第95回 イヤサカ モデル工場見学・研修会

トータルカーライフサポートで

生涯顧客の創造が出来る工場へ

去る4 月12・13 日の2 日間、(株)イヤサカ(斎藤智義社長)主催のモデル工場見学・研修会が中国地区で開催された。2 日で合計5 軒のサービスショップを見学すると共に、初日の冒頭には(株)速太郎本部の高木芳郎社長、また最後には2 日目の見学先でもある(株)エコピットの依田靖生社長による特別講演も行われた。

ディーラーサービスショップ様と優良専業工場様のご支援、ご協力、そして勤勉なるご参加者様のおかげをもちまして、この度も本工場見学・研修会を開催できることを深く感謝いたしております。自動車業界は三菱自動車が日産の傘下に入り、トヨタがダイハツを完全子会社化、スバル、マツダも一部業務提携、世界トップクラスの自動車安全装置メーカーの大規模リコールが経営を圧迫し倒産。カーメーカーによる無資格者検査など「モノ作り大国・日本」の信頼を揺るがす不祥事が相次ぎました。

また、ディーラーは各社とも併売車が主流となり、保有ビジネスに磨きをかけ、ユーザーの囲い込みに拍車を掛けています。合わせて新車以外の経費カバー率向上の重要性を認識しサービス体制の構築に一段と力が注がれています。

このような時代を分析して新たな明日を築くために必要なものは何か、そのヒントが得られることを期して、この見学・研修会でディーラーサービスショップ様と優良専業工場様をご案内させていただく機会にいたしました。

今回は4月、春陽の広島県・岡山県地域ディーラーサービスショップ様と優良専業工場様をご案内致します。整備・ボディの地域有数の創意工夫をされているディーラーサービスショップ様と優良専業工場様を巡り、厳しい時代背景の中でお客様から支持されるための施策・工夫などを学んでいただきたいと思います。

 

整備業からおもてなし業への変革

株式会社エコピット 代表取締役 依田 靖生 氏

私とエコピットとの出会いは4 年半前、その当時のエコピットは悪い会社の見本でした。ゴミだらけで、挨拶もできませんし、売上も年々落ちており、このまま何もしなければ、潰れていくだろうという状態でした。

そこで、まず古いリフトや机、椅子も新しくしたり、待遇面も変えました。会社が動き出すんだよ、変わるんだよと意識づけるために、まずハード面の改革を行いました。

次にソフト面の改革です。まずは現状を把握してもらって、何が悪いのかを認識してもらう。その悪い理由を、社員が全く分からなかったのです。そこで私は、「ここにわざわざ来てくださるお客さまに対して、あなたたちが感謝の気持ちを表現していないから、お客さまは減っていっているんだよ」と意識改革を行いました。

そして「徹底的に商いとしての基本を繰り返すべく、まず片付けよう、そしてわざわざ来てくださったお客さまに感謝の気持ちを表現しよう、わざわざ来てくださったお客さまに対して、心からの笑顔で接しよう、心からの挨拶をしよう、そして徹底的な清掃をしよう。これを今日からやっていこう。必ず良い会社にするから、ついてこい」と言って、徹底的にやりました。

整備業ではなく接客業、おもてなし業として歩んでいく。目標は高く、日本一のおもてなしの会社になろう、と呼びかけたのです。
会社の憲法である経営理念も「お客さまを幸せにすることを仕事する」に経営理念を変えました。今でも朝礼で唱和しています。

見学先①

スズキ自販広島 スズキアリーナ西風新都

「スズキサービススタンダード」を基本に近年、自動車ディーラーが数多く出店している西風新都地区(約20年前から開発された広島市のベッドタウン)へ地球環境年計画に適したデザインを採用し、建築された。部品センター・スズキ二輪も同敷地内に構えるのが目を引く。
広大な敷地を活かし、整備スペースは整備用7ストール+検査ラインと、かなりの処理能力を誇る。しかも、7ストールのうち1つはエイミング専用として各種機器を完備するなど、最新店舗だけに将来性も見据えた造りになっているのが特長だ。ショールーム内も同様で、もはやディーラー標準とも言うべき、ナンバー認証システムを備えている。

 

見学先②

福山自動車検査場 車検の速太郎福山店

創業18年、社員29名で運営する整備専業者である。18年間の車検累計台数は12万台を超える実績で、年間車検台数も毎年増加するなど、車検の速太郎全国2位の成績を残している。「すべてはお客さまの笑顔のために」を基本に、車検リピーター率は広島県№1!ショールームは3月にリニューアルしたばかり。
同敷地内にマクドナルドの店舗(経営者は同じ)を構えており、待ち時間もうま
く連動できる。店舗入口には常にコンシェルジュがスタンバイしており、初めての
お客さまでも安心だ。 ※取材当日は休業日

リニューアル後、広大なショールームを活かして展示車両も増やし、車検と連動させた新車販売にも力を入れている。

 

見学先③

株式会社エコピット

車検、新車・中古車販売、損保指定の鈑金工場、ガソリンスタンドを敷地内に完備し、「クルマのことなら何でも取り扱っているトータルカーサポートカンパニー」として経営している。
昨年、本社屋をリニューアルし、立会い車検「クリアー25」の立会い検査ラインを併設した。スタッフ全員が「お客さまを幸せにすること」を常に考え、満面の笑顔でお出迎えをしている。
それもそのはず、SS併設ではあるものの、何かのついでに寄るというロケーシ
ョンの店舗ではないため、来店されるお客さまはわざわざお越しになるのだとい
うことを常に意識しており、「クリアー25」の導入もそこが原点なのである。

 

見学先④

岡山日野自動車 早島メンテナンスセンター

日野グループの中・小型車整備に特化した拠点として、平成29年10月に竣工した。昨今の中・小型トラックの需要増加により、今後ますますの入庫の増加が見込まれる中、近隣拠点である岡山西支店及び倉敷支店の内製化工場として計画・建築されたセンターである。
働く人がいかに安全にかつ快適に働けるかを徹底的に追求した造りになっており、クルマが敷地内を移動する際は右回りで統一して事故防止に配慮。他にも、ピットの上下動の際の足挟まり防止のため、二重、三重の機構的ロックがかかっている徹底ぶりだ。また、大型の洗濯機を2台設置して、ツナギのクリーニングも社内で完結するため待ち時間もない。

見学先⑤

岡山トヨペット CR岡山

岡山空港流通団地内の広大な土地に建築された岡山トヨペットグループのBP内製化工場。新車整備も併設されており、新車プールの役割も果たしている。
岡山県のBP工場の中では他に先駆けて、設計当初から水性塗料タクトの考えを採り入れ、作業動線、人員配置、水性塗料対応危機の選定等、こだわり抜いて建築されている。
塗装ブースは4基中3基が水性対応となっている。BP以外の、新車の納車設備や中古車の一次・二次加修含めて、月間処理台数は300 ~ 360台。設備もさることながら、トヨタ自動車の技能コンクールで前回大会3位を飾るなど、技術力も折り紙付きである。

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