2020年2月資源マーケット

鉄スクラップ

 鉄スクラップの2月市場は、中旬まで下落局面が続く状況となったが、下旬には、海外高を受けて、輸出市況は上昇の動きが見られた。

 東京製鉄では、2月3日より全工場で炉前価格をトン当たり500円の値下げ(田原、九州の新断は1,000円下げ)、田原工場は海上・陸上特級とも2万3,000円、岡山工場は海上・陸上特級とも2万1,500円、九州工場は海上・陸上特級とも2万3,000円、宇都宮工場は陸上特級2万3,000円、高松鉄鋼センターは海上・陸上特級とも2万500円となった。

 その後、2月5日からは、全工場で炉前価格の500~1,000円の値下げとなり、田原工場は500円下げて海上・陸上特級とも2万2,500円、岡山工場は500円下げて海上・陸上特級とも2万1,000円、九州工場は1,000円下げて海上・陸上特級とも2万2,000円、宇都宮工場は1,000円下げて陸上特級2万2,000円、高松鉄鋼センターは500円下げて海上・陸上特級とも2万円としている。

 さらに2月8日からは、全工場で1,000円値下げとなり、田原工場は海上・陸上特級とも2万1,500円、岡山工場は海上・陸上特級とも2万円、九州工場は海上・陸上特級とも2万1,000円、宇都宮工場は陸上特級2万1,000円、高松鉄鋼センターは海上・陸上特級とも1万9,000円としている。

 その後も、2月13日から、全工場で1,000円値下げとなり、田原工場は海上・陸上特級とも2万500円、岡山工場は海上・陸上特級とも1万9,000円、九州工場は海上・陸上特級とも2万円、宇都宮工場は陸上特級2万円、高松鉄鋼センターは海上・陸上特級とも1万8,000円としている。

 2月28日からは、九州工場が、500円値下げ(ダライ粉類は1,000円下げ)で海上・陸上特級とも1万9,500円としている。

アジア向けの鉄スクラップ輸出船積みルートについてみると、関東鉄源協同組合の2月12日の輸出テンダーでは、落札価格は前月比3,916円値下がりの2万2,751円となっている。

 米国スクラップのトルコ向け輸出市況は、CFR250ドル台まで下落局面が続いたが、その後は上昇に転じ、CFR282ドルに達した。こうした海外高から日本の鉄スクラップ輸出船市況についても、反騰局面が続いてきている。

 

粗鋼生産

 1月の全国の粗鋼生産は824万4,300トンで前年同月比1.3%増加となり、前年同月比では7ヵ月ぶりの増加となっている。粗鋼生産を炉別にみると、転炉鋼は647万2,900トンで前年同月比5.6%増加となり6ヵ月ぶりの増加、電炉鋼は177万1,300トンで同比12.0%減少となり11ヵ月連続の減少となった。

 電炉の主力製品である小形棒鋼の生産は57万2,800トンで前年同月比15.2%減少、H形鋼は27万2,300トンで同比15.4%増加となった。

 1月の世界の粗鋼生産はン1億5,443万6,000トンで前年同月比2.1%増加となり、中国は8,426万9,000トンで同比7.2%増加、アメリカは770万7,000トンで同比2.5%増加、韓国は575万3,000トンで 同比8.0%減少、トルコは301万4,000トンで同比17.3%増加などとなっている。

 

非鉄金属

 非鉄金属については、2月の銅地金価格は、中旬までは上昇したが、後半は下落局面が続いた。2月3日からは3万円下げて64万円としたが、2月6日からは3万円上げて67万円とした。

 さらに2月18日には1万円上げて68万円とした。その後、6月25日に1万円下げて67万円とした。月替わりの3月2日には3万円下げて64万円とした。新型コロナウイルス感染に伴う世界経済の停滞懸念が弱気材料となってきている。

1.価格動向

※鉄スクラップ 2019年3月ピーク 2019年9月 2019年10月ボトム
東京製鉄 35,000円 (3/6) 23,500円 (9/14) 22,500円 (10/9)
関鉄源輸出 34,010円 (3/12) 24,849円 (9/11) 22,293円 (10/9)
  2019年11月 2019年12月 2020年1月
東京製鉄 24,000円 (11/27) 25,000円 (12/12) 23,500円 (1/31)
関鉄源輸出 24,307円 (11/12) 25,804円 (12/11) 26,667円 (1/10)
※銅 2019年3月ピーク 2019年9月 2019年10月ボトム
LME銅 6,328ドル (3/26) 5,757ドル (9/27) 5,773ドル (10/24)
国内銅 74万円 (3/26) 66万円 (9/27) 68万円 (10/24)
  2019年11月 2019年12月 2020年1月
LME銅 5,856ドル (11/27) 6,155.5ドル (12/17) 5,779ドル (1/28)
国内銅 69万円 (11/27) 72万円 (12/18) 67万円 (1/28)

2.鉄鋼

※鉄鋼 2019年12月 前年比
粗鋼生産計 778万3,600トン 8.0%減
転炉鋼 593万6,400トン 5.6%減
電炉鋼 184万7,200トン 15.1%減
小形棒鋼 62万6,200トン 11.1%減
H形棒鋼 26万5,000トン 17.6%減
12月新設住宅着工戸数 7万2,174戸  7.9%減
粗鋼世界計 1億5,212万1,000トン 4.0%増
中 国 8,426万5,000トン 11.6%増
インド 928万1,000トン 0.8%減
韓 国 587万6,000トン 4.7%減
台 湾 174万トン 14.6%減
ベトナム 153万1,000トン 18.4%増
トルコ 289万3,000トン 0.2%増
アメリカ 745万7,000トン 0.3%減

3.電炉製品

  東京製鉄(1/20)
異形棒鋼(D13~25) 62,000円 (前月比 横ばい)
 H形鋼(中巾) 83,000~93,000円 (前月比 横ばい)

 

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