新車の国内4 輪車生産台数
11 月の国内4 輪車生産台数は、合計で78 万8,344 台(対前年同月比106.0%)と、17 カ月振りに前年を上回った。
車種別では普通乗用車、小型乗用車、小型トラック、バスが前年比プラスとなった。4 月の増税以降、前年を大きく割り込んでいる軽乗用車は12 万4,406 台(同91.1%)と、落ち込み幅が縮小している。
2015 年11 月の国内4 輪自動車生産実績
[table id=53 /]出典:自工会
メーカー別生産台数は、主要8 社のうちスズキを除く全てで前年比プラスだった。特に輸出が好調だったマツダは、8 万8,272 台( 同141.3%) と大幅に増加。
富士重工(スバル)は主力車種のインプレッサと、2015 年10 月に大幅改良を施したフォレスター/ XV が好調で、6 万263 台( 同104.0%) と前年を超え、11 月単月として過去最高を記録した。また、リコール問題から前年割れが続いていたホンダは、7 万2,416 台( 同116.7%) と、16 カ月ぶりに前年を超えた。一方、国内向け・輸出ともに減少したスズキは、7 万3,525 台(同84.4%)と、11 カ月連続で前年を下回った。
2015 年10 月、11 月の主要8 メーカーの国内4 輪自動車生産台数
[table id=48 /]出典:各メーカー
なお、海外生産台数は三菱、スズキを除く全てが前年同月比プラス。特に北米とメキシコが好調な日産と、北米とアジアで業績を伸ばしたホンダ、北米のレガシィ/アウトバックが増加した富士重工、インドネシアやマレーシアが好調なダイハツの4 社が、11 月単月として過去最高を記録した。
続いて、11 月の輸入車新規登録台数は2万5,156 台(同94.7%)で、3 カ月連続で前年を下回った。
2015 年10 月度、11 月度輸入車新規登録台数
[table id=54 /]※すべての数字は乗用車、商用車の合計
※輸入車は日本自動車輸入組合発表により、 日本メーカー車を含む
国内新車販売台数
11 月の国内新車販売状況は、総合計で38万8,802 台(同93.4%)と11 カ月連続で前年を下回った。車種別では普通乗用車と小型貨物車、バスを除く全てが前年を下回り、特に軽自動車が対前年同月比で84.2% と大幅に落ち込み、足を引っ張る形となった。
乗用車主要8 メーカーではトヨタ、ホンダ、富士重工を除く全社で前年を下回った。特に日産は18 カ月連続と、前年割れが長引いている。登録車のブランド通称名別では、上位からアクアが1 万5,237 台、シエンタが1 万211 台、ヴォクシーが8,856 台、カローラが8,449 台、フィットが7,325 台だった。また、軽自動車では上位からN BOX が1 万4,035台、タントが1 万957 台、デイズが1 万695 台、キャストが9,172 台、ムーヴが7,827 台だった。
2015 年11 月の国内新車販売台数
[table id=55 /]出典:自販連
国内中古車販売台数
11 月の中古車販売台数は、合計で28 万2,258 台(同106.0%)と2 カ月連続で前年比プラス。車種別ではその他を除く全項目で前年を上回った。
2015 年11 月の中古車販売台数
[table id=56 /]出典:自販連
今後の国内生産及び国内中古車販売予測
消費税が10% に引き上げられる2017 年4月に、自動車購入時に課せられる税金の仕組みが改められる。燃費により課税割合が変わる上、消費増税も影響するため、混乱が予測される。長期では、輸出台数の減少や人口減少に起因して国内市場が縮小し続けるため、国内市場は減少する。
文/山口 清憲