今さら聞けないO2 センサーの話VOL.3

自動車整備故障診断整備のススメ

せいび界2014年5 月号

今さら聞けないO2 センサーの話VOL.3

今回も、読者からの反響の大きかった「今さら聞けないO₂センサーの話」の第3 回目である。第1 回第2 回とO₂センサーについて紹介してきたが、どちらも2 ステップ型のO₂センサーについての話が主なものだった。
そこで、今回は最近のクルマに搭載されている「全領域型O₂センサー」、または「A/F センサー」といわれるO₂センサーについて紹介していく。

進化するO₂センサー「全領域型O₂センサー」

ここ数年のクルマの進化は凄まじく、自動ブレーキや自動運転など様々な新技術が開発され、またそうした新技術を搭載した新型車が数多く誕生している。
さらに、一般ユーザーは走行性能だけでなく、環境保全という言葉にも敏感であるため、環境にも配慮したクルマを求めるようになってきている。

そのため、メーカーも環境に優しいクルマを開発している。排気ガスについての様々な規制があることも理由の一つだが、特に最近のクルマは排気ガスの浄化率が高くなってきている。
この排気ガスの浄化率の向上には、触媒の性能が進化していることが理由の1 つとしてある。昔に比べて、触媒のHC やCO などの酸化還元能力が向上したため、排気ガス中に含まれるHC やCO の数値はほとんどゼロに近い。新車で購入して、1 万から2 万キロ走行していても、数値はゼロになる程だ。

しかし、このように排気ガス中のHCやCO の数値をゼロにするためには、いくつか条件がある。

その一つが、ガソリンと空気の比率を理論空燃比14.7:1 の状態にすることである。HC などの数値をゼロにするために一番効率の良い割合が上記の14.7:1 であり、この時に重要になるのがO₂センサーだ。O₂センサーが残留酸素濃度を計測し、燃料が薄ければ、ECU にもっとガソリンの量を増やすように信号を送り、反対に燃料が濃ければ、ガソリンの量を減らすように信号を送る。

O₂センサーは、このように理論空燃比14.7:1 になるように調整して排気ガスの浄化に貢献している。そして、このO₂センサーもクルマ自体の進化に比例して進化しているのである。

それが「全領域型O₂センサー」、または「A/F センサー」といわれるものである。全領域型O₂センサーは、0.1秒ごとに残留酸素濃度を検知し、その都度、ECU にデータをフィードバックする。そして、その情報を元に、さらに細かく燃料噴射を調節し、常に理論空燃比に近づけていくのである。コンピュータ技術が進歩したことにより、O₂センサーの精確性がさらに向上した結果、0.1 秒毎の計測が可能になったということだ。

過酷な環境に置かれているO₂センサー

ここで一旦、話を触媒に戻す。以前、O₂センサーの例でも紹介したのと同様に、触媒もある程度高温状態(300℃)にならないと、適切な働きをしない性質がある。そのため、より早く高温状態にするべく、設置箇所がよりエンジンに近い位置へと移ってきているのである。ということは、触媒の上流と下流にあるO₂センサーの位置も同じようにエンジンに近づくことになる。特に、上流に位置するO₂センサーは、下流のセンサーよりエンジンに近くづくことになるので、取り巻く環境はかなり過酷になっていると言っても過言ではない。

O₂センサーに対する負担が増えれば、当然故障やトラブルが増加するのも道理である。だからこそ、O₂センサーをしっかりとケアしていく必要が出てくるのだ。

全領域型O₂センサーの故障診断

2 ステップ型O₂センサーの故障を判別する方法として、グラフを見て、波形分析することを以前、紹介した。
0.1V から1.0V までの間の「濃い・薄い」を10 秒間に5 回、行ったり来1たりしている。この間、きちんと綺麗な波が出来ていれば、O₂センサーは正常に動いており、問題はないというものだった。

しかし、この方法は全領域型O₂センサーには適用出来ない。なぜなら、全領域型O₂センサーは、0.1 秒ごとに残留酸素濃度を計測しているため、定型の波形にはならないからである。
では、全領域型O₂センサーの場合、何処を見ていくべきかというと、基本的にはまず作動しているか否か、波形を見ることで確認していく。例えばトヨタ車であれば、O₂センサーの出力が3.3V を中心に0.1V 単位で動いているかどうかを確認する。この3.3V は理論空燃比のコントロールを意味している。

次に混合気補正を確認する。通常、エンジンに何も問題がない場合は、補正がかかることはないので、0% と表示されていれば、当然問題はない。また±10% 未満であれば、走行状態や環境の変化によるものなので、おかしな所はないと判断出来る。これが±20% から±25% の補正となると、何かしらの問題を抱えている可能性高くなる。さらに±30% から±35% となるとチェックランプが点灯する。ECUなどで補正出来る限界を超えたということである。

この時、極端な補正がかかっていることから、何かしらの問題が起こっていることが確実となるので、問題を起こしている箇所を確認していかなければならない。

上記の通り、O₂センサーがECU に信号を送り補正することで、ドライバーが安心して走行出来るように、最近のECU は非常に賢い。実は、ECU はO₂センサーについて短期と長期の両方の視点で監視しているのである。
短期とは今この瞬間の走行状態のことで、何かしら問題が発生すれば、補正をかけて問題なく走れるようにする。

もう一方の長期とはエンジンをかけた瞬間から今までの走行状態のことで、車両の経年劣化について監視しているのである。
また、触媒の上流と下流に位置するO₂センサーはそれぞれ役割が異なるのは、以前にも紹介した通りで、上流のO₂センサーはエンジンの残留酸素濃度を監視し、下流のO₂センサーは触の劣化状態を監視している。そのた上流には全領域型O₂センサーが使れるのだが、触媒を監視する下流O₂センサーは、触媒による浄化後れだけ酸素が残っているかを検知だけなので、2 ステップ型O₂センサが取り付けられていることが多い。り、上流と下流、どちらも同じもの思っていると、思わぬトラブルを引こす可能性があるので要注意だ。

誤解を避けるため、全領域型かテップ型かを簡単に判別する方法がる。O₂センサーの配線が2 ~ 4 本ら2 ステップ型、5 本以上なら全領型のO₂センサーである。全領域型センサーの方が、配線の数が多いは、それだけ検知する回数やデーやり取りが多いということだ。O₂サーを点検する時の参考になれば幸である。

今回、紹介したようにO₂センサー進化している。技術は常に進化し続るので、乗り遅れないように知識をえる必要がある。こういった情報っかり把握し、またスキャンツール上手く活用し、ユーザーに安心と安を提供出来るような頼られる整備工になろう。

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