熊本大学大学院人文社会科学研究部(法学系)・環境安全センター長

外川 健一

1.はじめに

新型コロナウイルスは2019年末に中国武漢で発見されてから、瞬く間に世界中に混乱を招くパンデミックとなった。ところで2020年が実質パンデミック元年であり、今年2022年はパンデミック3年といえよう。日本では依然としてマスクが外部と接触する際の必需品であるが、海外から来るようになった多くのビジネスマンも、観光客もそれが日本式だと割り切って、徐々にではあるが「新しい日常」が取り戻されつつあるこの年末である。

ところで、英国の自動車リサイクルに関するウェブマガジン Auto Recycling World に、2022年1月13日付で掲載されたポーランドのフォーマルな自動車解体業者の業界団体;FORSのCEOである、アダム・マウィスコ氏のインタビュー記事として「2021年は自動車リサイクル業界にとって非常に良い年であったと回顧している。以下、マウィスコ氏の回顧禄である。

自動車リサイクル業界は昨2020年、世界各国で販売台数と利益の双方で記録的な業績を達成した。これは、鉄スクラップ、アルミニウム、銅、触媒コンバーターから回収された素材価格が大幅に上昇したことと、中古部品の需要が増加したことが主な要因である。もう1つ要因は、新車の生産台数の減少と密接な関係がある。(要するに新車販売が半導体等の製造が追いつかず不振で、ユーザーは中古車市場へ流れ、そのため中古部品市場も活性化したということだろう。)」

https://autorecyclingworld.com/2021-was-a-very-good-year-for-the-car-recycling-industry/から翻訳。 

さらに、アダム・マウィスコ氏はインフォーマル・セクターがはびこるポーランドの実情を憂いながらも、それでもフォーマルセクターでさえ、2021年はELVの仕入れ競争の激化があっても、まれにない利益が得られたと述懐している。そのためマウィスコ氏は、現在では自動車メーカー自身が自動車リサイクルへの投資を検討しているほどだと述べている。おそらくフランスのルノーが子会社のインドラを使った解体業界への本格的な参戦を感じ取っていた。またEV化は間違いなく中古パーツ市場の縮小を招くことを懸念していた。部品点数も少なく、高度な電子・電気技術やプログラミング技術が必要となるからであろう。

なお、ポーランドでも自動車解体ヤードでの触媒泥棒の問題は深刻だったようだ。

「(欧州の)規制には「盗んではいけない」とあるが、この記事を書いている最中に、一人の泥棒が駐車場に止まっている9台の車から触媒コンバーターを間断なく盗み、車から環境保護装置を奪っていくビデオを観ていたらどうするだろう?盗まれた触媒コンバーターの所有者は、非常に高価な、オリジナルの、新しい触媒コンバーターを取り付けて車を修理するのだろうか。それとも、別の解決策、より安いものを使うのだろうか。(中略)なお、触媒コンバーターのない使用済み自動車は、多くの場合、価値が50%下がる。

2020年から2021年にかけて、多くの国の政府がさまざまな種類の金融支援策を講じて提供した資金と原材料価格の上昇により、ここ数年では記録的な高インフレとなり、そのため従業員への給与の引き上げが必要になっている。したがって、自動車リサイクル業界は、今年も企業の利益を確保するのに苦労するかもしれない。(中略)中古部品市場に影響を与えるもう一つの要因は、特に人気のあるインターネットプラットフォームにおける輸送・流通コストの増加である。パンデミックから2年近くが経過し、顧客はオンラインショッピングにかなり慣れてきており、宅配会社のドライバー、つまり多くの国で不足しているプロのドライバーの大きな需要があることも確認されている。」

https://autorecyclingworld.com/2021-was-a-very-good-year-for-the-car-recycling-industry/から翻訳。

 

アダム・マウィスコ氏は、厳しいインフレと環境規制によって2022年は自動車の適正解体コストが、素材や部品の販売収益よりも上回るという可能性を指摘して、このインタビュー記事を終えている。このインタビューの1か月後、ロシアがウクライナへの戦争を仕掛け、欧州はさらに混乱の1年を迎えることになる。

 

2.自動車リサイクルにおけるカーボン・ニュートラル

2022年の自動車リサイクルにおける新しい動きは、環境省が主体となった自動車リサイクルにおけるカーボン・ニュートラルに関する取り組みが本格的に検討開始されたことである。

これは、2020年10月26日の菅 義偉総理(当時)が臨時国会での所信表明で表明した2050年のカーボン・ニュートラル宣言に呼応した動きである。これまで業界はリサイクル部品の使用による温室効果ガス削減効果を定量化する試みを、早稲田大学や明治大学等のLCA研究と連携して進めてきたが、2022年になって自動車リサイクル全体の温室効果ガスの排出について、環境省による委託調査が公となった。ここではその基礎資料となった「令和3年度自動車リサイクルにおける2050年カーボン・ニュートラル実現に向けた調査」が入札され、エム・アール・アイリサーチアソシエイツ(三菱総研の子会社)が応札し、その調査結果報告書について以下簡単に触れたい(参考文献)。

この報告書の暫定的な取りまとめとして、適当な図が報告書の57ページにある「GHG排出量の算定結果(暫定値)」である。この試算ではASRリサイクル段階での温室効果ガス発生量が最も大きいとされる。温暖化対策としては、ASRは埋立をするのがより良いと読めるが、それはあまりにも軽率な読み方であろう。興味深いのは、全部利用の方が明らかに温暖化対策には効果的であるということである。

なお、報告書21ページでは、リサイクル部品の取り外しや加工、蛍光灯やCFRPといった処理困難物の処理における温室効果ガスの算定は行われておらず、メーカーが責任を負っているフロン類やエアバッグ類、自動車解体業者の責務である廃油・廃液・使用済みバッテリー類の、取り外しや適正処理・再資源化時の温室効果ガスの発生に集中した分析が行われている。

この報告書では各リサイクル工程における温室効果ガスの発生を吟味しているが、使用済み自動車や解体自動車、ASRの運搬段階の温室効果ガス発生に関する分析がないのも気になる。家電リサイクル法でのリサイクル料金のおおよそ30%が、指定引き取り場所から各リサイクルプラントまでの物流コストであるというのは業界での共通認識である。リサイクルのキモは、いかにしてそのリサイクルすべきモノを確保するのかと同時に、それをいかにして運ぶかなのである。リサイクルの高度化に効率的な静脈物流という視点が最も重要である。

さて、この報告書を基に環境省は2020年9月より「自動車リサイクルのカーボンニュートラル及び3Rの推進・質の向上に向けた検討会」を開始している。

https://www.env.go.jp/recycle/car/page_00015.html 参照。

この検討委員会の資料4.では本検討委員会における論点(案)として、以下の事項が記されている。

1.排出実態調査の調査(排出及び控除の考え方)及びヒアリング方針

2.事前選別品目(バッテリー(鉛、LIB))の排出実態(排出・控除)の把握方針(※)、

LIBも含む部品リユースの検討方策

※ 廃タイヤ及び廃油・廃液については、廃棄物・資源循環分野の脱炭素化の検討において取り扱うこととし、本検討会の検討対象からは除外する。(下線は筆者による。)

※LIBについては、蓄電池サステナビリティ研究会(筆者注。蓄電池サステナビリティ研究会については本コラムにおいて後述する。)におけるカーボンフットプリント算出試行事業の結果も踏まえて検討する。

3.ASR施設の排出実態を踏まえた削減方策の検討

4.温室効果ガス排出量の算定・情報収集の仕組み構築に向けた検討

5.自動車リサイクルに係る3Rの推進・質の向上

・環境配慮設計(DfE)及び再生可能資源の利用方策等の検討

・資源回収インセンティブ

・有害物質・リサイクルに影響を与えうる物質等の対応

 

というわけで、ここでも静脈物流に関する議論が欠けているのが、甚だ不思議かつ問題である。メーカー責任となっている3品目の再資源化(もしくは処理)、環境配慮設計(DfE)及び再生可能資源の利用方策といった、これまで議論してきて大きな成果が見えない部分や、今後廃プラ問題への対策として行われる資源回収インセンティブや、CNに大きく寄与するであろうEVの心臓部であるLIBのリサイクル時の及ぼす温室効果ガスの議論などが行われるらしいが、これまでの政策にお墨付きを与えるものを議論するように思えてならない。

しかし、資源回収インセンティブでは、いかにして各解体業者から取り外した廃プラを効率的に回収するかという静脈物流の確立が成功のキモとなる。よって、ここでの議論はこの新しいASR削減の手法を確立させるかどうかとも大いにかかわってくるだろう。

2022年12月22日岸田総理は第5回GX実行会議を開催し、フクシマの教訓を十分に検証することなく、脱炭素・地球温暖化の切り札として、半ば強引に原子力発電による温暖化問題解決を基本とした政策に舵を切った。GX(グリーントランスフォーメーション)とは、地球温暖化や環境破壊、気候変動などを引き起こす温室効果ガスの排出を削減し、環境改善と共に経済社会システムの改革を行う対策となっているが、要は原子力発電の容認と、化石燃料を使用した場合の排出権取引という新たな国際金融資本管理の下での、金融商品の開発がその目的であろう。

しかし、2022年はロシアがウクライナへ侵略したことにより、西欧のエネルギーはロシアの化石燃料(天然ガス)に大きく依存していたことが明確になった。よって、ドイツやフランスでは石炭火力発電所が復活している。背に腹は代えられないということなのだろう。世界の秩序がコロナとウクライナをはじめ様々な要因で変化している現在、もはや欧米は温暖化問題という視点「だけ」でCNやGXを捉えていない。わかりやすく言えばそれが新しいビジネスを生み、自国の経済を発展させるならば、本格的に取り組むであろうが、そうでなければ他国からの参入障壁をつくる術とでしか使わない。日本はCNやGXに関しては、この1年間で急変した世界の潮流を観ながら、冷静に対応すべきである。ウクライナ戦争だけでも、住民の避難、ミサイルによるインフラ破壊によるガス管やオイルタンクの破壊による温室効果ガスの排出は、平時のそれと比べて計り知れないであろう。戦争が終結しても、再建にまた多くのセメントや鉄鋼が使われ、化石燃料を使わざるを得ない。だからこそ、国力を弱めるような形でCNやGXを日本「だけ」で行ってはならない。大切なのは現在の国際秩序を見極め、どのようにして紛争を抑えるかの努力である。

しかし現実には、この戦争をビジネスチャンスととらえる者が数多い。

「日本からロシアへの中古車輸出が急増している。財務省貿易統計によると10月の中古乗用車の輸出額は前年同月比3.4倍の345億円とウクライナ侵攻前を大きく超えた。トヨタ自動車など車大手の現地での事業停止で新車不足が強まり、円安傾向も後押ししている。政府が対ロシア制裁として輸出を禁じる乗用車は600万円超のみ。大半の中古車は対象外で、車輸出への制裁が骨抜きになっている懸念がある。」

以上、日本経済新聞電子版 2022年12月4日より引用。

ということは、ドイツ車やフランス車等の欧州産の中古車も、ただでさえ新車不足であるこのご時世で、ロシアやウクライナからの爆発的な需要に応えているのではないかということも想定できる。

3.使用済み自動車を獲得するための競争激化

繰り返しになるが、ポーランドFORSのアダム・マヴィスコ氏は、2021年は解体業界にとって良い年であったが、使用済み自動車の仕入れ競争の激化が大きな問題であると指摘していた。さて、日本の2022年はどうであったのだろうか?

日本自動車リサイクル機構(JAERA)が2022年第3四半期(7月から9月)に行った暫定調査(長崎大学木村眞実先生集計・分析)によれば、経営上の課題として深刻なものは、仕入れ価格の上昇(68社・27.5%)、価格競争の激化(63社・25.5% )、売上げの減少(35社・14.2%)が上位であった

https://www.elv.or.jp/media/20/20221026-ktikyotyosa9.pdf 参照。

日本自動車リサイクル機構は、コロナ禍の2020年以降、同機構加盟業者への入庫台数と仕入れ価格についてアンケート調査を行ってきた。図2は、2019年を100とした場合の入庫台数の推移であるが、参考までにJARCによる引取台数での推移を付した。

このグラフから、日本自動車リサイクル機構の会員の取り扱う使用済み自動車台数の減少はこの3年で減少しているが、とくにこの2022年の減少が著しいことは、JARCが管轄する自動車リサイクルマニュフェストにおいても同様の傾向が読み取れることから、業界全体の動きを示していると考えて間違いないだろう。

次に、ブロック別仕入れ価格の増減を見てみよう、残念ながら引き取り価格に関する公的なデータがないので、ここではアンケート調査の結果そのものを転載する(図3)。このデータからも毎年確実に仕入れ価格が上昇しており、とくに関東圏、近畿圏、中国・四国圏はコロナ前の2倍前後までに高騰していることがわかる。

図2 2019年を100とした場合のブロックごとの使用済み自動車引取台数の推移

2019年度の引取台数を100とした場合の引取台数の推移。

資料)日本自動車リサイクル機構アンケート調査およびJARC公開データより作成。

※2022年度のJARC公開データは、11月までの引取台数を2019年度11月までのそれと比較した台数である。

図3  2019年を100とした場合のブロックごとの使用済み自動車仕入価格台数の推移

資料)日本自動車リサイクル機構アンケート調査より引用。

※このアンケートは2022年合同審議会で解体業界の状況に関する基礎資料として作成されたが、実際の合同会議では公表されなかった。

さらに自動車リサイクル機構は、かつて筆者が本ウェブマガジンで指摘した外国人の許可取得解体業者の増加を、全国レベルで実証するために、自動車リサイクル促進センターの持つ外国人と推定される解体業者の割合を推定し、全国平均でも2022年9月3日にはすでに25.7%の解体業者が外国人によって経営されているという推定データを作成している。そして表1から、とくに関東地方の茨木県、千葉県、群馬県の自動車解体業者の半数以上が、そして全国でも4分の1以上が外国人によって経営されていることが推定される。

表1 JARS(自動車リサイクルシステム)公表データによる都道府県別推計外国人経営解体業者数とその都道府県における比率

(※)2022年9月3日時点の事業者の氏名/名称、事業所の名称より外国人が経営している事業所数と推定した数

資料)日本自動車リサイクル機構調査より引用。※このアンケートは2022年合同審議会で解体業界の状況に関する基礎資料として作成されたが、実際の合同会議では公表されなかった。

 

2022年は本格的にムスリム系・中華系をはじめとするバイヤーが、自動車解体の許可を獲得し、中古車輸出のみならず、日本の使用済み自動車を自ら解体し、自分たちのネットワークを使って自ら世界中の中古部品マーケットに、日本発の中古部品を流通させていることが鮮明になった年として認識されるのかもしれない。

 

4.半導体産業の復活なるか 自動車と半導体

2022年8月に、半導体素子、集積回路等の電子部品の研究、開発、設計、製造及び販売、半導体産業を担う人材の育成・開発、さらに環境に配慮した省エネルギーの半導体及び半導体製造技術の研究、開発を目的とした「Rapidus株式会社」が創設された。これは半導体産業において中国(台湾)、韓国に後れを取った日本が、主要企業 8社(トヨタ自動車、デンソー、ソニーグループ、NTT、NEC、ソフトバンク、キオクシア、三菱UFJ銀行)共同出資の下、国策として米国IBMと共同開発パートナーシップを結びながら、その復活を目指したものである。

すでに台湾のTSMCが熊本県菊陽町に進出することが決定し、新工場の建設はこの4月から着工されている。この工場へはソニーグループやデンソーも出資している。台湾はもちろん、自分の技術力を活かそうと海外へ活路を探した日本人半導体専門技術者が、シリコンアイランドを自称する九州・熊本へ移住し、新技術の開発を進めていくことが期待されている。

筆者の所属している熊本大学でも半導体に関する新しい教育組織2024年度、半導体人材を育成する学部相当の「情報基盤融合学環」(仮称)を新設するが、事実上TSMC進出を意識した半導体学部の新設と考えてよい。

自動車に関連してなぜ半導体が注目されるのかは、コロナ禍以降の新車製造のサプライチェーンのネックとして、自動車部品としてもはや必需品である半導体不足と、それに由来する中古車市場の活況があった。そして新たな半導体メーカーの設立と技術者の育成はレベル5の自動運転の実現に向けて、日本の製造業が競争・協力しながら進めていこうというものであると考えられる。

 

5.次世代モビリティリサイクラー制度

2022年はまた、自動車リサイクル法の対象とならない超小型モビリティやセグウェイ等の電動キックボード等の搭乗型移動支援ロボットを対象とした回収・リサイクルシステムの構築が自動車再資源化協力機構を中心に議論されはじめた年として記憶されるだろう。ここで自動車再資源化協力機構が中心になっているのは、これらの移動手段がEV同様にリチウムイオンバッテリーを主動力としているからであり、その安全かつ効率的な資源回収を目指したものと想定される。

日本自動車リサイクル機構が、自動車再資源化協力機構から、2023年に稼働予定のこの次世代モビリティリサイクル制度の下で、これらの小型移動手段を廃掃法の広域認定を受け、解体・適正処理を担う自動車解体業者を9月1日から募集したところ、表2のように全国で44事業者・52事業所が手を挙げた。

表2 2022年9月 自動車リサイクル機構窓口一次募集において「次世代モビリティリサイクラー制度」による認定解体事業者に応募・受理された解体業者の分布

資料)日本自動車リサイクル機構

※2023年2月に二次募集が行われる予定。

 

なお、主な認定条件としては

・自動車リサイクル機構が進めている自動車リサイクル士資格(有効期限内)を有する従業員・役員が在籍する事業所。

・電動車整備特別講習(低圧電気特別教育)の修了証を有する従業員・役員が在籍する事業者

・自動車再資源化協力機構のエアバッグ類作動契約を有し、且つ、相当量の作動実績を持つ事業者。

・自動車再資源化協力機構のリチウムイオンバッテリー(LIB)引取依頼システムに事業所登録を行っている事業者

・自動車リサイクル法、廃棄物処理法の法令違反等の欠格要件に該当しない事業者等

であるとしている。

 

ここでの関心は、果たして次世代モビリティ搭載のリチウムイオン電池が、このシステムで自動車メーカー等に循環されるシステムが構築できるかにある。現時点ではリチウムイオンバッテリー自体が有価で取引されているケースが殆どだと推定されるので、それが取り外されてからこれら認定事業所に引き取られる可能性も否めない。

 

6.蓄電池のサステナビリティに関する研究会

2022年1月経済産業省は、「蓄電池のサステナビリティに関する研究会」をスタートさせた。経産省によれば本委員会の趣旨は以下のとおりである。「蓄電池は、自動車の電動化や再生可能エネルギーの普及に必要となる調整力のカーボンフリー化等のグリーン化や、デジタル化の進展の要となる「新たなエネルギー基盤」である。他方、その需要が今後急激に拡大していくことから、環境問題や社会問題への対応など、サステナビリティの向上に向けた取組が求められている。 このため、本研究会を開催し、サステナブルな蓄電池サプライチェーンを構築にむけて、検討をおこなう。」

研究会は2022年に3回行われており、会議の内容は基本的にYouTubeでも公開されている。とくに車載用LIBを含めた「蓄電池のカーボンフットプリント算出」に関する内外のデータが検討された。

自動車リサイクルという観点では、2022年11月に開催された年に1度の産業構造審議下記・中央環境審議会の自動車リサイクル合同会議で配布された資料4の18 ページにも掲載された図を紹介する。とくに目新しいものではないが、車載用LIBは基本的に性能が高いものであり、使用済み自動車に搭載されていた場合、車載用のみならずほかの蓄電池用途にリユースできるポテンシャルが高く、実際そのような形でのビジネスが行われている模様だからである。

図3 経産省等がLIBリユース・リサイクルを意図して上がいた自動車リユース・リサイクルのさらなる調査の必要性

https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/sangyo_gijutsu/haikibutsu_recycle/jidosha_wg/pdf/057_04_00.pdf

18ページの図4から引用。

謝辞)本稿の執筆には2022年12月5日東京都内で開催された自動車補修部品研究会での報告、ディスカッションからたくさんの示唆をいただいた。なお、本稿に記した見解はあくまでも筆者個人のものであり、関係者とは関係がないことを改めて記す。

参考文献

エム・アール・アイリサーチアソシエイツ サステナビリティ事業部「令和3年度自動車リサイクルにおける2050年カーボン・ニュートラル実現に向けた調査検討業務報告書」

https://www.env.go.jp/content/000046063.pdf

2022年12月23日熊本市にて閲覧。

AD
 data-src=有償運送許可研修を毎月開催" width="650" height="178" >

有償運送許可研修を毎月開催

せいび広報社では毎月、事故車故障車等の排除業務に係る有償運送許可の研修会を実施しています。会員限定ではなく、全国どの地域からも、法人・個人事業主でもどなたでもご参加いただけます。研修の受講者は、会社の代表者・経営者に限らず、従業員の方でしたらどなたでも、会社を代表して受講していただくことが可能です。

CTR IMG