感 動 夢 工 場 第17回定時総会 第38回 研究会

お客さまの要望にマッチした様々なメニューを用意し、納得いただけるメンテナンスを通じてお客さまに感動を与える整備工場を目指す感動夢工場(髙間専逸会長)は、去る3月14日・15日に、第17回定時総会ならびに第38回研究会を開催した。初日は、株式会社バンザイの長谷川忍氏を講師に招いて講演を行い、2日目は14日より開催された第16回国際オートアフターマーケットEXPO2018を見学した。

髙間専逸会長挨拶

「昨今、AIですとか、ICTといった話が出るなど、これからクルマがどうなっていくのか? 電気自動車の時代になると、テスラ、ダイソンに続くところが次々出てくるという話もあります。
自動運転車、ぶつからないクルマといったものが普及すると保険がいらなくなります。ですから保険会社でもトップと言われている所は、その辺りも考えていると先日も講演で聴きました。
私たちの業界でも鈑金などもどうなってくるのか? という気がします。そもそも鈑金自体も鉄から素材が変わってきています。
先ほどの講演の中で、最後に講師の方は、『未来は想像よりも早く来ますよ』ということを言われていました。それが明日のことではないにしろ、やはりそういったことも頭に入れて、自分たちの企業がどうあるべきかと方向づけをしっかりしないといけないのも事実だと思います。」

イノベーションセミナー
これからの車両整備

セミナーに先駆けて、長谷川氏はいわゆるOBD車検の検討会について言及した。
長谷川 「国土交通省が『車載式故障診断装置を活用した自動車検査手法のあり方検討会』というものを開いて議論しています。自動運転車が出てくる中で、整備不良に起因したと思われる事故の事例報告がなされており、この辺りを国土交通省も非常に危惧しておりまして、そろそろ何かレギュレーションを設けないといけないのではないかということで、車検にスキャンツール等を使って、重大な事故に繋がるような故障コードが出ている場合には、しかるべき整備をしていなければ合格できないようにしようというものです。この中で、特定DTCという言葉が定義づけされています。DTCというのは故障コードのことです。特定の故障コードということで、保安基準を満たさなくなる不具合に関係する故障コードを指します。
『使用時に発生している不具合のうち、OBDにより検出可能かつ保安基準に定める性能を満たさなくなるものを車検時に確認した場合には必要な整備を求める』ということが考えられています。
対象候補となる装置はどんなものがあるかと言いますと、排ガスに関するものは全部対象にしようという考えのようです。それから運転支援装置というものが今のクルマには搭載されてきています。もちろん、2020年以降のクルマにも搭載される予定ですから、そういったものを定めていきましょうというのが国土交通省の基本的な考え方です。ではいつから実施されるのか? どんなクルマが対象になるのか? ということですが、国が考えているのは2021年以降に出る新型車両です。ですから市場に走っているものすべてを検査しなさいという内容ではないということです。結構前から、『車検にスキャンツールを使う時代が来ますよ』とお伝えしてきたのですけれども、より具体的に国土交通省がこんなことを考え始めているのだということをお伝えしたかったのです」

本題となるイノベーションセミナーでは、ASV(先進安全自動車)において避けては通れない作業であるエイミング作業の重要性及びASVの機能について解説した。

ASVとは?

各メーカーで呼称は異なるものの、ASV=高度道路交通システムの一部で、様々な先端技術を用いて車両そのものが運転を支援する車両、の主な機能、衝突警報機能や衝突軽減ブレーキなどを紹介。
センサー、カメラは調整が必要こうした機能を下支えする様々なセンサーやカメラの特徴にも触れ、これらセンサーやカメラの交換及びこれらが付いている部位を交換・脱着した場合には、各メーカーとも必ずエイミング調整や再設定が必要と定めており、その際にはメーカーの整備マニュアルに則って正確に行うことが重要であることを強調した。

エイミングとは?

そもそもエイミングとは、スポーツやゲームの世界では、「当てたい時に当てたい場所に当てる能力」のことを言い、自動車整備におけるエイミングは、センサーやカメラの調整作業を総称して用いられている。調整作業の際に、ターゲットやセンサーやカメラの向きを調整(当てる)ことに由来している。
エイミングに必要な機材・環境たいていの作業は車両の中心線を引き、車両から指示された距離や位置に校正用のターゲットを置いて行う。この中心線をきっちり引くことが重要で、機材もスキャンツールのみならずターゲット含めて様々な機材が必要で、そもそも作業環境として、車種によっても異なるものの概ね車両含めて12m×5m以上の水平かつ外光の影響を受けないスペースが必要になることも改めて確認した。

最後に長谷川氏は、「エイミング作業は、日常の整備作業の延長線上にあります。作業スペースやターゲットなどの調達など課題は多くありますが、自社でどこまで対応していくか? を決めることが、これから必要となります。また、ディーラー以外でも未だ取り組みが少ないことから、ビジネスチャンスでもあります」と総括した。

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