資源マーケット情報　2022年5月

鉄スクラップ

鉄スクラップの5月市場は、海外鉄源市況の急落を契機としてアジア向け輸出市況より反落、国内炉前価格も続落局面となった。

東京製鉄では、5月7日から全国工場で炉前購入価格をトン当たり1,000円の値下げ、田原、岡山、九州工場は海上・陸上特級とも6万4,500円、宇都宮工場は陸上特級6万5,500円、高松鉄鋼センターは陸上特級6万3,500円としている。さらに5月12日から全国工場で炉前購入価格をトン当たり1,500円の値下げ、田原、岡山、九州工場は海上・陸上特級とも6万3,000円、宇都宮工場は陸上特級6万4,000円、高松鉄鋼センターは陸上特級6万2,000円とした。

その後についても、5月14日、17日、19日、20日、26日と炉前の値下げを続けた。月末5月31日からは全工場で炉前購入価格をトン当たり1,000円値下げ、田原、岡山、九州工場は海上・陸上特級とも5万7,000円、宇都宮工場は陸上特級5万7,500円、高松鉄鋼センターは陸上特級5万6,000円としている。

アジア向けの鉄スクラップ輸出船積みルートについてみると、関東鉄源協同組合の5月11日の輸出テンダーでは、希望価格に達せず、不成立となった。

海外市場においては、ロシア産の安価な半製品の輸出が続いたことから、鉄源市況は急落した。トルコ向け輸出市況は、ＣＦＲ455ドルから460ドルとピーク比200ドル前後の大幅な下落となっている。

粗鋼生産

4月の全国の粗鋼生産は747万1,000トンで前年同月比4・4％減少となり、前年同月比では4ヵ月連続の減少となっている。粗鋼生産を炉別にみると、転炉鋼は545万9,000トンで前年同月比5・6％減少となり4ヵ月連続の減少、電炉鋼は201万2,000トンで同比1・3％減少となり2ヵ月連続の減少となった。電炉の主力製品である小形棒鋼の生産は67万9,000トンで前年同月比5・4％増加、Ｈ形鋼は29万9,000トンで同比4・9％増加となっている。

4月の世界の粗鋼生産は1億6,270万トンで前年同月比5・1％減少となり、国別でみると中国は9,280万トンで同比5・2％減少、インドは1,010万トンで同比6・2％増加、アメリカは690万トンで同比3・9％減少などとなっている。

非鉄金属

非鉄金属については5月の銅地金価格は、上下動の中でも反落傾向となった。5月9日には4万円下げて128万円、その後、5月11日からは2万円下げて126万円、5月13日に4万円下げて122万円まで下落となった。5月17日からは3万円上げて125万円、19日には2万円下げて123万円、5月23日からは3万円上げて126万円、5月26日からは1万円下げて125万円と上げ下げが続く状況。6月1日からは2万円上げて127万円とした。

中国のロックダウンの解除を契機とした経済復興への期待感はあるが、欧米の利上げ、ロシア・ウクライナ情勢からのエネルギー価格の高騰はマイナス材料となった。

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