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NGP日本自動車リサイクル事業協同組合 第14回通常総会・第32回定期総会懇親会

グループ創立から30年を超えた、リサイクル部品販売の大手団体であるNGP日本自動車リサイクル事業協同組合。平成29年度は「『創』~変革と挑戦で未来を創る~」を活動テーマに掲げ、様々な取り組みを行ってきた。

具体的には4つの事業方針として、 ①入口の課題として「車両仕入を強化」、 ②中間の品質として「お客様満足度向上によるNGPのファン作り」、 ③出口の課題として「リサイクル部品の販路を拡大」、 ④人材育成「自動車業界の変化に対応すべく、将来を見据えた人材育成計画」、を掲げ、組合員各社が一致団結して各事業に取り組んできた。

去る10月22日には第14回通常総会並びに第32回定期総会懇親会が千葉のシェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテルにて開催された。ここでは、本年も理事長を務める佐藤理事長体制における同組合の今後の展開並びに、懇親会で寄せられた来賓の祝辞などを紹介する。

「100年に1度の大変革期」を勝ち抜くために 第15期(平成30年度)のテーマ

佐藤幸雄 理事長

自動車業界は、「100年に1度の大変革」が加速していると言われております。
具体的には、(C)コネクテッド、(A)オートノマス(自動運転)、(S)シェアリング、(E)エレクトリック(電動化)の4つの頭文字をとった「CASE(ケース)」と表現される新たなテクノロジーやモビリティサービス、この要素に連動するかたちで人工知能(AI)も欠かせない技術要素として、「CASE+A」という進化をし続けています。このような大きな変化に伴い、自動車リサイクル業界を取り巻く環境は、中長期的にも非常に厳しい状況が予想されます。脱化石燃料に向けた次世代自動車の構成部品点数の減少、先進安全予防技術を搭載した車両の普及に伴うリサイクル部品の販売機会減少、FRP樹脂など車体素材の変化、素材相場の先行き不透明など多くの課題があげられ、縮小していく国内マーケットを想定すると中長期的にグローバル戦略も視野に入れた活動が必要です。また、少子高齢化による労働者人口減少に伴う人材確保の問題も、大きな課題となってくることが考えられます。

総会では、「組合員個社だけの対応ではなく、NGPグループの総力を結集し、スケールメリットを活かした戦略立案と実行が重要と考えております。今まで以上にNGPブランドの強化を図り、競合他社との差別化や様々な品質の向上によるNGPファン作りや新規取引先の獲得を積極的に進め、競争優位性を構築する必要があります」と述べました。
本年度は、先に述べた諸課題に対し、昨年掲げた4つの重要方針は不変として、①入口の課題である「車両仕入れの拡大」と、③出口の課題の「リサイクル部品の販路拡大」にフォーカスを当てて更に強化していく活動を進めて参ります。
車両仕入れの拡大では廃車買取りサービス「廃車王」を強化すべく、2018年11月に全国テレビCMの実施、「廃車王委員会」の設置など、活動を推進しております。

① 入口の課題 「車両仕入れの拡大」
② 中間の品質 「お客様満足度向上によるNGPのファン作り」
③ 出口の課題 「リサイクル部品の販路拡大」
④ 人材育成 「自動車業界の変化に対応すべく、将来を見据えた人材育成計画」

 

衆議院議員 公明党
幹事長
自動車問題議員懇談会会長

斉藤鉄夫氏

皆さまご存知の通り、地方の方の生活は今、自動車によって成り立っています。1台だけでなく、3台、4台というご家庭もたくさんございます。そういう中にあって、その自動車の多くが7月の豪雨災害でダメになってしまった、本当に絶望に打ちひしがれている方々に寄り添って、NGPの皆さまに激励をしていただきました。

来年から消費税が上がります。それに伴って自動車税の見直しをすることになっておりますが、地方の方がたくさん負担しているこの自動車税を安くしなくてはいけない、それが地方創生の第一歩だと痛感した次第です。

環境大臣をしている時に勉強しまして、自動車リサイクルこそ地球の未来を救うということも痛感しました。2050年には地球の人口が100億を超えます。そしてその1人1人が豊かな生活を目指す中で、新たな地下資源を求めるということではもう地球は成り立っていきません。今あるものを100%リサイクルして有効に使っていく、ということでしか地球のそして人類の未来はないということを痛感いたしました。

その基礎を作るお仕事をしてくださっている皆さまと、これからも私も一緒に頑張っていきたいとお誓い申し上げます。

 

経済産業省 製造産業局自動車課
自動車リサイクル室長

藤岡伸嘉氏

今年は災害の大変多い年でございました。
NGP日本リサイクル事業協同組合さまにおかれましては、特に7月の西日本豪雨災害の時には、対策本部を設置されましていち早く被災自動車の撤去等にお力を貸していただき、皆さまには本当に頭の下がる思いでございます。

さて自動車の市場を巡る状況でございますが、ELVにつきましては330万台ということで、こちらも前年を20万台上回ったということです。それから鉄スクラップ関係で言いますと、だいたい3万円超と堅調で、皆さま方にとってはよかった時期ではないかと思います。しかし、一方で、どんどん技術は先に進んでおりまして、業界が一致団結して取り組んでいくことが重要ではないかと思います。

自動車リサイクル法は平成17年の1月にできまして、来年1月を越えますと15年目に入ります。いずれ15年の評価なり、これまでの動向というものにつきまして、検討あるいは評価いただく議論を進めていくことになろうかと思います。その節にはこの業界の皆さま方の動きや状況を色々と勉強させていただく必要があると思っておりますので、どうぞ今後ともよろしくお付き合いいただければと思います。

 

あいおいニッセイ同和
損害保険株式会社
取締役専務執行役員

樋口昌宏氏

今年は大阪や北海道での地震、記録的な大雨、台風、過去に類を見ない、度重なる自然災害が全国各地に被害をもたらしております。

その中でもNGP組合員さまにおかれましては、7月の記録的な西日本豪雨によりまして水没した被災車両の引取を中心に、多大なるご協力を賜わりました。この場をお借りしまして感謝申し上げたいと思います。

7月8日にかけて発生しましたこの災害につきまして、翌日の7月9日には特に被害の大きかった岡山県、広島県に合計3箇所の対策本部の設置を決定していただくなど、NGPさまには迅速にご対応いただきまして、統括本部長である小林副理事長の陣頭指揮の下、被災車両を臨時保管するヤードの確保など、柔軟かつ迅速な支援にご尽力いただきました。

自然災害が頻発しておりますけれども、引き続きNGPさまより一層強固に連携しながら、お客さまへ安全・安心がお届けできるように取り組んでまいりたいと考えております。

大規模災害の時にこそ迅速な対応ができるのは、NGPさまに豊富な実績と有能な人材がおありだからであると、改めて実感している次第でございます。

 

ほけんの窓口グループ株式会社
代表取締役会長兼社長

窪田泰彦氏

某菓子メーカーの大ヒット商品であるチョコフレークが製造中止になるそうです。何と「スマホをいじりながらチョコフレークを食べるとスマホの画面が汚れる」ということで、消費が半分以下になってしまったからなのです。

今や世の中はながらスマホが当たり前の景色です。非常に厳しい対応を求められているわけですけれども、やっかいなことはさらにそれに加えて、インターネット社会、デジタル社会の進展でお客さまの知識武装、情報武装がどんどん進み、売り手と買い手の情報ギャップがなくなってきている。我々は保険という金融ビジネスをやっていますと、本当に感じます。情報リテラシーが高くなっています。

リテラシーが高くなるということは、顧客満足度の比重が従来に比べて圧倒的に高くなっているということなのです。ですから我々としては非常に皆さんも含めて、やっかいで難しい時代になってきたと思っております。

そうは言いながらも経営というのは変化に的確に対応するということが昔から言われており、その通りだと思います。我々経営者というのは変化の本質は何だろうか? ということを常に準備していかなければなりません。

 

NGP日本自動車リサイクル事業協同組合
名誉顧問
大石一彦氏
(代読:中村副理事長)

2019年ラグビーワールドカップ、そして2020年東京オリンピックの開催を控え、日本はますます世界との繋がりが強くなり、ボーダレスな時代の中での中心的な役割を期待されております。これからは国内のお客さまのみならず、私たちに期待してくださる世界中のお客さまのために奮闘し、各々の会社そして自分自身の成長のために精進してください。

早いもので私が病に倒れ28年の月日が流れました。その間たくさんの困難が私たちNGPに訪れました。しかし、そうした大きな荒波をものともせず、皆さまはその度に確実に成長を遂げました。

そんな同志の皆さまが私にとっても誇らしいです。また多くの苦しみがあった反面、それ以上に幸せな思い出や実績を皆さまは引き継がれてきました。これからの未来も様々な出来事が皆さんを待ち受けています。共に手を取り合い、どんなことも笑顔で、楽しい気持ちを忘れず乗り越えてまいりましょう。

皆さまの地道な努力の積み重ねが作り上げた、NGPの魂と歴史に改めて感謝申し上げます。NGP日本自動車リサイクル事業協同組合の今後の力強い発展、成長を祈念いたします。

 

共同記者会見

総会恒例の共同記者会見で佐藤理事長は、「我々の自動車リサイクル業だけではなく、自動車アフターマーケット全体においても非常に先行き不透明な時代に突入しております。中長期にも厳しい状況が予測されます。ガソリン車や化石燃料を使用する自動車からの脱却、自動ブレーキ等を搭載する車両の普及、それらに伴う事故減少及び事故修理の減少、平均使用年数の長期化、FRP樹脂などのボディ素材の変化、素材相場の先行き不透明さ、など多くの課題が挙げられます。

特に大きな問題は少子高齢化に伴う、労働者の確保です。また車両ボディの変化は鉄スクラップの重量をベースとしている車両仕入価格に大きな影響を及ぼすことが想定されます。このような事業環境を考えますと、しっかりとした現状への対策と中長期を踏まえた戦略とを実行していかなければなりません。現状の対策としては、やはり仕入車両の確保です。

我々は車両仕入がないと商売が成り立ちません。廃車王を強化するのも、BtoBだけではなくてCtoBからの仕入を強化していかなければ、良質なリサイクル部品取り車の確保はできません。

そのため、我々自動車リサイクル事業の認知度はますます重要となってきます。廃車王のテレビCMは我々業界の認知のために放映しているといっても間違いではありません。

よって今期も入口の課題として、一般カーユーザーから仕入を強化するべく、11月にテレビCMを放映いたします。また廃車王をより強化すべく、今期より廃車王委員会を設置し、活動しております。

次に出口の課題として、引き続きリサイクル部品の販路拡大を実施していきます。ブロードリーフ社との連携はスタートしたばかりですが、課題も明確化しており、今期は部品購入者にとって買いやすい情報の提供を進めてまいります。

具体的にはNGP内部で長年ルール化してきました、部品の形状表記を見直し、どんな人が見ても分かる部品形状に表記を変更してまいります。

また顧客との関係性強化も非常に重要です。現在実施している宝くじキャンペーンは、既存のお客さまには非常に高評価をいただいております。このキャンペーンを通じて既存顧客だけではなく、新規顧客の開拓にも力を入れていかなければならないと考えております。

厳しい事業環境だからこそ、多くのテーマを掲げるのではなく、より強化する意味を込めて2つのテーマに絞っております。最後はグローバル戦略が必要になります。海外展開も視野に入れた戦略を企画するプロジェクトも立ち上げ、活動してまいりたいと考えております」と述べた。

その他、質疑応答によって、水害対策マニュアルの作成を予定していること、廃車王コールセンターへの問い合わせ件数で前年比10%以上は目指したい、といった取り組みも明らかになった。

 

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