㈱宮田自動車商会 ビジネスフェア2016 を開催

北海道の老舗自動車部品商

北海道における大手自動車部品商である㈱宮田自動車商会(宮田祐市 代表取締役社長)は今年で創業95 年を迎える。創業期は中古部品の販売、修理から始まり自動車整備工場を営む傍らで、昭和30 年代から自動車部品を取り扱うようになった。現在は20 を超える、営業所、事業所を北海道内に構え、社員数は135 名を数える。この体制で北海道内の10%をカバーしている。

4 回目を数えるビジネスフェア

同社は去る9 月24 日から25 日に、北海道札幌市にあるイベント会場アクセスサッポロにてビジネスフェア2016 を開催した。宮田社長が代表取締役に就任した2011年からビジネスフェアは始まり、3年前からは毎年開催するようになった。

来場の対象となるのはもちろん自動車整備工場であり、来場者は年々増加傾向にある。なお、去年の実績は750 社2,052 名の参加を数えた。多くの機械工具やケミカル類など様々な商材が一堂に展示され、出展企業数は130 社と、オートサービスショーさながらの雰囲気を見せる。来場者の多くは家族連れということもあって、キッズコーナーや飲食コーナーなども豊富であった。

北海道という土地柄、1 年の大半を雪に覆われてしまうこともあって、9 月というシーズンはイベントには打ってつけである。多くの収穫祭やイベントが同時に開催される中、自動車整備工場がレジャーとして活用出来る側面も持っているのだ。

宮田祐市社長インタビュー

ー今回のビジネスフェアの目的を教えて下さい

宮田 北海道内では展示会などの開催が少なく、新しいモノに触れる機会があまりありませんでした。新しいモノをお客さまが実際に見たり触れたりする機会をもっと増やしていきたいと考えたのが始まりです。

縮小する自動車アフターマーケット業界の中でお客さまと共に生き残っていくためには何をしなければならないのかと考え、2015 年の12 月にお客さまへアンケートを実施しました。その中には「情報が欲しい」という声が多く挙がり、お客さま自身も危機感を持ち現状に対して「今のままでよいのか」と感じていることが分かりました。

お客さまには、ビジネスフェアを勉強の場として活用して頂きたいと考えております。もちろん我々としても良い気づきがあります。我々はもちろんですが、お客さまとしても変化する業界や自動車そのものにも対応して頂かなくてはなりません。そのために各種セミナーなども開催しますので、お客さまが少しでもヒントを得られればと考えております。

ー自動車整備工場が今後生き残るためには何が必要だとお考えですか?

宮田 多くのことが必要でしょうが、メーカーの出すクルマを整備する以上は逃れられないことですが、ハイブリッドや衝突軽減装置など、クルマが便利になると同時に事故も軽減していきます。もちろん機械ですから壊れることもありますので、事故がゼロになることは無いでしょう。ですが、そういった事故などによる修理案件が部品ユニットでの交換になってしまっていることに対応しなければなりません。

以前は、ベアリングだけの交換で済んだものがフランジやハブが一体になりユニットでの交換をしなくてはいけなくなりました。壊れている部品だけの修理とは違い、作業自体も簡略化され利益を稼げなくなってしまいます。部品点数削減や軽量化を目的としたユニット化による細かな部品で得られる利益も下がってしまいます。時代の流れが便利な方向へ向かっている以上は仕方がないことです。これまで以上に新しい『売上』を模索しなければ生き残ることは難しいと思います。

これからは、自動車整備工場には設備と技術による武装が求められると考えています。そこで、様々な整備の技術を自動車整備工場様に提供するテクニカルセンターを2015 年に開設しました。こういった修理が出来る整備工場はお客さまにも喜ばれ、そして選ばれるお店になりますので、そのような生き残る術を得られればと考えております。

ー整備工場が生き残る具体策は?

宮田 車検については作業時間短縮などによる時間当たりの生産性を上げることが重要なのは皆様承知のことだと思います。一方でカーオーナー様の困り事解決が出来る工場となるためのサービスメニューを豊富に揃えることが必要と考えています。

今回のビジネスフェアにも出展していますが、エアコン洗浄機器や洗車機器、コーティングなど、車検整備以外のサービスをいかにお客さまに実施出来るかだと思います。もちろん単価は上がりますので、お客さまに納得して頂かなければいけません。ですので、自信を持って提案出来るサービスを持っているかどうか、それを提供できる話術や仕組みがあるか、こういったことに対して積極的に動くことが生き残りだと考えています。

ー自動車部品商が生き残るにはどのようにすればよいとお考えですか?

宮田 「便利屋として使われている」、こういった付き合い方を変えていく必要があると思います。もちろん人と人との繋がりが商売に繋がるので、一概には否定出来ません。ですが、会社として、企業としてお付き合いをしていく上では互いのメリットを考えて仕事をしていくべきです。

例えば、営業マンは1 件のお客さまに1日に4回~6回、訪問します。すると年間で1,000 回はお客さまとお会いする機会があります。1,000 回も接触頻度があるにも関わらず、部品を渡して帰るだけでは、便利屋としての側面しか持てないのも頷けます。こういった配達して仕事が終わりという考え方を変えていく必要があるのです。
人生の中で家族の次に会う機会の多い私たちだからこそ、良き相談相手になり、共に生き残っていければと思います。

ー自動車部品商が自動車整備工場と共に生き残るにはどうするべきだとお考えですか?

宮田 今回のイベントのような勉強する場の提供や新しい商材の提案、サービスの紹介などを我々が積極的に行っていくことで、お客さまが生き残る手助けになると信じております。先述の整備工場様が生き残る具体策を我々が積極的に発信していき、お客さまの潜在的なニーズを掘り起こして顕在化することです。一人ひとりが提案型の営業マンとなり、そのお客さまに何が必要なのかを真剣に考えて提案していき、お互いにメリットを見つけていくことが出来れば良いと思います。

先ほども申しました通り、部品のユニット化により部品の値段も上がり、工賃で利益を得ることは難しくなっています。
我々は部品が売れると単発で見れば儲かりますが、お客さまである自動車整備工場は部品を使えば使うほど工賃利益は下がっていきます。ましてや、次世代自動車になることで経営が難しくなることは言うまでもありません。

だからこそ、こういった部品と共に情報やサービスの提供をしていくことが我々の新しいビジネスモデルの姿であり生き残る道だと考えています。お客さまに儲けて頂く仕組みを新たに創造していくことが今後の最大のテーマです。

アフターマーケット業界の中で、部品の占める売上高は1兆8 千億円にも上り、顧客が生き残らなければ自社が生き残れない、顧客を成長させる手助けを真剣に考えていくことが部品商の生き残る道であると宮田自動車は説く。情報を顧客に提供し、共に成長していくことで生き残ることを宮田自動車では提案していく。

株式会社 宮田自動車商会
北海道札幌市中央区北1 条東11 丁目22
TEL:011-261-3451 FAX:011-242-1241

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