コラム

幹部教育の方法は?

Q,幹部教育に行き詰まっている

当社では3 年ほど前から、いずれ行うであろう事業承継後の「新・経営体制」を意識した若手経営幹部の登用を進めています。幹部は積極的に外部の研修に参加させるなどお金も時間もかけているつもりですが、なかなか思うように育ってくれていません。リーダー(幹部育成)のノウハウが欠如しているように思います。何かアドバイスがあればお願いします。
当社の規模など:役員3 名(同族)、幹部3 名、従業員20 名
主 な 業 務:車両販売、整備、鈑金塗装、保険販売

A,

「教育」は、いかなる成長ステージにある会社でも常に頭を悩ませている「エース級の経営課題」です。その中で対象者としての優先順位が高いのが幹部です。幹部教育については①若手次世代幹部と、②現役ベテラン幹部ではアプローチが異なります。

今回のケースは①若手次世代幹部です。この場合、次世代経営体制をひとつとして「くくる」ので、後継者教育とセットで行う必要があります。始めに考えるべきポイントは次の2 点です。

Ⅰ 次世代の経営体制をどのようにするのか
Ⅱ 次世代の経営幹部をどのように育てるのか

今回のご質問の場合は既に(Ⅰ)を進めていますから、(Ⅱ)について考えます。
① 新規プロジェクト、新規事業立ち上げを経験させる
(ア)体制の疑似グループ化
早いうちから、次世代経営体制の試運転を行う。販売目標から事業計画まで自分たちで立てさせる。
(イ)同じ釜の飯を食うことによる体験の共有化、価値観の共有化
新規プロジェクトによって成功と失敗をともに経験することで、体制としての結束を深めていける。

② 必要と思われる知識・技能などはできるだけ試験を受けさせる。
講習やレクチャーを受けるだけでは知識を身につけることは不可能。
試験に合格することで専門的分野の知識にも自信を持てる。

③ トップとのコミュニケーションの質を上げる
トップが想像している以上に社員は(幹部といえども)トップとの交流を嬉しく思うものです。
直接マンツーマンで面談する機会を増やすことでも十分です。

原田 博実(はらだ ひろみ)株式会社エフアンドエム
取締役 (JASDAQ4771)
MBA 経営学修士/関西学院大学大学院 経営戦略研究科 修了
関西学院大学特定プロジェクトビジネスマイニングセンター
客員研究員(2007 年~ 2011 年)
主な著書 「スバルだより」(富士重工/ 2011 年より連載)
「整備戦略 経営特集号」(日刊自動車新聞社)
「財務諸表” 寝かせ読み” 速読法」(アスキー新書/ 2010 年)
「“クルマ屋” 経営塾」(日刊自動車新聞社/ 2011 年)

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