたいという質問があったが、逆にウチはうつ病が治った社員が復帰することになった。治ったといっても再発が多いと聞くので、どう対処したらいいのか?

A、

ご指摘の通り、残念ながらうつ病は再発が非常に多い病気です。「治った」と診断書にあっても、復帰後に再発するケースも多いのです。

当然ですが、復帰の判断をするのは会社です。しかし、会社は病気について詳しくないので、本人の主治医の判断を仰ぐことになります。この場合、会社は本人の病状を主治医に聞くことができます。もちろん本人の同意は必要ですが。

しかし、主治医はどうしても患者よりの診断となりがちですので、会社指定の医師などを受診してもらい判断したいところです。ただし、注意点があります。

それは、会社指定の医師などの受診を命じることは、就業規則や雇用契約書などに書かれていないと「できない」のです。具体的には次のように記載します。

(指定医健診)

第○条 従業員が次の各号のいずれかに該当する場合、会社は従業員に対し、会社の指定する医師の健康診断を受けさせることがある。なお、これは業務上の必要性に基づくものであるため、従業員は正当な理由なくこれを拒むことはできない。

なお、うつ病ではありませんが、受診命令に関する判例があるので、ご紹介します。

<全国電気通信労組事件 東京地裁 平成2年9月>

○本人は個人的な病気で休職した。
○本人は主治医の診断書「勤務可能」を理由に復帰を要請
○組合は規定に従い、指定する医師での受診を命令
○本人はこれを拒否
○就業規則に規定する休職期間の満了を理由に解雇
○就業規則には「指定医での受診命令は可能」と記載

しかし、これに納得できない本人は裁判を起こしました。そして、裁判所は、「指定医での受診を拒否したから、復職させなかったことは正当」と判断したのです。もちろん、これは就業規則にきちんと書いてあったからです。逆に言えば、書いてなければ、会社は負けていたのです。

うつ病は「治ったか」という判断がとても難しい病気です。しかし、病気のまま働くことは、本人のためにもならない(=悪化する可能性大)、仕事の効率も落ち、事故やクレームになる可能性もある、ということです。

 

次は、優秀な人材が他社へ引き抜かれた・・・法的に取り戻すことは?

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