見たことは知識となり知恵を生む

知識から知恵

自動車整備業の接客対応術50

見ることは膨大な情報が入手できることを意味します。入手した情報は、自分にとって価値のあるものと、ないものとに整理され記憶の引き出しに収納されます。人間がサルと大きく違うことは、過去の経験や知識を整理だなから引き出して問題を解決したり想像したりできるところにあります。

お客様の元には、新聞や雑誌そして整備工場が発信するチラシなどの情報が集まります。お客様は整備に関する情報の中から、自分にとって有用な情報をもとに相場価格を整理し、時には情報を「これは安いが、ここは高い」と値段交渉に使うこともあります。こうした、お客様の行動は情報が多いほど増えてきます。整備工場は、整備情報の氾濫に「いらぬ知恵をつけて困ったものだ」と嘆くよりも、むしろ情報好きなお客様の増加を喜ぶべきです。

自分の工場が発信する「外見」「商品」「技術」「言葉」「誇り」が、お客様に有用と認められたとき、その情報は価値を持つことになります。価値を持った情報は、知識として知恵の元となります。整備業は、整備作業を通じてお客様に整備の知恵を授けていると理解すべきでしょう。お客様は、「でくの棒」ではなく日々進化していて、進化の手助けを実は整備業が行っています。

たとえば、車検は、不具合がなければ一時間もかからずに完了できることを短時間車検商品の提供でお客様は知ってしまいました。お客様は、「一時間くらいなら待つことも苦にならないし、立ち会えるなら納得できるから良いな」などと新たな知恵を獲得しています。この知恵は、次はもっと短時間の商品はないか、いやもっとわかりやすい工場はないかと探し始める元となります。整備業に限らず客商売をする側は、お客様は見識を広め、それをやがて知恵として使ってくることを忘れると、お客様を見失い奈落の底へ転落することになります。だからこそ、お客様の見識を広げ知恵となる知識としての情報と経験の場を自らが提供することを真剣に考えるべきです。見せる整備こそ、お客様の見識を広め、知恵の元を自社とすることができます。