一般社団法人日本自動車販売協会連合会(自販連)が2026年6月4日に発表した燃料別登録台数統計によると、2026年5月の電気自動車(EV)の新車登録は8,957台となり、前年同月比314.5%と3倍を超える伸びを示した。乗用車登録全体に占める構成比は4.8%で、前年同月(1.6%)から3.2ポイント上昇している。登録車ベースでは、EVがようやく新車市場の一角として無視できない規模に育ちつつある。
2026年5月のEV登録は8,957台、前年比3倍超 構成比4.8%に
同統計における2026年5月の乗用車登録は187,486台(前年比105.3%)。燃料別の内訳は、ハイブリッド車(HV)が110,251台(構成比58.8%)で最多、ガソリン車57,033台(同30.4%)が続く。EVは8,957台で、ディーゼル車(7,480台)やプラグインハイブリッド車(PHV、3,733台)を上回り、HV・ガソリンに次ぐ規模となった。前年同月比で見ると、ガソリン車96.1%、HV105.1%にとどまるなか、EVの314.5%は突出している。2026年度のクリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)の拡充を背景に、登録車のEVシフトが数字に表れた格好だ。
注記:本稿の数値は自販連「燃料別登録台数統計」に基づく登録車(普通乗用車・小型乗用車)のみで、軽自動車は含まない。日産サクラ、三菱eKクロスEVなどの軽EVは全国軽自動車協会連合会の集計対象であり、本稿の8,957台には算入されていない。軽EVを含む市場全体のEV動向は、同会の通称名別データの公表を待って別稿で扱う。
輸入車が3,271台で最多 トヨタはbZ系展開で2,168台に急増
メーカー区分別では、輸入車がEV3,271台(前年比136.3%)で引き続き最多。輸入車の登録24,888台に占めるEV構成比は13.1%に達し、テスラや欧州勢を中心に輸入EVが高い比率を保っている。一方、国産メーカー計はEV5,686台(乗用車計8,957台から輸入車3,271台を差し引いた値)で、台数では輸入車を上回った。なかでもトヨタは2,168台と、前年の極めて小規模な水準から前年比3,387.5%(約34倍)に急増し、bZ系の展開拡大が数字を押し上げている。
| メーカー区分 | 2026年5月 EV登録台数 | 前年比 |
|---|---|---|
| 乗用車計 | 8,957台 | 314.5% |
| うち輸入車 | 3,271台 | 136.3% |
| うち国産メーカー計(差引) | 5,686台 | — |
| うちトヨタ | 2,168台 | 3,387.5% |
整備業界への影響:高電圧車両の入庫増を見据えた備えを
新車のEV登録台数は、数年後の車検・定期点検需要を映す先行指標である。月間8,957台、前年比3倍超というペースが続けば、駆動用高電圧バッテリーや電子制御装置を備えた車両が、今後の整備・点検の現場に着実に流入してくる。今回の伸びは補助金拡充という政策要因に支えられた構造的な動きであり、一過性の変動とは性格が異なる。
整備事業者にとっては、高電圧作業に対応できる人材育成(低圧電気取扱業務特別教育などの受講)、絶縁工具やEV対応スキャンツールの整備、電子制御装置整備(特定整備)の認証取得といった備えの重要性が一段と高まる。とりわけ輸入EVがEV登録の3割超を占める現状では、輸入車特有の診断・整備情報や専用ツールへの対応力が、入庫を取り込めるかどうかの分かれ目になりやすい。車両販売の現場で進むEVシフトは、その後を担う整備の現場へ確実に波及していく。
出典:一般社団法人日本自動車販売協会連合会「燃料別登録台数統計(2026年1月~5月)」(2026年6月4日発表)