相続税

相続税について店舗併用二世帯住宅

自動車整備工場の税務質問箱

Q、相続税について・・・店舗併用二世帯住宅

父の自動車整備工場を事業承継し、相続税対策のために、工場の二階に、二世帯住宅を建てようと考えています。相続税の減額措置の適用を受けることは可能でしょうか?

A、

質問の状況では、事業部分と居住用部分共に、減額措置の適用を受けることが可能です。相続税の計算においては、土地の課税価格を80%減とする小規模宅地等の特例という特例があります。
この特例には、亡くなられた方又はその方と生活を共にしてきた親族が事業に供している建物の敷地、居住用家屋の敷地が対象とされています。敷地の評価については、家屋の全面積の中で居住用に使っていた部分の面積、共通に使用していた部分の比率を算出し、敷地についてもこの比率で按分します。

1つの敷地のうちで店舗と住宅とがはっきり分けて建てられていて、それぞれの敷地がはっきりと区別できるようになっていれば、敷地については実際に使われている敷地の面積の比率によって評価します。評価減には、限度面積・評価減割合が、表1のように定められています。

平成26 年1月1 日以後に発生する相続については、親子が二世帯住宅の各独立部分に居住していたとしても、親と子が居住している部分に対応する土地について、いずれも特例の対象になることが明確になりました。

注意点としては、区分所有建物以外である場合には、被相続人およびその親族の居住の用に供されていた部分に対応する土地が特定居住用宅地等の対象となりますが、区分所有建物である場合には、被相続人の居住の用に供されていた部分に対応する土地のみが対象になるとされていますので、ご注意下さい。

表1

相続開始直前における宅地等の利用区分要 件限度面積減額割合
被相続人等の事業の用に供されていた宅地等貸付事業以外の事業用の宅地等① 特定事業用宅地等に該当する宅地等400㎡80%
貸付事業用の宅地等法人に貸付、の法人の事業(貸付事業を除く)用の宅地等② 特定同族会社事業用宅地等に該当する宅地等400㎡80%
③ 貸付事業用宅地等に該当する宅地等200㎡50%
法人に貸付、その法人の貸付事業用の宅地等④ 貸付事業用宅地等に該当する宅地等200㎡50%
被相続人等の貸付事業用の宅地等⑤ 貸付事業用宅地等に該当する宅地等200㎡50%
被相続人等の居住の用に供されていた宅地等⑥ 特定居住用宅地等に該当する宅地等200㎡80%

笹川朝子 : 税理士として万全の知識を有し、論理的でありながら、 明快な説明で、経営者から絶大な信頼を得ている。税務から経営に亘る、トータルサービスが好評。未来の会計を見据え、資金にこだわる税理士を目指す。趣味はマラソン。

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