シリーズ車検を考える③2014年問題車検はどうなる

2016年3月3日

消費税増税!2014 年問題!
その時、車検はどうなる!?

せいび界2014年3月号再アップ

この号がお手元に届く頃には、消費税増税まであと1 ヶ月ないし既に1 ヶ月を切っているかもしれない。
一方、整備業界ではそれ以上に大きく騒がれているのが、いわゆる「2014 年問題」である。

今回の巻頭特集では、この2 つの問題、消費税増税と2014 年問題が車検に与える影響はどの程度なのか、またその対策について考えていく。

まずは消費税増税について考えていく。平成26 年4 月1 日以降、消費税率が現行の5% から8% に引き上げとなる。これは基本中の基
本である。

さて、車検の場合、どの車両が対象になるかと言うと、下記の2 と3 である。1 については入庫・引渡共に3 月中に完了しているので、従来通り5% が適用され、これは問題ないはず。

また、3 については予約こそ3 月中だが、入庫・引渡は4 月なので8% が適用されるのは当然といえば当然だ。
注意すべきは2 で、予約もしくは入庫の時点で、引渡が4 月以降になることを客に了解を得られていればよし、予定外で4 月以降になってしまったらクレームに発展し兼ねない。より慎重な事前確認が求められる。

車検消費税

車検消費税について

こんな時どうする?

Q、

平成26 年3 月29 日に点検整備として車両を受け入れ、点検整備を終了し、3 月31 日にユーザーに引渡(納車)をした。その際、ユーザーに納品書を交付し、その写し(控え)に受領印をいただいたが、請求書の発行は4 月1 日以降になってしまった。
この場合、請求書に適用する消費税率は? また、代金回収が4 月1 日以降の場合は?

A、

この場合、「請求書の発行時期は消費税率に影響しない」ため、消費税率は5% でOK。消費税率は引渡日における税率が適用される。そのため、請求書の発行が4 月1日以降でも、引渡完了は4 月1 日より前なので、5% 請求でOK。代金の回収時期も税率に影響しないので5% でOK。
なお、ユーザーにも安心感を与えるために、今回のケースのように3 月中に引渡が完了したことを証明する書面等(納品書や受領証等)を渡しておくのがベストである。

中古車販売に当たっての留意点-自動車公正取引協議会の方針

一般社団法人自動車公正取引協議会では、4 月1 日以降も、これまで通りの総額表示方式とする方針を示している。特に中古車など、車両を多く展示している場合は、即時にすべての車両の価格表示を5% から8% に変更することが困難であることから、1 台ごとまたはポスター等で確実にユーザーの目に付く方法で、現在の展示車両の価格表示が5% に基づく価格であること、及び登録が4 月以降になる場合は新税率8%に基づき清算する旨の表示を行うことを推奨している。もちろん、できるだけ速やかに新税率8% に基づく表示に変更するようにとも推奨しているのは言うまでもない。

その他 改正消費税の関連資料( PDF) ※インターネットからダウンロード可

① 消費税の円滑かつ適正な転嫁のために
内閣府:http://www.mof.go.jp/comprehensive_reform/tenka_pamphlet.pdf
② 中小企業・小規模事業者のための消費税の手引き
中小企業庁:http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/pamflet/2013/131008syouhizei.pdf
③ 総額表示義務の特例措置に関する事例集
( 税抜価格のみを表示する場合などの具体的事例)
国税庁:http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/shohi/kaisei/pdf/sogakuhyojigimu.pdf
④ 平成26 年4 月1 日以後に行われる資産の譲渡等に
適用される消費税率等に関する経過措置の取扱いQ&A
国税庁:http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/shohi/kaisei/pdf/2191.pdf

2014 年問題について再確認

改めて「2014 年問題」について確認しておこう。2014 年問題とは、今年の車検対象車両が激減することを言う。なぜ激減するのか、要因は2 つある。
まず、リーマンショックの起きた2009 年には新車販売台数が落ち込んだ。この年の新規登録車(乗用車)の多くが2 回目の車検を迎えるのが今年なのである。同様に、東日本大震災が起きた2011 年には新車の生産ラインや、その末端の部品生産工場が停電などにより長期間稼働できず、やはり新車販売が落ち込んだ。この年の新規登録車が初回車検を迎えるのも今年なのである。

こうしたダブルパンチにより、今年の車検台数は通常の2 割減程度になるのではないかとの見解が多く寄せられている。

対策は固定客を確保すること!

台数が減ると分かっているのであれば、対策は台数を増やすことに尽きるが、たやすいことではない。それならば、少なくとも今ある管理客をしっかりと固定化し、確実に満足をいただきつつ、収益を上げるというのがベストである。ここでは、アドバンスクラブの「第1 回次世代研究会経験交流会」で発表された車検にまつわる施策を紹介する。

マーケティング実践事例講座

船井総合研究所

アドバンスクラブでは、大きく変化するアフターマーケットに対応すべく、新たなビジネス展開や実践活動を通じて車検・整備等販売手法を研究するマーケティング部会を発足させ、昨年半年間をかけて研究を重ねてきた。ここではその締め括りとして、部会をまとめてきた船井総合研究所の小平勝也氏が交流会で行った講演の一部を紹介する。

我々中小整備工場にも業績の上げ方というのは必ずあります。
整備工場の業績アップの優先順位の中で、大事なのは客数アップです。しかもその中で最も大事なのは、離れていく既存客を防止する
ことです。

管理名簿数で分けますが、管理名簿数が月に70 件までの整備工場、月に150 件ぐらいの工場、200 件ぐらいの工場、350 件ぐらいの工場というように段階を敢えて分けていくと、そのリストを誰が管理しているのかも、また、どんな対策を取るかもそれぞれ変わってくるかと思います。

一方で、規模が大きくても小さくても、やってみてはどうですかという基本戦略があります。それは次回車検の予約制度です。自社
で車検を受けていただいたら、出庫と同時に「次回、2 年後もウチで車検を受けていただけますよね? 予約してくださいね」とお願いする。これは難しいことではないはずです。

もちろん、お客さまによっては、「そんな2 年後なんて分からないよ、買い替えるかも分からないからね」とおっしゃるかもしれませ
ん。でもそうすると我々の中に何がインプットされるかというと、「あ、このお客さん、2 年以内に買い替えるかもしれない」ということです。

仮にそうだとしても、「お客さまいいですよ。それでもウチで予約だけしてください。無料でできますから。キャンセルする時には電
話1 本くださいね」とすれば、買い替える時には必ずお客さまから電話をいただけます。このように、2 年後の予約を取っていくという
取り組みをするだけで、実はお客さまから色々な情報を引き出せる可能性が高いのです。

そして我々の内側にもメリットがあります。お客さまに最近どうですか? と電話をする、ハガキを送る。その際に、ハガキであれば
「当社で車検を予約していただいているお客さま、おクルマの調子はいかがですか? そろそろ点検の時期ですよ」などと書くと思いま
す。もうお客さまはウチに囲い込まれているお客さまだという印象づけをずっとすることができます。こういうお客さまは離れていきま
せん。

電話をする時も同じです。「お客さま、おクルマの調子はいかがですか?」そして、切り際には必ず言います、「お客さまはウチで
車検を予約いただいていますよね。来年(あるいは再来年)の○月○日お待ちしております」と言って電話を切ればいい。お客さまはずっと我々の工場と紐付けになっているという感覚を持ち続けていただけます。

これは規模が大きくても小さくても、やったらやったなりの効果が出てきますので、ぜひこの取り組みを車検入庫活動の中心におきませんか?     <一部抜粋>

株式会社船井総合研究所
東京経営支援本部 第一経営支援部長
上席コンサルタント 小平 勝也氏

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