交際費の計上について&前払い家賃は全額損金?

自動車整備士・整備工場経営の税務質問箱

せいび界2012年11月号掲載

交際費の計上について

Q1:当社では得意先との懇親会を主催し、一人当たりの飲食費4,000円と、懇親会場までの一人 当たりタクシー代800円を負担しました。両方併せても5,000円以下となりますので、全額を交 際費等から除外してよろしいでしようか。

また、当社の役員が仕入先の主催する懇親会で接待を受け、その際当社から懇親会場までと、帰 りのタクシー代を当社で負担しましたが、これについては交際費等となりますか。

A1.

貴社が主催する懇親会で得意先を接待した場合、1人当たり4,000円の飲食費は交際費等の 範囲から除外できますが、送迎のタクシー代については、交際費等の範囲から除外できる飲食費等 に該当せず、交際費等になります。

また、他社が主催する懇親会に貴社の役員を出席させる際のタクシー代は、業務遂行上の経費で あり、交際費等には該当しません。

そもそも、交際費等とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人がその得意先、仕入先 その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために 支出するものとされています。

したがって、貴社が類退親会を主催する場合において、得意先を会場まで案内するために支出する タクシー代は、得意先に対して貴社が行う接待のために支出するものですから、交際費等に該当す

ることとなります。

一方、「飲食その他これに類する行為のために要する費用として支出する金額(以下飲食費等と いう)」で、5,000円以下のものは、交際費等の範囲から除外されますが、得意先等との飲食等を 行う飲食店等へ送迎するためにタクシー代を負担した場合は、本来、接待・供応に当たる飲食等を 目的とした送迎という行為のために要する費用として支出したものであり、通常、飲食等のために 飲食店等に対して直接支払うものでもありませんので、そのタクシー代は飲食費等には含まれず、 交際費等に該当することになります。

したがって、ご質問の場合、懇親会の飲食費1人当たり4,000円については、5,000円以下の 飲食費等に該当し、交際費等の範囲から除外されますが、タクシー代1人当たり800円については、全額が交際費等に該当します。

また、他社が主催する懇親会に貴社の従業員又は役員を出席させるために要するタクシー代 (貴 社ー梨親会場、懇親会場ー自宅) は、会社の業務遂行上の経費であり、「接待、供応、慰安、贈答 その他これらに類する行為のために支出するもの」ではありませんから、交際費等には該当せず、 全額損金として処理することができます。

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