資源マーケット情報

2019年5月資源マーケット情報

鉄スクラップ

 鉄スクラップの5月市場は、月前半も内外において価格は下落局面が続く状況となり、国内電炉の炉前価格はH2=3万円台を割り込む状況が続いた。その後、月の後半については、市況は横ばいでの推移が続いていたが、6月に入って東京製鉄が炉前価格を引き下げた。

 東京製鉄では、5月9日からは、全工場でトン当たり500円の炉前購入価格の値下げが行われ、田原工場は海上・陸上特級とも3万500円、岡山工場は海上・陸上特級とも2万9,500円、九州工場は海上・陸上特級とも3万500円、宇都宮工場は陸上特級2万9,000円、高松鉄鋼センターは海上・陸上特級とも2万8,000円としている。

 さらに6月1日からは、西日本4工場でトン当たり500円の炉前購入価格の値下げがあり(高松鉄鋼センターはダライ粉類のみ500円下げ)、田原工場は海上・陸上特級とも3万円、岡山工場は海上・陸上特級とも2万9,000円、九州工場は海上・陸上特級とも3万円などとしている。

 アジア向けの鉄スクラップ輸出船積みルートについてみると、関東鉄源協同組合の5月10日の輸出テンダーでは、落札価格は前月比1,703円値下がりした3万597円としている。

 鉄スクラップの国際マーケットにおいても、米国では、コンポジットプライスが263ドル大幅な値下げが続く状況となった。その後については、米国スクラップのトルコ向け輸出市況はCFR310ドル台へと20ドルの上昇となり、鉄鉱石価格については、100ドル台に上昇が見られ、強気の材料となってきている。

[再生資源市場]

1.価格動向

鉄スクラップ2018年8月ピーク2018年12月2019年1月ボトム
東京製鉄38,000円(8/24)31,500円(12/7)31,000円(1/8)
関鉄源輸出34,860円(8/9)29,478円(12/11)28,775円(1/11)
鉄スクラップ2019年3月ピーク2019年4月2019年5~6月
東京製鉄35,000円(3/6)29,500円(4/24)29,000円(6/1)
関鉄源輸出34,010円(3/12)32,300円(4/10)30,597円(5/10)

 

2018年8月ピーク2018年12月2019年1月ボトム
LME銅6,118ドル(8/28)5,931.5ドル(12/25)5,901ドル(1/25)
国内銅72万円(8/28)70万円(12/26)71万円(1/28)
2019年3月ピーク2019年4月2019年5~6月
LME銅6,328ドル(3/26)6,430ドル(4/24)5,780ドル(5/31)
国内銅74万円(3/26)76万円(4/24)67万円(6/3)

 

粗鋼生産

 4月の全国の粗鋼生産は864万6,600トンで前年同月比0.8%減少となり、前年同月比では8ヵ月連続の減少となっている。粗鋼生産を炉別にみると、転炉鋼は649万トンで前年同月比0.6%増加し2ヵ月連続の増加、電炉鋼は215万6,600トンで同比4.9%減少し2ヵ月連続の減少となっている。

鉄鋼2019年4月
粗鋼生産計864万6,600トン(前年比0.8%減)
転炉鋼649万トン(前年比0.6%増)
電炉鋼215万6,600トン(前年比4.9%減)
小形棒鋼71万9,500トン(前年比3.7%減)
H形棒鋼33万9,400トン(前年比0.8%増)

 

3月新設住宅着工戸数7万9,389戸(前年比5.5%減)

 電炉の主力製品である小形棒鋼の生産は71万9,500トンで前年同月比3.7%減少、H形鋼は33万9,400トンで同比0.8%増加となった。

 東京製鉄は6月の鋼材の販売価格は全品種で据え置きとなっている。

 4月の世界の粗鋼生産は1億5,667万1,000トンで前年同月比6.4%増加となり、中国は8,503万2,000トンで同比12.7%増加、アメリカは742万8,000トンで同比7.3%増加、韓国は597万8,000トンで 同比1.4%増加、トルコは304万4,000トンで同比2.6%増加などとなっている。

 2019年4月
粗鋼世界計1億5,667万1,000トン(前年比6.4%増)
中 国8,503万2,000トン(前年比12.7%増)
インド878万5,000トン(前年比1.5%増)
韓 国597万8,000トン(前年比1.4%増)
台 湾193万トン(前年比5.0%減)
ベトナム135万トン(前年比35.6%増)
トルコ304万4,000トン(前年比2.6%増)
アメリカ742万8,000トン(前年比7.3%増)

非鉄金属

 非鉄金属については、5月の銅地金価格は下落局面となった。5月の連休明けは、トランプショックから、海外金属市況は急落となり、国内銅も値下がりとなった。

 5月7日からは2万円上げて74万円、5月9日より2万円下げて72万円とした。さらに5月14日に2万円下げて70万円とした。5月17日には1万円上げて71万円としていたが、5月23日に1万円下げて70万円とした。

 6月に入り、海外非鉄市況は全面安となり、国内銅も6月3日より3万円下げて67万円となり、2年ぶりの安値をつけている。市場では、米中の貿易問題の下で値下げ局面が続いていくものと見られている。

電炉製品東京製鉄(5/20)
異形棒鋼(D13~25)69,000円(前月比 横ばい)
 H形鋼(中巾)89,000~99,000円(前月比 横ばい)
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