放任したままでは人材はできない

自動車整備業の人材育成
人を活かす50の法則

■サービス業としての認識

自動車整備業はサービス業である。

サービスの基本は人が提供する。こう考えると自動車整備業は「ひと」産業そのものといってもよい。自動車整備工場そのものの経営の善し悪しは、そこに働く人材レベルに左右される。そこで、人材は単なる経営の材料ではなく企業そのものの財(たから)でなくてはならない。

■人材から人財へ

どんな素材でも放っておけば単なる材料に過ぎない。それを加工し、磨き上げればこそ、その素材が生き、役に立つようになる。やはり人材は放任したままでは決して人財にはなり得ないことをまず認識していただきたい。

それでは人材を本当の人財にするにはどうしたらいいのでしょうか。

■自分の経験を押し付けるな

人を育てるとき注意しなければならないのは、自分が若いとき育てられた経験を押し付けないようにすることが大切だ。

自動車整備業の、かつての人材育成の基本パターンは、見て覚える式が圧倒的に多かった。先輩や上司のやり方を見よう見真似で覚えていく。まさに職人的気風が大きかったのだ。その良さもあるが、そこには積極的に人を育成するという考え方が弱い。ついてこれる者はついてこいという姿勢である。

仕事はできるが人材を育てる意識や、やり方をしらない。これが多くの自動車整備工場の経営者や管理者の実情なのだ。

かつて自分はこのように育てられた。だから後輩や部下にもという考え方が未だにあったとしたら、即刻改めていただきたい。

人財はできるものではなく作るものだ。

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