BSサミット全国大会2016 世界基準の車体整備工場を目指す

BSサミット全国大会

お客様(カーユーザー)、損害保険会社、組合員工場のトリプルプロフィット(三者間利益)を追求する、車体整備業におけるプロ集団のネットワークであるBSサミット事業協同組合(磯部君男理事長)は、去る7月11日、12日の2日間に亘って2016年 全国大会をANAインターコンチネンタルホテル東京にて開催した。

近年の車には様々な素材が使われている上に、車載コンピューターのネットワークが張り巡らされるなど、車体整備業こそ最新情報が求められている。今回の特集では大会を通じて、同組合の取り組みについて紹介する。

磯部理事長挨拶 (抜粋)

昨年のDRP入庫台数は、89,807台、金額ベースですと163億3,452 万9,000円となっております。一方、ロードサービス取扱台数ですが、357,679台、金額ベースで見ると52億6,145万8,090円となっております。

驚くことに5 年後の2020 年、若者の車離れ、カーシェアリングやITを主導としたタクシー配車システムのウーバーなど、自動車社会の構造変化を受けて、国内自動車販売市場は400万台にまで縮小するとのシミュレーションもございます。

既に一部の自動車メーカーでは、これらを想定した中長期的な事業戦略を検討しています。一方、自動運転や自動ブレーキ、コネクテッドカーなど、次世代自動車については、徐々に納入車両も増えてきておりますが、いよいよ来年発売予定の日産の新型セレナは、高速道路限定の自動運転仕様の車両を発売するようです。

徐々にではありますが、各自動車メーカーの次世代自動車の位置付けもはっきりしてまいります。このような予想を上回る変化に、車体整備業界は過去の延長線上で自社企業戦略を考えるのではなく、時代は変わっており、新たな視点で将来を見据えないと、経営判断を誤ることになります。

BSサミットの2016 年度事業戦略は厳しい内容となりますが、私は先を見た経営に早くシフトした企業は必ず強くなり、生き残るという信念を持っており、企業体質の強いエクセレント車体整備工場を進展してまいりたいと考えております。

BSサミット事業協同組合は、組合員工場全社生き残りを賭け、次世代車体整備工場とすべく、基本3本柱を立て、チャレンジしてまいります。

事業戦略1
世界基準の車体整備工場となる

BSサミット事業協同組合としてのアイデンティティとは、すべての組合員工場がエクセレント車体整備工場となることです。

これまでの業界基準の工場から脱却し、世界基準の車体整備工場を目指し、活動してまいります。ある意味で車体整備業界維新となりそうです。

具体的にBSサミットは、すべての組合員工場がエクセレント車体整備工場基準認定を受け、テュフ認定工場となり、車体修理技術№1となります。

2年前より進めてきた「BSエクセレント車体整備工場」の具現化として、世界的に車体整備工場認定第三者機関として定評のある、テュフ ラインランド ジャパン㈱さまに工場認定業務を委託し、エクセレント車体整備工場の認定業務を進めてまいります。

「世界基準の車体整備工場」達成ステップについてですが、まずはエクセレント車体整備工場の体制作りに専念していき、さらに次のステップとして「テュフ基準認定工場」取得のツースステップ取得とし、所定の要件を満たした工場には、いずれもステップごとにテュフ社の認定証を発行いたします。狙い所として世界基準の車体整備工場となり、わが国の同業他組織を凌駕することを目指してまいります。

事業戦略2
次世代工場にふさわしい経営力のある
車体整備工場となる

BSサミット事業協同組合は「エクセレント車体整備工場基準」をアイデンティティとして、最高の車体修理品質の提供を展開し、引き続き車体整備業界のリーディング集団として活動し、「次世代にふさわしい経営力のある車体整備工場」を目指し、活動してまいります。

活動を進めるに当たり、経営スタイルをこれまでのどんぶり勘定の結果経営から脱却し、計画経営へのシフトを進めております。

そのツールとして、「経営マネジメントシステム」を駆使しながら、次世代自動車時代に即した経営管理を展開しております。

事業戦略3
日本版DRPの再構築となる車体整備業
ビジネスモデル化を目指す

BSサミットは、わが国にDRPを先駆け導入して20 年の実績がございますが、これを節目に新しい日本版DRPの再構築を目指してまいります。

これまで私は、機会あるごとに海外視察を重ねてまいりました。視察してみますと、わが国と異なることも数多く認識してまいりました。

本来、自動車保険を適用した事故車修理業務はどうあるべきかを含め、次世代車体整備工場のあり方についても模索してまいりたいと考えております。

世界基準の車体整備工場、日本版DRPのさらなる進化を目指すBSサミットとしては、まず当面はエクセレント車体整備工場基準達成を目指してまいります。さらに海外車体整備工場との乖離利益額(年間平均387 万ドル)について、格差圧縮を目指してまいります。

 

フロント教育委員会
奥谷丈輝委員長

2015年度、フロント教育委員会は新たに、CSグレード「マスター」研修と題して、フロントで活躍するスタッフのスキルをブラッシュアップする研修をスタートした。

今後のフロント教育の方向性については、各損害保険会社やアシスタンス会社からの紹介客に対する接客スキルの向上を目指したCSプログラム、顧客との生涯取引を目指したセミナー、これらのスキルを現状のマーケット動向に合わせ、実践集団としての成果に結びつける時期に来たとしている。

顧客との継続取引が可能となる商品・サービスの獲得に向けて、その接客スキルを活かすプログラムを展開する。車検プログラム・保険プログラム・車両買取販売プログラムの3つであり、これらの商品・サービスを獲得できるフロントスタッフを育成する。

将来に向かって成果を上げるための仕組みとして、フロント教育で培ったスキルを活用し、これら3つの新プログラムの成果を向上させることによって、フロントスタッフのモチベーションの向上と負荷の低減の両立を目指すと共に、「コールセンター」、「保険代理店」、「表彰制度」の3つの仕組みについても検討する構えだ。

技術教育委員会
駒場豊委員長

2015年度に技術教育委員会で注力したのは、アルミパネルの修理についてである。あいおいニッセイ同和自動車研究所の協力により座学研修を行い、㈱ケンテックス(菊地研三会長)の協力によってアルミ外板パネル修正実技研修を全国各地で行った。業界でいち早く取り組んだのがBSサミットであり、ディーラー内製化工場でも修理できずに交換していたアルミパネルを同組合員工場が積極的に修理することにより、損害保険会社各社のロス率改善に貢献した。

合わせて保険会社に対しては、修理工場の選定基準を「安く直せる所」ではなくて、「正確に直せる所」としていただきたいと呼びかけた。

技術教育委員会は2016 年度、「車体整備を科学する」をテーマに技術研修を展開していく。これからますます増えるであろう自動ブレーキ装着車、これから発売される自動運転車など、従来の車体整備知識・技術では次世代の車体整備は不可能であると訴えている。

しかし、BSサミットが目指す、エクセレント車体整備工場は、次世代自動車の先進安全予防技術に対応できる工場としているので、1 社でも多くのエクセレント車体整備工場の誕生が待たれる。

販売促進委員会
近藤英男委員長

2015 年度は自動車リサイクルパーツの一括見積システム「BSサミット ダイレクトオーダー」の推進を第一に活動してきた販売促進委員会。その結果、組合員の導入率は100%となり、現場フロントマンからは「手間がかからず簡単で便利だ」と好評を得ており、業務効率の改善、お客さまへのCS 向上等、多大なメリットを生んでいる。

100%の導入が実現できたことで、リサイクルパーツの使用量の集計も可能になり、実際の使用量は集計開始以来、14 ヶ月連続で月間1万点を超えるという大きな成果も生み出した。2016年度も記録の更新を目指している。

2016年8月1日より「BSサミットモール」の運用を開始した。BSサミットモールとは、BSサミット組合員と協賛会社を多面的に繋ぐシステムである。協賛会社の多岐に渡る商材をアピールし、組合員と商談をする場である。

商品やセミナーを組合員が探す際に、写真や文字の説明はもちろん、PDFなどの資料で詳細情報を確認でき、動画にて実際の動きやポイントなども確認できるようになっている。これによって今まで伝わりにくかった点も解消され、今まで以上に活発な商談が行われることを期待している。

業界問題委員会
熊本匡史委員長

業界問題委員会ではBSサミット組合員に対して、「経営マネジメントシステム」の導入を進めている。同システムは、パソコン及びインターネットを活用したクラウドシステムで、「損害保険会社や入庫客に対する進捗情報公開」、「入庫から納車までの日数」、「いわゆるサイクルタイムの管理、売上に対する原価管理、指数に対する作業時間管理などを一括管理できる。

作業時間を1件1件精査し、1台の修理に時間がかかり過ぎた場合は、なぜ時間がかかってしまったのか?が検証でき、次の作業時には作業時間超過が発生しないよう歯止め策を講じることも可能となっている。

原価管理ができるということは、「売上-必要な利益=原価」という式が理解できるということで、計画経営が実践できるということを意味している。いわば、自社の利益を「偶然の利益」から「必然の利益」へと変革できるということである。

同システムは車体整備業のスタンダードとなるべく導入を進めると同時に、デュフインランドジャパンの認定要件にも同システムの導入が含まれており、第三者機関からも必要なシステムであると認知されている。

ロードサービス委員会
森松和博委員長

2015年度のロードサービス出動件数は35 万7,679 件と、自動車保険の料率改定の影響によるDRP入庫台数が減少する中で、実績が拡大し続けている。

また、委員会活動のキーワードは「教育」、「研修」、「資格」、「設備」で、このうち「教育」・「研修」については、組合員の時間的・金銭的負担を考慮し、昨年12月より動画研修を採用。現在、14 本の動画をインターネット上で公開している。アシスタンス会社に寄せられる苦情で最も多い「作業中の車両損傷」にも対応している。

「資格」については、一般社団法人自動車救援士協会主催の研修と認定試験の受講を組合員に対して積極的に推奨し、2015 年度までで90 社・役170 名の資格取得者が誕生した。

「設備」については、協賛会社の協力により、レッカー車・積載車の導入提案を図り、組合員の増車・更新需要に活用されている。

2016 年度は昨年度に引き続き、自動車救援士の資格取得を啓蒙し、組合員各社に最低1名以上の自動車救援士が在籍し、教育や研修の記録を残し、品質による他社との差別化を図ることを目的としている。