第2回 業界問題座談会を開催 独占禁止法違反を突破口にする

 一般社団法人東京都自動車事業振興協会(鈴木今朝雄会長)主催の第2回 業界問題座談会は、去る3月9日(金)午後3 時より、東自協事務局にて開催された。
 鈴木会長、和田専務理事、板橋副会長の三役の他、緑川理事、大貫理事、渡辺指定工場代表、本誌代表入村の7名が出席した。

 まず、鈴木会長より、「本日は皆さまお忙しい中、座談会にご出席くださり誠にありがとうございます。前回の座談会でもご紹介いたしましたように、様々な法判断を仰がなければならない、多岐に渡る問題点を含んでおります。
 そこで本日は、主として独占禁止法違反に絡む問題点を中心にした審議をいただく予定です。それでは、和田専務お願いします」との挨拶で始まった。

 そして和田専務理事の、「前回は大きく問題点を3点に絞ってご紹介しました。1つが会費の名目で会員事業者が支払っている負担金が多過ぎる問題、2つ目が研修費が高過ぎる問題、そして3つ目が公務員の倫理規定違反がある問題です。
 それぞれ根拠とする法律が異なるため、すべてを一挙に解決できません。そこで本日は独占禁止法違反について、進行状況のご報告と、今後の進め方について皆さんと情報共有及び問題点の把握、そして今話題の継続検査ワンストップサービスへの対応策についてもお知らせします」との言葉でスタートした。

なぜ独占禁止法に抵触するのか?

 現在、東自協が依頼している東京神谷町綜合法律事務所からは、「協会が東京の整備振興会から受けている差別、事業者へのあからさまな圧力などは、独占禁止法違反に該当する事案であり、公正取引委員会の判断を仰ぐ必要がある旨の助言を得て、正式な陳述書の作成に入っている。

 では、なぜ独占禁止法違反となるのか?独占禁止法の目的を見ると、「公正かつ自由な競争を促進し、事業者が自主的な判断で自由に活動できるようにすること」の考え方に基づき、競争を維持、促進させる政策を勧めているのが公正取引委員会である。違反と認定されると団体もしくは企業に排除措置命令や違反者には課徴金が課される場合もある。

 今回こうした事例に該当するのではないかと見られているのが、整備士の技術講習を独占している整備振興会が講習費に会員と会員外を差別している行為、そして同じく整備主任者法令研修でも、同じ整備事業者を会員としている東自協会員に教材を販売しないなどの行為、その他、自動車検査員研修、教習における差別行為など、自由で公正な競争環境を阻害している行為など、陳述書で明らかにしていく計画を示した。

 こうした状況に、出席した委員からは「本当に困っている」「情報遮断される」などの意見が述べられた。加えて、「自由で公正な環境を維持、促進するためにも、ぜひとも公正取引委員会には頑張ってもらって、1日も早く改善してもらいたい」との強い意見が寄せられた。
 和田専務からは、「以前の振興会活動、行政活動をよく知っている先輩の元官僚からも、『早急に改善・改革する必要がある』などと助言をいただいていることもあり、必要な資料など準備に万全を尽くしている」と進捗状況の報告があった。

継続検査OSSの現状について

 和田専務より以下の報告を受けた。「ご承知のように昨年4月から継続検査のワンストップサービスがスタートしたが、現在は本格的に取り組んでいる地域は少なく、しかも積極的だと見られたディーラーでも、『導入メリットが少ない』などと急激に取り組み意欲がトーンダウンしていると聞いている。

 電子申請の手数料を下げているが、お客さまメリットよりも、使う企業側の生産性メリット、支局の窓口対応の遅れ、検査証出力の不便など、改善できていないことが多く、しばらくは様子見した方が混乱なく済ませられるようだ。いずれ電子申請は定着するが、すべてがスムーズに行くようになるまで、もう少し時間がかかることを覚悟してほしい」と資料を基に報告した。

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