自動車整備業の接客対応術50
顧客志向による車検サービスの開発を行うには、まずお客様のカーライフを知る必要があります。お客様とは日頃接客しているから十分わかっている、と思うのは早計です。
同じお客様と接する機会は年に数えるほどしかありあせんので、自動車整備工場側は「うるさいお客」と「ものわかりのよいお客」の二種類程度の認識しかないものと思われます。お客様がどのようなカーライフをすごしているかを見るには、その具体的な行動に注目する必要があります。そのカーライフ行動を「運転行動パターン」と「整備行動パターン」を中心にみてみると、次の「四つの整備行動パターン」があります。
・「メカマニア派」
車に関する知識があり自動車整備も自分で行ってしまうタイプ。若い年齢層に多い。
・「個性・特別装備派」
車の装備にこだわり人とは違う美意識を表現しようとするタイプ。若い年齢層に多い。
・「ピカピカ派」
車はいつもきれいで、ピカピカに輝く上体で乗りたいタイプ。年齢に差はない。
・「ホームドクター派」
整備は専門家に任せて安心を得るタイプ。中高年以上に多い。
この四つの整備行動タイプについて、整備に対する満足度の傾向を、低い方から並べると
「個性・特別装備派」<「メカマニア派」<「ピカピカ派」<「ホームドクター派」です。
「車にこだわり」の高い傾向のお客様は不満が多い傾向にあり、どちらかと言えば「快適性や便宜性」を求める傾向のお客様は満足が多い傾向にあります。このような整備行動と満足度は、年齢と深い関係がありますが若いからといって一概に「メカマニア派」とは言えない面もあります。四つのタイプがあることを承知した上で、自動車整備サービスの提供を行うことが重要といえます。
お客様の自動車整備行動がわかれば何を整備サービス商品としてもとめているかが見えてきます。例えば「メカマニア派」には、高い知識と技量に裏打ちされた整備技術が目に見えるような商品を、「ホームドクター派」は、徹底した診断に基づくわかりやすいケア商品を求めていることが理解されます。
ニューサービスもお客様のタイプに合わせケースバイケースで行うべきでしょう。