資源マーケット情報 2024年2月

鉄スクラップ

鉄スクラップの2月市場は、中旬については、流通量の減少、活発な輸出動向などから需給がタイト化したことを受けて関東圏では炉前価格は上昇が見られた。しかしながら、海外市場での鉄スクラップ需要は低調な状況となっていた。月末は様子見横ばいムードとなっている。為替相場の円安ドル高基調は、輸出市況を支える材料となっている。

東京製鉄は、2月15日から、関東地区の宇都宮工場において炉前購入価格をトン当たり2000円引き上げ、陸上特級5万3000円とした。月替わり3月1日からは、高松鉄鋼センターにおいて2000円の値上げを行い陸上特級5万2000円としている。

アジア向けの鉄スクラップ輸出船積みルートについてみると、関東鉄源協同組合の2月9日の輸出テンダーにおいて、落札平均価格はトン当たり5万3087円で前月比6円の値上がりとなった。これに対して、東京製鉄は、即日での価格対応は見送ったものの、2月15日から、宇都宮工場で炉前購入価格の2000円値上げとなった。

海外市場においては、指標となるトルコ向けの輸出市況は、1月末にはCFR424ドルまで上昇していたが、2月下旬には410ドルまで下落している。400ドル割れの見方も出ている。

粗鋼生産

1月の全国の粗鋼生産は726万5600トンで前年同月比0・6%増加となり、前年同月比では2ヵ月連続の増加となった。粗鋼生産を炉別にみると、転炉鋼は542万7100トンで前年同月比0・1%減少となり2ヵ月ぶりの減少、電炉鋼は183万8600トンで同比2・7%増加となり3ヵ月連続の増加となっている。

非鉄金属

非鉄金属についてみると、2月の銅地金価格は、2月前半については下落局面が続く状況となったが、2月後半は上昇局面となり、130万円の大台を回復した。2月6日からは2万円下げて128万円、2月9日から2万円下げて126万円とした。その後、2月15日より1万円上げて127万円、2月19日より4万円上げて131万円、2月22日より1万円上げて132万円とした。月替わり3月1日からは1万円下げて131万円となった。米国の金融政策、中国の景気対策の動向が、引き続き注目されてきている。

[再生資源市場]

※鉄スクラップ 2023年9月 2023/10月 2023年11月
東京製鉄 50,000円 (9/2) 50,000円 (9/13) 50,500円 (11/1)
関鉄源輸出 51,316円 (9/12) 50,236円 (10/12) 50,238円 (11/9)
※銅
LME銅 8107ドル (9/26) 7,900.5ドル (10/27) 8,281ドル (11/27)
国内銅 126万円 (9/26) 125万円 (10/25) 130万円 (11/27)
※鉄スクラップ 2023年12月 2024年1月 2024年2月
東京製鉄 51,000円 (12/9) 51,000円 (1/26) 53,000円 (2/15)
関鉄源輸出 51,020円 (12/8) 53,081円 (1/26) 53,087円 (2/9)
※銅
LME銅 8,439ドル (12/20) 8,421ドル (1/29) 8,472 ドル (2/22)
国内銅 128万円 (12/20) 130万円 (1/29) 132万円 (2/22)

[鉄鋼]

2024年1月
粗鋼生産計 726万5,600 トン (前年比 0.6%増 )
転炉鋼 542万7,100 トン (前年比 0.1%減 )
電炉鋼 183万8,600 トン (前年比 2.7%増 )
小形棒鋼 56万1,600 トン (前年比 3.2%増 )
H形棒鋼 26万9,100 トン (前年比 4.2%減 )
1月新設住宅着工戸数 5万8,849 戸 (前年比 7.5%減 )
2024年1月
粗鋼世界計 1億4,810 万トン (前年比 1.6%減  )
中 国 7,720 万トン (前年比 6.9%減   )
インド 1,250 万トン (前年比 7.3%増   )
アメリカ 680万トン (前年比 0.3%減  )
韓 国 570万トン (前年比 1.5%増  )
ロシア 620万トン (前年比 1.2%増  )
トルコ 320万トン (前年比 24.7%増  )

[電炉製品]

東京製鉄(2/19)
異形棒鋼(D13~25) 98,000円 (前月比 横ばい)
 H形鋼(中幅) 127,000~142,000円 (前月比 横ばい)
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